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発達障害の子どもたちにじっくりと向き合い自立を支援

子どもの自主性を引き出す療育支援の専門家

勝山雄太

勝山雄太 かつやまゆうた
勝山雄太 かつやまゆうた

#chapter1

就学前の子どもから通える、児童発達支援・放課後等デイサービス施設を運営

 「発達障害やグレーゾーンのお子さまが将来、自立して社会で活躍できるように、可能性を見いだし、一つ一つ広げていくお手伝いをいたします」
  そう話すのは、「R&A」代表の勝山雄太さん。全国で展開されている児童発達支援・放課後等デイサービス「ウィズ・ユー」の事業所を、習志野市内と八千代市内の3カ所で運営しています。

 「弊社では、特別な教育的支援を必要とする3歳から6歳の未就学児と、小学校に通う児童を迎え入れております。園や小学校などに職員が出向いて連携を深める保育所等訪問支援も実施し、子どもの日常を多方面から見守り、支えます」

 力を入れているのは、リハビリテーションの専門職によるアプローチです。全施設に作業療法士が在籍し、体幹や柔軟性、集中力を養う運動メニューを豊富に用意しています。

 「サーキットトレーニング、バランスボール、ビジョントレーニング、ボルダリングなどで身体機能を高めるほか、長縄跳びや綱引きなど、仲間と協力し協調性を育む種目も取り入れています。先日はパラバルーンを行いました。みんなで大きな丸い布のはしを持ち、ゆっくりと上げ下げしながら膨らませたりしぼませたり集団運動をしました」

 勝山さんは、教員免許、保育士、社会福祉士、介護福祉士資格を持つスタッフも配置し、学習、生活、社会的スキルの向上にも努めています。
  「小学2、3年生で習う筆算の繰り上げや繰り下げ、時計の読み方といった、つまずきやすい内容をフォローします。『林』と『村』など形が似ていて間違いやすい漢字のポイントなども丁寧に伝えています」

#chapter2

マーケティングの「AIDMA(アイドマ)の原理」を応用し、効果的に成長を目指す

 あいさつや箸、フォークの使い方、トイレなど、生活の基本がしっかりと身に付くまでトレーニング。土曜や長期休みは公園に出掛けて体を動かしたり、お金の使い方を学ぶために買い物の練習をすることもあります。

 また、消費者の購買プロセスを示すマーケティング手法「AIDMA(アイドマ)の原理」を療育に応用。Attention(注目)、Interest(興味・関心)、Desire(欲求)、Memory(記憶)、Action(行動)と段階を踏んで子どもを導くことで、効果的に成長を促していくと言います。

 「まず、得意なことや好きなこと、苦手なことを聞き取り、興味を持ってもらえそうなことから誘います。次に『やってみたい』という欲求、さらには『できた』という成功体験につなげます。失敗しても励ましながら取り組んでもらい、最終的には職員のサポートがなくてもできるようになるのが目標です」

 通所にあたっては専用車両で送迎し、アプリで子どもの入退室記録をリアルタイムで通知しています。
 「アプリを通じて子どもたちの活動記録を共有したり、連絡帳として利用したり、保護者の方とのコミュニケーションを大切にしています」と勝山さん。

  学校教員や民生委員を務めた祖父母、英語教育者(茅ヶ崎方式英語会副代表)の母の背中を見て育ち、教育支援・生活支援を必要とする人のために貢献したいと考え、大学は福祉学部に進学。障害者と健常者が垣根なく社会参画するという欧米発祥の理念「ノーマライゼーション」を主に学び、会社員を経て2021年に児童福祉事業の新法人を立ち上げました。

勝山雄太 かつやまゆうた

#chapter3

一人一人の自主性を尊重し、得意なことを伸ばして自信を付けることにフォーカス

 ひらがなとカタカナが書けなかった児童が、事業所で繰り返し練習して書けるようになったエピソードなどをにこやかに語る勝山さん。
 「この仕事は天職だと思っています。活発な子どもたちにテンポ良くリアクションを返していくのが楽しく、1日があっという間に過ぎてしまいます」

 好きなことわざは、英語で「Slow and steady wins the race.(ゆっくりでも着実な走者がレースを制する)」だとか。
  「それぞれの個性や特性に合わせ心身を育む療育は、中長期的な視点で捉える必要があります。すぐに結果を求めず、真摯にじっくりと向き合う。その繰り返しだと思っています」
  細やかに寄り添っていくため にも、職員が働きやすい職場環境や、一緒に頑張ってくれる人材確保にも力を注いでいるそう。

 「2022年12月文部科学省の調査では、小中学生の8.8%に学習面や行動面で困難を示す発達障害の可能性があることが明らかになりました。1クラスに3人は学校生活になじめない子がいると考えられており、画一的な教育にはまらず、困りごと を抱えている子どもが数多くいます。私たちは子どもの自主性を伸ばし自信を付けていく点にフォーカスします」

 長きにわたり伴走するため、今後は18歳以上を対象とした障がい者福祉事業にも進出したいとも。
 「児童福祉業界で培ったノウハウを生かし、障がい者が地域コミュニティへ社会参加するための架け橋になる行政制度サービスをお届けしていきたいですね」と意欲を見せます。

(取材年月:2023年4月)

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専門家プロフィール

勝山雄太

子どもの自主性を引き出す療育支援の専門家

勝山雄太プロ

放課後等デイサービス

株式会社R&A

子どもが将来自立して社会で活躍できるようじっくり向き合い、運動、学習、生活スキルの向上をサポートします。リハビリ専門職や療育の専門家を中心に効果的に成長を促し、得意なことを伸ばし自信を付けます。

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