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印鑑一筋121年の歴史-個人・企業の幸せを願い印鑑を作ります

個人・企業の幸せを願う手作り判子のプロ

横田泰行

横田泰行 よこたやすゆき
横田泰行 よこたやすゆき

#chapter1

よりよき人生を演出するために職人が彫り上げる手作り印鑑を

 広島市中区、1896年から続く老舗印章店「横田印房」。121年にわたり続く手彫り印鑑の技術には親しみやすさと品格が感じられます。「当社の仕事は文字文化の創造業です」と話す 5代目店主の横田泰行さん。熟練の職人が彫り上げる個人印や法人印をはじめ、個人・事務用ゴム印や認印、落款に表札、名刺などを数多く取り扱います。まさに「文字」や「名前」を扱う専門家です。

 最近では技術を持った職人が少ないそうですが、横田印房では国家検定印章彫刻一級技能士であり最優秀県知事賞を受賞した一流の職人が巧の技で印鑑を完成させます。印鑑の持つ大切な役目に、本人認証があります。「指紋や角膜などの生体認証は個人を特定できますが、意思を残すことはできません。ハンコを押すという行為は『契約したい』『同意する』など、本人の約束や思いが込められている重要な作業です。結婚や契約、保証人になるなど人生を左右する大事な局面で、自信を持って「はんこ」を使って頂きたい。私たちは、はんこを使う皆さんの幸せのために、大切に彫りあげる義務があります」。職人が、本人の幸せを願い手作りする一度きりの作業。職人の手による印鑑は二つと同じものがありません。

 印鑑は書類の世界で公的機関が証明する唯一無二のもの。夫婦や家族なのだから印鑑を別に持つのは、なんとなく他人行儀だという人もいますが、実は逆なのだそうです。「一例をあげるとペイオフ制度が実施されたため、夫婦でも家族でも銀行印は区別して登録するのが賢明です。銀行は預金口座の名前から同一預金者を割り出す『名寄せ』を行います。2人の合計金額が1000万円を超えていたらペイオフの対象になってしまいます。相続においても同様で、家族で印鑑をきちんと使い分けていないために余計な相続税を払う例も多いのです。」横田さんは家族を守るためにも、判子を使い回ししないようにと警鐘を鳴らします。

#chapter2

「個人や企業の皆さんのお役に立ちたい」

 横田印房は戦後から大企業や中小企業、個人商店まで数多くの法人に長年にわたり誠実な対応で信頼を築き上げ、現在の取引先法人は550件にもおよびます。事務用のゴム印など場合によっては当日に納品するという迅速なサービスで企業の要望に応えます。「企業の繁栄を願い、社名のバランスや字体などの相談にも快く応じています」。
 印鑑をオーダーする時に「何を基準に、どのような印材を選べばいいか分からない」という相談が多いという横田さん。「印稿(デザイン)は服やバッグなどの好みと違いイメージしにくいと思いますが、用途や目的、好ましい書体など、じっくりアドバイスいたしますのでご安心ください」。親身になって行われる提案と巧の技術で、年間に1000本以上の実印や認め印を製作しています。

 また、自分の芸術作品や商品などの作品に好きな言葉や名前などを捺印する落款印は使い方もさまざまなのだとか。「お客さまの中には実用印章とは違い、手紙や蔵書、年賀状に名刺など、自筆で書いたものに捺印し、ファッション感覚で気軽に楽しまれる方も増えています」。手彫りで使う人の思いを表現する落款印。歴史を感じる芸術的なデザインに朱色の美しさが映え存在感を放っています。

横田泰行 よこたやすゆき

#chapter3

親切で丁寧な接客がモットーです 

 横田さんは印章の芸術が生まれた国・中国で、印章技術や書画の歴史に触れ文字文化への理解を深めています。横田さんは今年、自身の落款技術が認められ、毎日書道展で佳作を受賞。いろいろな分野から刺激を受けて、常に技術を高める努力をおこたりません。

 店内に入ると壁一面のハンコの数に目を奪われます。横田印房では広島在住の方々の姓を独自に調査し、現在では約7万本をそろえています。「お客さまが必要なときに、即座に対応できるように」という思いやりが伝わってきます。「不要になった印鑑をどうすればいいかお困りの方がいますが、広島県印章業組合では毎年、供養祭で『印章供養』しております。責任を持って無料で供養させて頂きますので、お気軽に当店までお持ち下さい」。また、横田さんは企業と消費者の意見交換会などにも積極的に参加。先日は子ども連れ家族の意見を参考に、子どもが喜ぶ菓子や絵本などを準備するなど「お客さまの声」に耳を傾けています。穏やかで優しい横田さんの人柄がサービス面に表れています。

 「自分の名前に誇りを持ち、押した後の効力をよく考え責任を持って慎重に印鑑を押印してほしい」-横田さんの印鑑や顧客に対する熱い思い、正直で誠実な人柄が伝わってきました。常に人々の生活や企業活動に必要とされる大切な判子だからこそ、信頼できる横田さんに任せてみてはいかがでしょうか。

(取材年月:2010年11月)

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横田泰行

個人・企業の幸せを願う手作り判子のプロ

横田泰行プロ

販売職

有限会社 横田印房

入学祝・就職祝い時に貰った印鑑を永く使いたいというのは誰もが願う事です。一生使う事ができる「彫る文字」や「材質」について125年の豊富な経験と接客でしっかりとご説明いたします。

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