PROFESSIONAL
STORIES

Mybestpro Interview

豊かな自然の中で助け合い、育ち合う、幸せな子ども、幸せなお母さんを増やしたい

親子の幸せを育む幼児教育・保育のプロ

浅井智子

浅井智子 あさいともこ
浅井智子 あさいともこ

#chapter1

0~3歳の未就園児と保護者を対象にした親子組、3~5歳に向けた森のようちえんを主宰

 「森の中で、自然の恵みを享受しながら感性豊かに育つ子どもたちを見守るのは楽しいです。何よりお母さん同士が助け合って、日々、子育てを楽しんでいます。いいお母さんじゃなくて、幸せなお母さんを、良い子じゃなくて、幸せな子を増やしたい、その先に世界平和があるというのが“森わら”が掲げる指針、ミッションステートメントです」

 そう語るのは、「自然育児・森のわらべ多治見園」園長の浅井智子さん。かつて公立保育園で保育士として働き、結婚を機に憧れていた専業主婦に。わが子を育てる中で、園舎を持たず、海や川、野山、公園といった野外で子どもたちが伸び伸びと過ごす「森のようちえん」の素晴らしさに感銘を受け、散歩会からスタートしました。

 現在は、0~3歳の未就園児と保護者を対象にした親子組、3~5歳に向けた森のようちえん(認可外保育施設・無償化対象園)などを主宰しています。

 「子どもの育ちに真剣に向き合えば向き合うほど、お母さんの存在を抜きにしては考えられなくなりました。ご近所付き合いもなく、頼れる人が身近にいないなど、今のお母さんたちは孤独なので、親同士のつながりも重視しています」と浅井さん。不安やストレスから、ネガティブ思考になりやすいとも話します。

 「森わらでは、当番制で保護者にも保育に加わってもらいます。子どもがけんかを始めると、すぐに止めるお母さん、一方でニコニコ見ているお母さんもいます。自分とは違う子育てのあり方を、スタッフや先輩ママから学び、感じられる機会を作り、子どもだけでなく親の育ち合いにも力を入れています」

#chapter2

小学部門として、子どもたちが主体的に動けるオルタナティブなフリースクール「大地組スクール」を開校

 2009年の開園以来、多くの子どもたちを迎え入れてきた浅井さん。卒園後も集えるよう、2020年9月、小学部門としてオルタナティブなフリースクールとして「大地組スクール」を開校しました。

 「森わらのような学校を作ってほしいと子どもたちから直訴されたんです。自分で感じ、自分で考えて行動し、その結果として成功も失敗も自分で引き受け、また次の一歩を踏み出していくということを幼少期から積み重ねてきた子どもたちですので、自分たちが主体的に動ける場を切実に求めていたんだと思います」

 大地組では、自分の考えをまとめ、人に伝える取り組みとして対話ノートを作成しています。浅井さんは、親子組から通っていた小学1年生の女の子が書いた言葉に心が震えたと言います。

 「『みんなの平和を大切に。普通と違うことをやる。いろんなものといたい』と、字を覚えたばかりの子どもが、自分らしい視点で多様性や世界平和といった概念をつづり、それを誰かに伝えたいという思いがあることに驚き、感動しました」

 森わらでは、人生の根幹を作る幼児期に、自分や周りを信じる力を培うことを心掛けています。

 「ありのままの自分を受け止められた経験がないと、そういう力は育まれません。人格や肉体を傷つけるようなこと事は絶対ダメと大人が踏み込んで伝えますが、そうせざるを得なかった気持ちを丁寧に聞き受け止め、行動面ではNGを出しても、その子の存在そのものは、いかなる時も受容する。心の手は絶対に離さない、それは、子どもであっても、大人であってもです」

浅井智子 あさいともこ

#chapter3

「森のようちえん」の普及に尽力し、すそのを広げるためマタニティークラスも

 浅井さんは、「森のようちえん」の知名度が低く、行政の支援を受けられない時代から「森のようちえん全国ネットワーク」の初代運営委員として、普及に尽力してきました。

 自然というフィールドで、さまざまな体験を重ねていく保育・幼児教育が、選択肢の一つとして当たり前となるように奔走。講演会や、森のようちえんの立ち上げで全国各地に赴きました。

 「十余年にわたる活動の中で大きく変わったのは、森のようちえんに理解を示す行政が出てきたことです。私たちも岐阜県に粘り強く働きかけ、ようやく認可外保育施設として認められ、2020年から無償化対象園になりました。ようやくそういう時代になったのだなと、感慨深いものがあります」

 さらに森わらでは、すそ野を広げようと2022年からマタニティークラスを始めました。
 「出産前からコミュニティーを作り、産後、おかえりと迎えてくれる仲間がいるのは安心感につながりますからね」

 浅井さんの自慢は、志を同じくするスタッフ。子どもたちの多様性を大事にするには、大人にも多様性が必要と、20人以上が集結しています。
 「森わらでは、おなかの中にいる赤ちゃんから小学生までの連続した育ちを、専門性を備えたスタッフが温かく見守り、一人一人を大切に支えています。わが子に本物の生きる力を身に付けてほしいと願っているお父さん、お母さん、それを仲間と共に目指したいと思う人、自分自身も人として親として育ち直ししたい人、一緒に成長しましょう!」

(取材年月:2023年5月)

リンクをコピーしました

Profile

専門家プロフィール

浅井智子

親子の幸せを育む幼児教育・保育のプロ

浅井智子プロ

保育士

一般社団法人MORIWARA

保育士のスキルと森のようちえんで我が子を育てた経験をベースに、豊かな自然の中で、その子の持ち味を大切に育みます。親同士のつながりを重視し、心の手は絶対に離さないをモットーに、幸せな親子を増やします。

\ 詳しいプロフィールやコラムをチェック /

掲載専門家について

マイベストプロ岐阜に掲載されている専門家は、新聞社・放送局の広告審査基準に基づいた一定の基準を満たした方たちです。 審査基準は、業界における専門的な知識・技術を有していること、プロフェッショナルとして活動していること、適切な資格や許認可を取得していること、消費者に安心してご利用いただけるよう一定の信頼性・実績を有していること、 プロとしての倫理観・社会的責任を理解し、適切な行動ができることとし、人となり、仕事への考え方、取り組み方などをお聞きした上で、基準を満たした方のみを掲載しています。 インタビュー記事は、株式会社ファーストブランド・マイベストプロ事務局、またはぎふチャンが取材しています。[→審査基準

MYBESTPRO