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目標達成の近道になる経営計画書作成により、二代目・三代目社長をサポート

事業承継の実践者として経営計画書作成を導くプロ

棚橋泰之

棚橋泰之 たなはしやすゆき
棚橋泰之 たなはしやすゆき

#chapter1

「経営計画書」で経営方針や価値観を社内に共有し、成果につなげる

 「先代から事業を引き継いだが、第二創業として新たな分野に進出したい」「本業が成熟期を迎え、売り上げが停滞してきた」など、二代目・三代目ならではの悩みを抱えていませんか。

 ビルメンテンナンス会社からスタートし、60年以上続く「技研サービス」代表取締役社長の棚橋泰之さんは、三代目として事業を承継。銀行資金ショートからの回復を遂げ、7期連続増収増益を実現しました。自らの経験知を発揮し、経営コンサルティングサービスを展開しています。

 コンサルティングの軸は、3日間にわたって行われる「経営計画書合宿」です。「経営計画」とは、数字を中心にした事業計画にとどまらず、経営理念や未来像など、長期的な視野に立って会社の方向性を示すもの。目標達成までの具体的なアクションプランまでまとめた手帳型の計画書を作成します。
 「経営者のビジョンや考えは、社員になかなか伝わりにくいものです。それらを言語化した上で目標数値や戦略まで落とし込むと、社員にも目指す姿が明確になるため、成果につながります」

 合宿の締めくくりに「経営計画発表会」を行い、社員に内容を共有します。
 「計画を作って終わりにしないために、社員の前で会社の方向性などを表明します。単に手帳を手渡すだけではなく、思いを直接伝えることが大切です」

  棚橋さんの強みは、経営を実践してきた立場から伝えられることです。
 「〝会社をよくしたいがどうすればいいか分からない〟と悩んでいる経営者は多いでしょう。私どもには〝地方・おそうじ業〟という厳しい条件のもと、業績を回復できた経験を通して培った具体的なノウハウがあります」

#chapter2

効果的な母集団形成を導く、新卒採用ブランディングの支援も

 「会社の数字を社員に見せない経営者は多いですが、上からの命令や指示だけでは、主体性は生まれません。〝社員も主役〟だからこそ、経営計画を共有して数字も方向性も理解してもらい、一人一人が納得感を持って計画を実現する組織づくりを導きます」と話す棚橋さん。

 合宿に参加した経営者や社員から「バラバラだった社員が一丸となって目標に取り組めるようになった」「社長の考えていることがよくわかった」などの評価が寄せられているそうです。

 経営計画作成に続くステップとして、採用サポートも展開しています。
 「計画を実行するためには、人材確保が必要になります。特に新卒採用に悩む中小企業は多く、求める学生に面接に来てもらうことすら難しい時代です。成功の鍵は、質の高い母集団形成ができるかどうか。新卒採用で例年約900人の応募が集まる当社の実績に基づく、再現性の高い採用の仕組みをお伝えします」

 ポイントは、働く場としてのブランドイメージを確立し、ホームページや合同説明会、インターンシップなど各プロセスで〝ブランディングによる企業競争力の向上(ライバル会社や市場)〟を意識することです。

 「弊社を例にとると〝岐阜のおそうじやさん〟と本業を前面に押し出すだけでは、学生に興味を持ってもらえません。会社説明会では、私から経営理念やカルチャーを伝える場を設け、インターンシップではプロポーザルのシミュレーションなど、現場を疑似体験できるプログラムを用意。応募者に響く伝え方に力を入れることをおすすめします」

棚橋泰之 たなはしやすゆき

#chapter3

三代目として苦境から業績を伸ばしたノウハウを伝え、中小企業の力に

 棚橋さんが、経営計画書作成支援や採用サポートを始めたのは、周囲からの「成功のノウハウを教えてほしい」という声がきっかけだそうです。

 もともと「技研サービス」は、1964年に棚橋さんの祖父が創業。三代目として、事業を引き継ぎ、苦境に直面するも業績を伸ばしました。
 「経営について自分なりに勉強するも、思うようにはいきませんでした。あるとき、苦境といわれる建設業で業績好調だった先輩から経営計画書のことを聞き、全社員に配ることに。社内で価値観を共有するうちに、7期連続で業績が順調に伸びました。M&Aや新規事業にも積極的に取り組み、グループ会社が10以上に。『どうやったの?』と聞かれることが増え、経験を共有できる場をつくろうと考えました」

 2022年に新社屋にインキュベーション施設「INNOVATOR’S VILLAGE」を開設し、東海エリアの起業家や経営者に交流や学びの場を提供しています。

 「私のノウハウを伝えることで、誰かの成功に貢献できることは大きな喜びです。社内でも社員がチャレンジできる仕組みを構築してきました。今後は、経営者の力にもなりたいですね」

 二代目、三代目社長にはこうメッセージを送ります。
 「もとある事業を引き継ぐと、過去の成功体験に甘んじてしまいがちですが、従来のやり方だけでなく、新たな価値を生まなければ発展は見込めません。まずは次代に向けた計画づくりに一緒に取り組みましょう」

(取材年月:2024年3月)

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専門家プロフィール

棚橋泰之

事業承継の実践者として経営計画書作成を導くプロ

棚橋泰之プロ

経営コンサルタント

株式会社技研サービス

業績回復経験に基づく「経営計画書合宿」を通して、二代目・三代目社長をサポート。全社で目標達成を目指す体制づくりを導きます。ブランディングに重点を置く新卒採用のノウハウもレクチャー。

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