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国内トップクラスの操縦技術と現場ノウハウを生かし、ビジネス展開と産業用ドローン普及にまい進

豊富な飛行経験で産業ドローン普及とビジネス展開を推進するプロ

髙見雅之

豊富な飛行経験で産業ドローン普及とビジネス展開を推進するプロ 髙見雅之さん
ドローンによる空撮風景

#chapter1

年100時間以上の飛行経験をもとに会社設立。産業用ドローンで日本の仕事が変わる!

 「ドローン」はもともと「蜂の羽音」という意味ですが、無人航空機の総称として知られます。世界最大級の通販会社が配送への利用を検討するなど、その可能性に全世界が注目。市場は急速に拡大しています。日本国内でも2015年から、操縦技術と知識を認定するドローン検定が始まりました。

 「先日は3haの工場敷地に設置されたソーラーパネルを500枚ほど撮影しました。パソコンソフトを使って解析し、立体視できるようにすることで、道路と敷地の高低差が分かる。すると今後の造成計画が立てられたり、逆に造成不要という判断もできる。今まで有人飛行機で行っていたこれらをドローンで行えば、人件費がかからず、時間も短縮できる。日本の仕事のスタイルが変わるわけです」と、八戸市にあるITH合同会社副会長で土地家屋調査士の髙見雅之さん。日本有数のドローン操縦者として知られ、年間飛行時間は100時間以上。気象条件やバッテリーの関係上、1度に15分程度しか飛ばせないドローンの世界にあって、これは驚異的な数字です。(現在は25分程度フライト可能なドローンで作業)

 ITH合同会社は2016年、髙見さんが青森県南・岩手県北の同業者とともに設立。ドローンによる空撮や測量と専用ソフトを使った解析はもちろん、技術者養成のため都内で毎月研修会を開催しているほか、ドローン検定の事務局も務めます。北は北海道から南は沖縄まで、その高い技術力と現場ノウハウを必要とする企業は後を絶ちません。

#chapter2

幅広い事業で役立つドローン。仕事依頼も技術者養成もおまかせ

 髙見さんがドローンと出会ったのは2011年のこと。
土地や建物の測量・登記に携わる中で、現場写真は必須の資料です。しかし何の目印もない土地を普通に撮影しただけでは、広さ、位置情報などがクライアントに伝わりにくいと感じていました。仕事仲間に紹介され、初めて見たドローンは屋内で飛ばすホビー用。しかし、小さな機体にカメラが搭載されているのを見て、仕事に利用できる可能性を直感しました。

 「まず1枚写真を撮ってみたい!」の一心で飛ばしてみたものの、無線が届かず操縦不能、風で墜落…と、はじめは失敗の連続。個人輸入した機体が日本の規格に合わないと分かり、無駄になったこともありました。当時、国内には専用ウェブサイトも書籍もない状態。髙見さんは海外のサイトやラジコン雑誌を参考に航空力学や気象学、電波など、仕事のかたわら独学で研究を続けます。
風速何mで限界がくるか、機体を安定させるにはどうするか―。粘り強く取り組むこと3年。機体の技術革新が進んだこともあり、ようやく当初思い描いた空撮写真が可能に。ほどなくしてなくドローン検定がスタート。髙見さんは操縦技術を見込まれて東日本エリアの試験官に就き、ドローンの普及、さらにその先のビジネスへの展開を指導するようになりました。
 「たとえば赤外線センサーが搭載された機体を使えば温度差が分かるので、ソーラーパネルの発電効率調査、山の中の生き物の生態調査、建物の壁の傷み具合を調べてリフォーム箇所を決定するなど、ドローンを使えばさまざまなことを可視化できる。環境調査やインフラの保守・点検、農業と、アイデア次第でますます応用分野は広がります。幅広い事業者が身に着けるべき技術だと思いますし、自社で取り入れるのが難しいようであれば、我々が専門業者として対応します。まずはご相談いただければ」

ドローン

#chapter3

地域おこし、観光…アイデア次第で可能性は無限大。青森をドローンの聖地に

 日本全体で少子高齢化が進む中、ITHがオフィスを構える青森県も人口減少に悩む地域の代表格。しかし、ドローンビジネスにおいてはメリットもあると高見さんはいいます。
「ドローンは法律上、人混みでは飛ばせないので、人が少ないのはむしろメリットです。私が年100時間以上飛ばすことができるのも、青森県在住だからこそ。中でも八戸は、市内に新幹線、高速道路、フェリーターミナル、近隣に空港も揃い、アクセスも抜群です。ドローンを学ぶ人はぜひ、青森に来て経験を積んでほしい」

 「ドローンビジネスに伸び悩みを感じている方から相談を受けることも多いので、そんな方向けのワークショップも今後計画しています。ドローンレースを開催し、企業関係者にも見てもらって、高い技術を持つ操縦者がスキルを活かして働ける環境も作りたい。青森県内の観光名所の3D画像を作成して、パソコン上で観光地をバーチャル体験するのもいいですね」
現場で飛ばせば飛ばすほどアイデアが浮かぶ、と髙見さん。他の通髄を許さない技術力と豊富な経験を武器に、青森をドローンの“聖地”とし、地域おこしや新たなビジネスにつなげるのが目標です。

(取材年月:2017年5月)

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専門家プロフィール

髙見雅之

豊富な飛行経験で産業ドローン普及とビジネス展開を推進するプロ

髙見雅之プロ

ドローン操縦士

ITH合同会社

ドローンを使った空撮・測量、専用ソフトによる3D画像解析を道路工事やメガソーラーなど幅広い現場で実施。年100時間を超える豊富な飛行経験と現場で培ったノウハウをもとに研修を行い、技術者の養成にも尽力。

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