足寿命を守るドイツ式フットケア&靴教育のプロ
栗田瑞恵
Mybestpro Interview
足寿命を守るドイツ式フットケア&靴教育のプロ
栗田瑞恵
#chapter1
健康寿命を延ばす鍵は足の健康にあり。「パトゥサ」代表の栗田瑞恵さんは、「美しく、生涯にわたり元気に歩く足」を育てるため、岐阜県各務原市で「ドイツ式フットケア&巻き爪専門店 椿」を展開。ウオノメやタコ、巻き爪、肥厚爪など幅広く対応し、幼児から高齢者まで、月に100人以上を迎え入れています。
「カウンセリングを通じて根本原因を見極め、お客さまと当方が“一緒に”改善に取り組むことを大切にしています。トラブルの要因は日常の中にもありますので、生活習慣や靴の選び方、続けやすいホームケアもアドバイスしています」
巻き爪補正法「ORAナーゲルシュパンゲ」を開発・特許を持つブリギッテ・ラーテナウ氏から直々に指導を受け、ドイツの医療機関でも採用されている技術を習得。湾曲した爪のカーブに合わせワイヤーを微調整し装着した後、緩やかに爪の形を整えます。
「ドイツの国家資格で、人体の構造や機能について医学的見地を備えた『整形外科靴マイスター』のベーレ・ルッツ氏と相談会を開催し、個々の状態に合わせたインソールも制作しています。外反母趾や偏平足の方もご相談ください」
サロンには、「子どもの足と靴の専門店フラミンゴフット」を併設。成長段階に合わせた機能性の高い靴を提案し、靴・靴下の履き方まで丁寧にレクチャーしています。
「足の悩みの多くは、子どもの頃の足と靴の環境に起因します。歩行などを定期的に観察し、適切な一足を提供する『足育靴育』により幼少時から足に合った靴を選び、正しく履くことで、歩く、走るといった健やかな運動発達を促し生きる力を育てます」
#chapter2
長く美容部員として勤めていた栗田さん。フットケアに興味を持ったのは、母親の病気がきっかけでした。
「股関節変形症を患った母の足を初めて目にしたときの衝撃は、今も忘れられません。爪は伸び放題、かかとなど足裏全体の角質が分厚くなり、まるで象の足のような状態だったんです」
おしゃれが好きだった母が、歩けなくなったことで外出を諦め、身だしなみや社会への関心をも失って、無気力に陥っていく姿を目の当たりにした栗田さん。「歩けないことは、人から自分らしさや生きがいを奪ってしまう」と痛感しました。
リハビリが始まる母を心配し、足の状態を改善したいと訪ねたのが、ドイツ式フットケアを行うサロンでした。
「マシンを用いて肌に負担をかけずに角質を除去するなど、見たことのない技術で足がきれいになっていく様子に感動すると同時に、『母と同じ悩みを抱える人はどうしているのだろう?』と疑問も芽生えました。多くの人の役に立てればと、仕事や子育てのかたわら勉強を始め、2009年に資格を取得しました」
子どもの独立や自身の病を経験し、自らの人生を見つめ直した栗田さんは、フットケアに専念することを決意。起業家セミナーに参加し、2014年に創業します。
「『フットケアの意義がまだ知られていない。その必要性を、身をもって知るあなたが伝えていくべき』との言葉に背中を押され、サロンと講演活動をスタートしました。以来、足から健康をサポートすることを私の使命としています」
#chapter3
完全予約制で一人一人に向き合い、時間をかけて足を手入れする栗田さん。培ったノウハウを還元するためスクール事業も手掛け、2016年に「フットヘルパー協会認定岐阜校」を開校。看護師や介護士、障がい者施設の職員、ネイリストなど、多様な人材が受講しています。
「医療・福祉分野で、高齢者らのフットケアを求める声は高まっています。足病変の早期発見といった実用性が評価され、介護事業者に向けて、岐阜県の補助金が利用できる助成制度の対象講座にも認定されました」
座学と実習からなる講座で、足浴や足部・足爪のケアについて学習。フットヘルパーとして活動できる知識とスキルを養い、それぞれの現場で治療や重症化の予防につなげています。
また、研修や講演にも注力。自治体が主催する講座で、高齢者に指の変形を防ぐなど日頃から足を労わり、転倒を防ぐ重要性を伝えたり、中学校で生徒や保護者に「成長期の足と靴」について講話したり。サロンでは「整形外科靴マイスター」のベーレ・ルッツ氏による「子どもと大人の足靴相談会」も、年に2回開催しています。
「足は体を支える土台であり、血流の促進や姿勢の維持にも直結します。歩く力を失えば外出や交流の機会が減り、心身の衰えや生きがいの喪失につながります。気力・体力の低下が招く現実を母の姿から学んだからこそ、足の健康を守ることが生きる意欲を守ることだと信じています。0歳から100歳まで、誰もが自分の足で歩き続けられる社会をつくりたいですね」
(取材年月:2025年9月)
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Profile
足寿命を守るドイツ式フットケア&靴教育のプロ
栗田瑞恵プロ
フット・巻き爪ケアセラピスト/講師
合同会社パトゥサ
本場ドイツで技術を学びドイツ整形外科靴マイスター(国家資格)とも連携。フットケアサロン・子ども足靴専門店・フットヘルパースクール・足育講座・インソール制作を通じて足寿命を守り、健康寿命を支えます。
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