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宿泊業界が抱える人材不足と離職リスクという悩みに業務代行という解決策を提供

ホテル・旅館・民泊の業務代行を一社完結で担うコンサルタント

山本誠人

山本誠人 やまもとまさと

#chapter1

マネジメントやマーケティングからオペレーションの合理化、煩雑なIT業務まで一社完結型で代行

 コロナ禍が明け、訪日外国人らインバウンドを中心に観光産業が回復を見せる中、慢性的な人手不足が叫ばれる宿泊業。ホテル・旅館・民泊運営についてコンサルティングする「ZEALL」代表の山本誠人さんは、業界が抱える「教育しても結局は離職し、また一から採用と育成を繰り返す」という負のスパイラルに、業務代行という解決策を提案しています。

 「人件費や育成に伴う負担、退職リスクを軽減し、経営陣は売り上げアップのための戦略策定、現場スタッフはサービスの質の向上といった、本来の職務に集中することを可能にします」

 山本さんの強みは、マーケティングスキルを生かし、収益化を図るレベニューマネジメントを導入できること。さらに、管理システムの運用やオペレーションの合理化、ITインフラの構築、インターネットを駆使した集客に至るまで、包括的にも部分的にもフォロー。
 システムエンジニアやWEBデザイナー、SEOに精通したライターなど、デジタル分野にたけたスタッフと連携しているのも特長です。

 「ホームページはもとより、ポスターの制作や館内のWi-Fiの強化、予約サイトへの入稿や単純でも時間のかかる画像のアップロードなど、何でも屋的にいろいろできる点も喜ばれています」

 何を代行して、内部として何に注力すべきかは、施設の立地や業態、運営方針などによって変わるため、山本さんは臨機応変に対応。「例えば、ほとんどの事業者さんが導入している管理システムを、十分に活用できていないという現実もあります。まずは、気軽に相談を」と呼び掛けます。

#chapter2

データだけで判断するのでなく、現場目線で問題点を網羅

 山本さんは18歳の時に、地元に程近い熱海の大手温泉旅館のアルバイトとしてキャリアをスタート。フロントを任されますが、売店や洗い場に立つほか、館内清掃、顧客送迎など幅広く経験し、現在もデータを見るだけでなく、現地に赴いて状況を確認することもあります。

 「『売上を伸ばしたい』という経営者さんの要望を受けてお伺いすると、フロントの人員が足りず、来客者への応対が満足にできていないケースも見受けられます。人的な要因だけでなく、歯ブラシの単価が異常に高いですとか、継続して発生するランニングコストなどが影響している場合もあり、網羅的に問題点を探ります」

 バイト生活2年目にして、支配人に見込まれて正社員に取り立てられたことを「人生の転機」と振り返る山本さん。予約管理とWEB運用も兼務し、新規プランの考案や販売促進を通して業績に貢献。プログラミング工程の一つ、コーディングを独学したのもこの時期です。

 「『スペシャル』という文言をプラン名の頭に置くか後ろに置くかで効果がどう違うか、そういった細かい検証を繰り返し、結果を出すことに楽しさを感じましたね」

 その後、エリアのWEB統括やレベニューマネジメント担当として成果を上げ、都内のマーケティング本部に配属されました。
 「ホテルマンはおおよそ、現場からフロントマネージャー、副支配人、支配人というコースが基本ですが、僕は特種というか、集客の面白さにひかれ、マーケティングの道に進みました」

#chapter3

インターネットによる予約が主流に。目指すべきは、いかにファンになってもらうか

 山本さんは、インターネットの普及によって生じた購買行動の変化について言及します。
 「かつては旅行代理店に足を運んで、用意された数件の中から宿泊先を選ぶ時代でしたが、今は個人によるネット予約が基本。検索をすれば膨大な数の選択肢が上がり、アピールの仕方も写真から動画へと変わりつつあります」

 オンラインの利用が進む中で重要性が増しているのがWEBマーケティングであり、ネット担当者です。しかし、専任者を置いている事業者は少なく、兼任ゆえの忙しさから、アプローチの施策などがおざなりになっているのが現状だと指摘します。

 「有名な予約サイトの力を借りることも時には必要ですが、これからはどれだけ自社のホームページを通して直接予約をしてもらえるか。その上で、いかにリピーターになってもらうかが成否を左右しますので、自らの魅力を自覚して、ユーザーに向けてしっかり打ち出すことが肝要です。また、従来のような周囲の相場に足並みを合わせた料金設定ではなく、狙うべき客層を見直した上で、価格をコントロールしましょう」

 山本さんが集客において「最終的に目指すべきところ」とするのは、いかにその宿泊施設のファンになってもらうか。
 「『次もお越しいただきたい』という思いが、接客態度や普段の仕事にも表れるものです。長いお付き合いを見据えないと、直近の業務も崩れてしまいます。人材不足と環境の変化が重なる中、代行という方法で業界の底上げに寄与できればと考えています」

(取材年月:2023年6月)

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山本誠人

ホテル・旅館・民泊の業務代行を一社完結で担うコンサルタント

山本誠人プロ

ホテルコンサルタント

合同会社ZEALL

マーケティングスキルを生かしたマネジメントからレベニューマネジメントの導入、ホテルシステムやオペレーションの合理化、ITインフラの構築、インターネット集客に至るまで、一社完結型で業務を代行。

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