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お客さまの歴史を大切に、自然素材を使った豊かな空間を創出する一級建築士

和と温もりを大切にする建築設計のプロ

安藤孝彦

安藤孝彦 あんどうたかひこ
安藤孝彦 あんどうたかひこ

#chapter1

自然素材と和の雰囲気でぬくもりある家づくり

 美濃焼の産地として知られる土岐市駄知町。この”陶器の里”にアンドウ設計事務所を構えるのが、和とぬくもりを大切にする一級建築設計士の安藤孝彦さんです。安藤さんが力を入れているのは、自然素材を積極的に活用した建築です。
「自然素材は、その素材自体が呼吸をするので調湿性にすぐれています。さらに、時間が経つと汚れていくだけの『経年劣化』をする工業製品とは違い、自然素材の場合は『経年変化』をします。年数を重ねるごとに良い変化のしかたをして、深みが増してくるんです」

 同時に、「和」の雰囲気も大切にしているとのこと。最近は、畳の部屋は必要ないと考えるお客さまも多いそうですが、フローリング中心の家にも畳はあった方が良いと安藤さんは力説します。「畳があれば気軽に寝転ぶことができますし、何より程よいクッション性があり足ざわりが快適です。生活様式が変わっても、私たち日本人は『和』の雰囲気でリラックスできる部分を持っていると思います」                 

 生活しやすさを維持しながら畳の良さも生かすために、フローリングの部屋との間に段差がないバリアフリー設計にしたり、逆に腰をかけられるくらいの高さをつけ、その下に収納スペースを設けたりするケースも多いそうです。

#chapter2

お客さまのストーリーを大切にする

 安藤さんは、お客さまから依頼を受けるときには、それぞれの方の夢やこだわり、そして、その家族のストーリーを形にすることを大切にしているとのこと。
「家族や人それぞれにストーリーがあります。それを共に考え、価値観を共有しながら客観的かつ専門的な視点でサポートさせていただく。そのプロセスのなかで新たな考えや気持ちに気付いてもらい自分自身を再確認していただきたいと思っています」
そんな安藤さんの設計スタイルを求めて、西は滋賀県、東は埼玉県などからも依頼を受けることがあるそうです。

 また、木造住宅耐震診断相談士としても活躍する安藤さんのもとには、リフォームやリノベーションの相談も多く舞い込みます。「『終の棲家はぬくもりのある空間で落ち着いて暮らしたい』と考えられる方が多いようです。新築同様、じっくりとご希望に耳を傾け、耐震性を強化させ、機能面と空間の過ごしやすさを両立させていきたいですね」と安藤さんは話します。

「古い家は台所や洗面所が暗いことが多いので、リフォームの際にはなるべく明るくなるようにしています。それだけで雰囲気はずいぶん変わりますよ。逆に、テレビを置く方向などは変えてしまうと違和感が出るので、それまでのスタイルを維持できるようにしています」

 さらに、建て替えをするお客さまの場合は、それまでの家族の歴史を引き継ぐことも重視しているとのこと。
「建て替えは、長年にわたって先祖が守ってきたものを壊すことになるので、『申し訳ない』という気持ちを持つお客さまも多いです。だからこそ、その家の歴史を引き継げるような何かを残したいと思っています。たとえば、古い家の丸太を新しい家のリビングの吹き抜け部分に使ったり、屋根の瓦を外回りに使ったりしています」

安藤孝彦 あんどうたかひこ

#chapter3

歴史ある美濃焼を家づくりに生かす

 安藤さんは、地元の名産品である美濃焼を活用することにも力を入れています。トイレの手洗い鉢をはじめ、障子の取っ手部分や壁掛けのフックといった細部にも美濃焼を取り入れています。
「窯元とコラボレーションして、木の構造材接合部分に出てしまう金具のボルト部分をカバーする飾りをつくったこともあります。織部焼など伝統の技法を用い、隠すだけではなく、アクセントにもなるような世界で一つだけの金具カバーになりました」

 また、住宅のほかに動物病院の設計も数多く手掛けてきたという安藤さん。「動物病院は人間の病院の縮小版ともいえるものです。ただ、特異な動線があるほか、汚れやすいので、いかに清潔感を保ちながら、安心を提供できる空間をつくりあげるかが大切になってきます。私には、長年の経験から特殊なプランやディティールを解決するノウハウがあります」と自信を見せます。

 さらに、設計が完了し監理が始まってからは、実際に施工に携わる大工さんとお客さまをつなぐことも安藤さんの大切な役目だといいます。
「お客様からの感謝の思いを大工さんに伝えたり、逆にお客様には見えづらい大工さんの施工の意味や思いをお客様にお話します。そうしてお互いを理解することで、より信頼が深まり励みにもなります。このようなことを通じて多くのお客様にとって一生に一度の大イベントである住まいづくりがより良質なものになるよう努めています」
 
 1300年の歴史を持つ美濃焼という伝統文化を建築へと反映させる安藤さん。空間をしつらえ、豊かな場を生み出してくれる一級建築士です。

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和と温もりを大切にする建築設計のプロ

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一級建築士

アンドウ設計事務所

お客さまがこれまでに築いてきた歴史を大切に、ライフスタイルを維持しながら住みやすい空間を創出。天然素材や「和」の雰囲気をふんだんに取り入れた、ぬくもりのある家づくりを実現してくれる。

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