学習内容を分析し効果的なカリキュラムを提供する英語のプロ夏目亮

学習内容を分析し効果的なカリキュラムを提供する英語のプロ

夏目亮

発音や語彙、文法を強化するコースを展開し、対面とオンラインで授業

　「英語の勉強に励んでいるのに思うように力が付かないのは、『ゴール』と『学習方法』がズレているからかもしれません。当方では、ボキャブラリーが少ない、アウトプットの機会がないなど、課題に応じて学習内容を設計します。取り組むべきことを明確に提示し、継続を後押しすることで、短期間で成果につなげます」

　そう語るのは、群馬県館林市で英語特化型の塾「学びラボ4U」を主宰するコーチの夏目亮さん。学校のテストや英検、TOEIC対策など、目的に合わせて英語力が身に付くカリキュラムをデザインしています。

　学習方法のベースにしているのが、母語以外の言語の効果的な習得法を、科学的な観点から解明する「第二言語学習理論」です。

　「英語の発音と日本語の発音は全く異なります。英語は音が伸びを持っていますが、日本語は『あ、い、う、え、お』と区切って発音します。文法もしかりで、日本語を第一言語として獲得した状態で英語を習得するには、双方の違いを論理的に理解することが重要です」

　夏目さんは、発音や語彙、文法を強化するコースを初級、中級とレベルごとに展開し、少人数制の個別指導も用意。対面とオンラインで週1回75分の授業を開き、2024年3月からオンライン授業をさらに充実させます。

　「英語の上達は、毎日の積み重ねが欠かせません。教室は英語を話す『楽しさ』を体験し、生徒同士が刺激しあって『もっと頑張ろう』と思う場として活用し、オンラインでそれぞれが掲げる目標に適した学習の質と量を提供します。進捗や習熟度を確認しながら、堅実に達成へと導きます」

英語力を磨き教育学を学ぶため英語教師を辞し、アメリカの大学院へ

　以前は、英語教師として中学校で教べんを執っていた夏目さん。学校という枠組みの中で、理想とする「学び」を実現するのが難しいことにジレンマを抱え、11年間の教員生活に幕を下ろします。

　「生徒の中には『勉強が嫌い』という子もいます。何とかしてやる気になってもらおうと努力をしましたが、興味を持つか持たないかは本人が決めること。やる気がない生徒の時間をロックして、生産的とは言えない時間をこなすことに申し訳なさを感じてしまったんです」

　英語のスキルを磨き、世界基準の教育学を修了するため、アメリカの大学院に進みます。

　「父親の仕事の関係でドイツで暮らしていたこともありますし、イギリスにホームステイをしたこともあり、海外や英語は身近な存在でした。教員免許を取得したのも、日本で実務経験を積んだ後、海外で日本語を教える選択肢を考えたからです。教師時代は自分の語学力に満足していなかったので、英語で学問を追究できる環境がベストでした」

　また、英検やTOEICを受験し、英語学習者として研さんする中で多くの気づきを得たと言います。
　「努力しているのに伸び悩んでいる方、英検だと準2級、2級レベルの方は『発音』に対する学習が不十分なことが多いです。言語は音が先にあって、それから文字ができました。文字から学ぶのではなく音から学ぶことが大切なんです」

　夏目さんは、英語を音でインプットして実際に話す機会を増やし、実践的な英語力を養うことに注力しています。

教える側が学ぶコミュニティーも立ち上げ、生徒の英語学習をサポート

　おのおのが目指す道を伴走支援する夏目さん。かつて、カナダで語学学校に通っていた生徒がいました。

　「現地で就職をするために採用試験を受けましたが、連続で不採用となっていました。英語力の不足を原因と考えていましたが、話してみるとそれほど悪くない。面接官の質問に対して何を答えるかという、認知の部分をフォローする必要があると判断しました」

　質疑応答などに備えたカリキュラムをオンラインで提供したところ「第一志望の企業に採用された」とうれしい報告がありました。
　「思考や感情は、話す人が使う言葉や語順に反映されます。生徒がつまずいているポイントに則した解決策で力になりたいですね」

　夏目さんは、英語を教える側のスキルアップを図るため、先生や講師らが集えるコミュニティーも発足しました。

　「教員時代を振り返ってみても成長できる場が少ないんです。特に英語の専門性を高める場所はほとんどなく、自分自身の実力も上がりませんし、教え方も向上しません。定期的に勉強会を開催したり、チャットで交流したりすることで、お互いに切磋琢磨していきたいと思います」

　コーチとして活動する上で大事にしているのが、生涯にわたり学び続ける「ライフロングラーナー」。蓄えた知見を生徒に惜しみなく伝え、効率的な英語学習をサポートしていきたいと力を込めます。

　「英語を一生懸命勉強しているのに結果が出ずに悩んでいる方は、ぜひ話を聞かせてください」と呼び掛けます。

（取材年月：2024年2月）

生徒に合わせた効率的な学習方法を設計し、短期間で英語習得を目指す

発音や語彙、文法を強化するコースを展開し、対面とオンラインで授業

英語力を磨き教育学を学ぶため英語教師を辞し、アメリカの大学院へ

教える側が学ぶコミュニティーも立ち上げ、生徒の英語学習をサポート

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