バレエ・ピラティスで正しい体の使い方を教えるプロ山田智子

バレエ・ピラティスで正しい体の使い方を教えるプロ

山田智子

バレエ、ピラティス、マスターストレッチのクラスで、美しく整った体つくりをサポート

　いつの時代も習い事として高い人気を誇るバレエ。近年は、健康のために教室に通う人も増えています。

　秋田県由利本荘市で「Akitaエトワールバレエスタジオ」を運営する山田智子さんは、幼児から大人まで、幅広い年代を対象にしたクラスを開講。インナーマッスルを鍛えるピラティス、丸底の専用シューズを用いて体の軸を整えるマスターストレッチのクラスも用意し、体づくりをサポートしています。

　「バレエは特別な人がするものといったイメージを持つ方もいて、特に成人していると『小さい頃からやるもので、いまさら…』とためらうかもしれません。でも、『好きだから』『以前から憧れていたから』でいいと思うんです。一歩踏み出せば自分だけの景色が見えます」

　まっすぐ伸びた姿勢に、柔和な笑みを浮かべる山田さん。同スタジオの始まりは、母親の幼少期までさかのぼると言います。

　「当時、バレエに夢中だった母のために、祖父母が自宅の小屋を改装して作った稽古場が原点です。その後、改装を経てスタジオとして貸し出すようになり、さまざまな講師の方のご尽力によって地域のダンススクールとして定着しました」

　実家に併設されていたことから、自身も物心ついた時からバレエに親しみます。ただ、プロを目指していたわけではなく、あくまでも習い事として楽しんでいたとか。

　「スタートする年齢、学年など気になさらずちょっとやってみたいというお気持ちも分かりますので、興味をお持ちの方は気軽にご参加ください」山田さんはそう優しく呼びかけます。

レッスンのノウハウと体の仕組みや心理に関する知識を生かし、生徒の心身を支える

　山田さんは医療系の大学を卒業後、地元の銀行に就職。結婚し日中は業務に打ち込み、就業後はレッスンに励む日々を送ります。その中で改めてバレエを一から勉強したいという近すぎて自覚していなかったバレエへの思いに火が着き、古くから支持されてきたバレエメソッドの教授法コースを受講します。

　「日本ではキャリアを積んできたプロダンサーが講師を務めるケースがほとんどです。私の場合は幼いころから習っていたので経験年数は長かったのですが、生徒からのスタートだったので指導者になるためのノウハウを一から体系的に学びたいと考えました」

　古くから構築されたカリキュラムを通じて、レッスンの知識や技術を習得。感覚に頼るのではなく、理論的で分かりやすい内容で実践へとつなげています。

　また、美しく踊るためケガの防止のためにも、正しく動く体を養うことが大切だと感じていた山田さん。大学で学んだ解剖学の知識も生かし、ピラティスとマスターストレッチにも視野を広げ、体の深層から生徒のポテンシャルを引き出すことを重視しています。

　「大学で専攻していた臨床心理学も、生徒さんの心を見つめ寄り添う基礎となっています。すべての経験が現在の活動に結びついている。不思議ですよね」

バレエを通して自分で壁を乗り越える強さと、健やかな心身を育むお手伝いを

　山田さんは、2022年11月に念願だった第1回発表会を開催。晴れの舞台を迎えるまでの数カ月には、多くの気づきがありました。

　「日頃の練習の成果を披露するにあたって、緊張したり、プレッシャーを感じたりするお子さんもいます。ナーバスになっているわが子を見て頑張ってほしいと願いつつも、保護者の方は心配が尽きず、それぞれが苦しい状況でしたね」と振り返ります。

　「今はネットで検索すればすぐに答えが出る時代ですが、人生でぶつかる壁は自分で解決しないと道はひらけませんよね。バレエも同様で近道は存在せず、鏡に映る『できない自分』と時間をかけて向き合わなければなりません。応援するしかない親御さんもつらいでしょう。だからこそ、できるようになったときは最高にうれしい。これまでの努力に涙し、歓喜する様子は、言葉には表せません」

　困難を乗り越えたことは一生の思い出として胸に刻まれ、指導者と生徒、親と子、親と指導者、生徒同士と無数の絆が生まれると語ります。

　「私がバレエを通して伝えたいことは、自分の力で物事を乗り越える強さなのかもしれません。プロになりたい方も大歓迎ですが、全員のゴールがそこである必要はないと思っています。当方では、一人一人に達成する喜びを与え、豊かで健やかな心身を育むお手伝いをいたします。年齢は関係ありません。いくつからでも始めることはできます」

　4歳のお子さんがいる山田さんですが、仕事と育児の合間を縫って現在ソ・ドンヒョン先生（S　Ballet　Open　Class）の下でレッスン受けているとのこと。「来て下さる方により良いレッスンを提供できるよう、私も自己研鑽を続けています。共にがんばりましょう」。

　しなやかな舞の中で見せる凛とした瞳。柔と剛を兼ね備えた山田さんは、そうエールを送ります。

（取材年月：2022年12月）

感覚に頼らない理論に基づいた指導で生徒の才能を伸ばす

バレエ、ピラティス、マスターストレッチのクラスで、美しく整った体つくりをサポート

レッスンのノウハウと体の仕組みや心理に関する知識を生かし、生徒の心身を支える

バレエを通して自分で壁を乗り越える強さと、健やかな心身を育むお手伝いを

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