商品開発の経験を生かしPR内製化と業務効率化を支えるプロ
宗裕一
Mybestpro Interview
商品開発の経験を生かしPR内製化と業務効率化を支えるプロ
宗裕一
#chapter1
「売れる商品がほしい」。その思いが、宗裕一さんを何度も海外へ向かわせました。宗さんはオリジナル雑貨の企画・販売を手掛ける「ケイ・アンド・エー」を2006年に設立。自動車整備士や運送業、営業職などを経験した後に独立し、当初は衣料品や雑貨を海外で買い付けて販売していました。
「仕入れた商品を売るだけでは、どうしても競合との値引き競争になります。会社を続けていくには、自分たちだけの商品が必要だとずっと考えていました」
そこで中国の大規模な展示会へ足を運び、商品を探す日々を重ねます。整備士時代から道具が好きだった宗さんが目を留めたのが、手動のみじん切り器でした。容器に食材を入れ、ふたについたひもを繰り返し引くと、内部の刃が回転して食材を細かく刻む仕組みです。電源を使わず、短時間で下ごしらえができるこの器具が、後の「ぶんぶんチョッパー」になりました。
「そのまま日本で販売できる状態ではなかったため、改良を重ねました。食材を扱うものなので、特に洗いやすさや乾きやすさを重視しました」
工場と調整を重ねながら商品化を進め、その後もサイズ展開を広げ、食洗機や電子レンジに対応する商品を加えてきました。「ぶんぶんチョッパー」という名称も、ひもをぶんぶん引く動作が伝わり、一度聞けば印象に残ることを意識したものです。2015年の発売後、SNSなどで認知が広がり、累計販売数は150万個を超えました。出版社から声がかかり、レシピ本も刊行。商品を生み育てた経験が現在の支援の土台です。
#chapter2
商品が知られるようになった背景には、社内で試行錯誤を重ねてきた発信があります。SNSを中心に、必要に応じてWEB広告も活用しながら、ブランディングやPRの多くを自社で手掛けてきました。
「自分が伝えたいことを先に出すのではなく、お客さまが知りたいこと、知ったら喜んでくれそうなことを最初に考えます。その中に自分たちが伝えたい内容を入れていくんです」
Facebook、X、Instagram、YouTube、note、TikTokなど、媒体ごとに見せ方を少しずつ変えながら発信。一方で、少人数の会社だからこそ、全てを作り分けることはせず、「ここは変える、ここは同じ素材を使う」と決めて、手をかける場所を見極めています。こうした取り組みを社内で行う利点は、商品への理解や思いをそのまま言葉や映像にできることだといいます。
「外部の人に頼むと、商品の背景から説明しなければなりません。きれいな写真や動画だけではなく、作っている人の思いが伝わることがSNSでは大事だと思います」
従業員は全員、パートスタッフ。入社時から撮影や動画編集、ホームページ制作の経験があったわけではなく、実務を通じて少しずつ技能を身につけてきました。10年以上働く人も複数おり、家庭を優先できる働き方も大切にしています。誰かが休めば周囲が補う風土の中で、限られた人員でも発信を続けてきた経験は、PRに悩む中小企業への具体的な助言につながっています。
#chapter3
内製化を進めれば、社内で担う仕事も増えていきます。商品が売れるほど発送や問い合わせ対応も膨らみ、新しい施策に取り組む時間をどう生み出すかが課題になります。そこで力を入れてきたのが、AIを使った業務効率化です。
「私自身、現場で課題にぶつかるたびに、どうすれば解決できるかを考えてきました。その積み重ねで、少しずつ実務的なノウハウがたまっていったんです」
例えば、個別の問い合わせ内容に応じた返信案をAIで作れる仕組みを整え、確認回数を削減。扶養の範囲や子どもの予定、早退や欠勤など、条件が毎月変わるスタッフのシフト作成にもAIを取り入れ、条件を入力すれば案を作れるようにしました。
「市販の業務管理ツールは便利ですが、自社には不要な機能があったり、あとから欲しい項目が出てきたりします。今はプログラミングが分からなくても、AIを使いながら自社向けの小さな仕組みを作れます」
自社で作れば、継続的な利用料を抑えながら、必要に応じて変更しやすいことも利点です。宗さんが伝えたいのは、何でも外注せずに抱え込むことではありません。まず自社で商品の魅力や顧客のニーズを理解し、発信や業務の基盤を整えたうえで、必要な部分に外部の力を借りるという考え方です。
「商品には自信があるのに広め方が分からない、通販を始めたいけれど時間がないという経営者さまに、自分たちでここまではできますよと伝えたいですね」
商品開発、ブランディング、PR、AI活用まで自ら実践してきた経験を、中小企業の限られた人員と予算を生かす支援へつなげます。
(取材年月:2026年8月)
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Profile
商品開発の経験を生かしPR内製化と業務効率化を支えるプロ
宗裕一プロ
販売業・コンサルタント
有限会社ケイ・アンド・エー
「ぶんぶんチョッパー」の開発からSNS発信、WEB広告、AIによる業務改善まで自社で実践。限られた人員と予算でも商品の魅力を伝え、業務を効率化できるよう、中小企業に内製化の進め方をアドバイスします。
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