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「声」の専門家を育成して声に関するさまざまなニーズに応えたい

ナレーションやイベントMCなどの依頼に応じる声の専門家

佐山裕亮

佐山裕亮 さやまゆうすけ
佐山裕亮 さやまゆうすけ

#chapter1

ナレーションやイベントMCなど「声」に関する依頼に幅広く対応

 「職業として認識している方は少ないかもしれませんが、テレビやラジオ、動画配信サイト・YouTubeのCMや、駅のアナウンスなど、いろいろな媒体で声を使う仕事があります。弊社は声の出し方や響かせ方、聞こえやすさを訓練した声の専門家を組織して、企業や個人のお客さまからのご要望にお応えしています」

 そう語るのは、「One's Voice」代表の佐山裕亮さん。ナレーターや声優など約20人と提携して、映像コンテンツのナレーションやキャラクターボイス、イベントやスポーツの試合のMC(司会・進行)を提供。自らも、落ち着いたニュース調、抑揚のあるアニメ調といった声色を使い分け、スポーツやゲーム、ドラマなどさまざまなシーンを演出しています。

 「昨今は、性能の高いマイクや編集ソフトが開発され、自宅でも作業ができるようになりました。メンバーから届いた音源を弊社の機材で整音することで、スタジオ録音と遜色ない品質に仕上げることができます。スタジオ使用料や移動費が不要となり、例えばテレビやラジオの15〜20秒のCMは、通常納期1週間で1万円未満です。コストを気にせず、ご利用いただける仕組みを整えています」

 企業PRや商品・サービスの紹介、キャンペーン告知、館内放送など、舞い込む案件は多岐にわたります。日本語、英語、中国、ドイツ語、ロシア語に堪能なナレーターがいることから、インバウンド需要にも備えます。
 「日本語を各言語に翻訳もいたします。映像資料に合わせて音声を吹き込むのはもとより、素材がない場合は先にナレーションを収録することも可能です」

#chapter2

スポーツ観戦の趣味が高じて引き受けたスタジアムDJが人生の転機に

 アニメの声優を志し、東京の事務所に在籍していた佐山さん。役者として舞台に立ったり、ゲームの登場人物の声を担当していましたが、「声優は歌手やお笑い芸人と同じように、売れないと食べていくことができない厳しい世界」と話します。
 「声優の志望者が約30万人いると言われていますが、プロとして事務所に所属できる人はおおよそ3000人。声の仕事だけで生計を立てることができるのは300人ほどで、業界全体の9割が食えないんです」

 時給がよい深夜のアルバイトをしながら、日中公演があれば出演。夜7時に出勤して翌朝の4時頃まで働き、仮眠をとり昼に活動という毎日は体力的につらいものでした。
 「演者にチケットノルマがあると、指定された枚数をさばけず自腹を切ることも。チケットを買ってくれる仲間の作品を見に行く必要もあり、当時は自分の生活で精いっぱいで結婚や子どものことを考えることができませんでした」

 もともとスポーツ観戦が好きで、地元のサッカーチームのスタジアムDJをしたことが転機となります。数々のキャラクターを演じてきた表現力で、選手紹介などを軽快に伝える様子が評判となり、バスケットボールや野球と各方面からオファーを受けるようになりました。

 「本当にありがたいことですが、自分一人ではこなせない量になりお断りしなくてはいけないこともありました。お客さまが別の人を探すのも大変です。自分が芸能事務所のように人材を集めて、コーディネートすればよいと思い事業をスタートしました」

佐山裕亮 さやまゆうすけ

#chapter3

地元を拠点に声のプロを育成して活動の場を広げるため、ワークショップを開催

 チームの熱戦や選手のパフォーマンスを描写してスタジアムを盛り上げるなど、クライアントから「佐山さんのおかげで助かりました」と言ってもらうのが、やりがいと笑みを見せます。

 「『明日までに何とかお願いできないか』と、ナレーション収録を頼まれたこともあります。応じてくれるメンバーを必死に探し、期日通り無事に納めることができた際は、大変喜ばれました。イベントの最中に突発的な事が起きたとき、機転を利かせて乗り切るのも得意。お客さまから『瞬発力』も評価していただいています」

 今までの経験を踏まえ、「声というツールを使いこなすプロフェッショナルを育成したい」と抱負を語ります。
 「MCは話が上手なだけではなく、『頭の回転力』や『臨機応変な対応力』が求められます。自分が得た知識やノウハウを伝えるため、ワークショップをスタートしています。ナレーターや声優を目指す人は東京に行ってしまいますが、地方でも仕事ができる時代。当方を窓口に依頼を受け、地元で活躍する人材を育てていきたいですね」

 声を使ったコンテンツが増える中、顧客の負担を軽減して、役に立ちたいと考えている佐山さん。音声と映像を分けて発注すのは手間がかかるので、テロップを入れるなど簡単な編集も手掛けワンストップで納品できるようにしています。
 「まずは、弊社のように声の仕事を請け負う業者がいることを知ってほしいですね。声に関することは何でもご相談ください」と呼び掛けます。

(取材年月:2023年7月)

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専門家プロフィール

佐山裕亮

ナレーションやイベントMCなどの依頼に応じる声の専門家

佐山裕亮プロ

声優・ナレーター

株式会社One's Voice

声優やナレーターなどを組織し、ナレーションやMC・司会の依頼に対応。ナレーターが自宅で収録することで依頼者の費用負担を抑えます。また日本語以外の言語にも対応しています。話し方や声の出し方講座も実施中!

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