体の不調サインを読み取り痛みや不安を軽減するプロ
陳晴儀
Mybestpro Interview
体の不調サインを読み取り痛みや不安を軽減するプロ
陳晴儀
#chapter1
松山市別府町で「りしん東洋医学治療院」を開き、地域の人たちの心身を癒やすのは、鍼灸師として15年以上の経験知を持つ院長の陳晴儀さん。
個室3室とキッズスペースを設けたフロアにはグリーンをあしらい、明るく清潔な雰囲気で訪れる人を迎えます。
「鍼灸院でできることというと、腰痛やぎっくり腰、肩こりなどの改善だけと思っていませんか。当方では頭痛やめまい、便秘、頻尿といった内科系の悩み、おもだるい倦怠感が続く不定愁訴や不眠など心理面の不安にも向き合います」
陳さんはまず、生活習慣や本人が感じているつらさなどをヒアリング。舌をみて脈をとり、おなかなども触診して体質と体のサインを読み取り、総合的に考察。東洋医学用語で「証(しょう)」と呼ぶ、不調の根本的な要因を探ります。
「痛みや不快感とともに、体には検査や数値で計れないさまざまな変調が現れるもの。例えば上半身の血流が滞ることで起こるめまいや頭痛は、わずかな顔の赤みや脈の速さに現れます」
姿勢や動き方のくせなど観察で得た結果から、一人一人のコンディションに合わせたメニューを提案。はり・きゅう、徒手により刺激を与える物理療法を中心に、問題の根源にアプローチします。
「不調の程度をその方なりの感覚で表現してもらうと、来院時にピークの“10”としていた方が、施術直後には“2~3”に感じられたというケースもありました。人によってはこのレベルになるまで1~2年かかることもありますが、家庭での養生をアドバイスしたり、施術内容を調整したり、ともに歩みを進めて参ります」
#chapter2
大阪で育ち、柔道に勤しんでいた陳さん。中学の大会では市内ベスト4に、高校時代は強化選手として活躍。ケガのたびに鍼灸に助けられたことや、触診で数日後の体調悪化を言い当てられたりしたことから興味を持ち、鍼灸師を目指します。
専門学校に進んでから体験した出来事も、かなり衝撃的だったとか。
「ある日、風邪による発熱で早退しようとすると、先生が背中のツボにお灸をしてくれて、帰宅する頃には寒気もなくなっていました。中高生の頃は、ケガの痛みが軽減するのが不思議でなりませんでしたが、体調不良まで対処できることに驚き、がぜん学習意欲が高まりました」
卒業後は松山市内の専門学校で、理論・実技の指導教員として鍼灸師のキャリアをスタート。8年間の勤務のうち後半は治療院の運営と兼務し、30歳で独立を果たしました。
「教えていた学校には付属の施術所があり、担当したお客さまの中には、現在も当院に通ってくださる方もいます。年齢を重ねるにつれお体も変化しますから、折々の状態に合わせたケアを施し、長きにわたり寄り添います」
丁寧に対話を重ね、経過に応じて細やかに対応する陳さん。関心をかきたてられると熱心に追及するタイプで、これまでトライしてきたのは観葉植物や料理などさまざま。
「手料理は動画サイトで研究しています。友人に前菜、スープとレバーパテ、魚のムニエルといった本格的なコースをふるまうこともあるんですよ」と、親しみやすい人柄でも利用者の心をほぐします。
#chapter3
「幅広い年代の方がお越しになりますが、どの世代にも多いのが、『肩や腰、膝といった関節が痛む』『手足がしびれる』のような運動器に関する困りごとです」
陳さんは骨と骨の接合部分の小さなゆがみを修正する手技「関節モビライゼーション」を活用。はりも合わせて行い、神経を圧迫している筋肉を緩めます。
「関節のゆがみは、せいぜい1~2ミリのこと。微妙な力加減で少しずつ元の場所へもどすことで鈍痛を抑え、可動域や柔軟性を高めていくので、施術中もがまんしなければならないほどの痛みは、ほぼありません」
一方、思うように復調しないという人も少なくないと言います。
「更年期障害、夜間頻尿、ぜんそく、片頭痛、眼精疲労、パニック症候群など。また甲状腺疾患やメニエール病の相談に来られた方もいらっしゃいました。自覚症状があるのに原因が分からないという方のお話も伺います」
アレルギー性皮膚炎に悩まされていた小学生は、1年ほど通う中で食生活や体が持つ機能を整えました。夜中にかゆみが生じることが減り、薬の塗布も少なくてすむように。
取り戻したのは、本来の肌つやと親子の晴れやかな笑顔でした。
「一時しのぎではなく、いま起きている不調の本質を見極めるため、皆さんの体の声に注意深く耳を傾けます。すぐに結果が出るものばかりではありませんので、体質だから、もう年だから、“仕方ない”とあきらめず、じっくり取り組みましょう」と呼び掛けます。
(取材年月:2024年2月)
リンクをコピーしました
Profile
体の不調サインを読み取り痛みや不安を軽減するプロ
陳晴儀プロ
鍼灸師
りしん東洋医学治療院
一人一人の体のサインを読み取り、不調の根本的な要因を探ります。東洋医学に基づいた徒手による物理療法をメインに、痛みや不安を軽減した施術で本来の体機能と笑顔を取り戻します。
\ 詳しいプロフィールやコラムをチェック /
プロの執筆コラム
掲載専門家について
マイベストプロ愛媛に掲載されている専門家は、新聞社・放送局の広告審査基準に基づいた一定の基準を満たした方たちです。 審査基準は、業界における専門的な知識・技術を有していること、プロフェッショナルとして活動していること、適切な資格や許認可を取得していること、消費者に安心してご利用いただけるよう一定の信頼性・実績を有していること、 プロとしての倫理観・社会的責任を理解し、適切な行動ができることとし、人となり、仕事への考え方、取り組み方などをお聞きした上で、基準を満たした方のみを掲載しています。 インタビュー記事は、株式会社ファーストブランド・マイベストプロ事務局、または愛媛新聞社が取材しています。[→審査基準]