会社経営に戦略的ITを取り入れるITコーディネーター吉田成一

会社経営に戦略的ITを取り入れるITコーディネーター

吉田成一

中小企業のクライアントにとって、最適なシステムをSE目線を生かして考える

　「情報化が進みますが、ITの変化に追いついていない中小企業がほとんどではないでしょうか。業務システム用のパッケージソフトを買ったとしても、その会社の業務の進め方とは合っていないなど問題点はさまざま。私は『本来はこう使いたい！』という要望を一つ一つヒアリングして、システムを選定し、発注先のシステム会社との間に入って調整役をすることもあります」と話すのは、株式会社IT経営総合研究所の吉田成一さん。元SEという経歴を生かして、中小企業のクライアントの顧問IT経営サービスを行っています。

　主なクライアントは製造業や人材系の企業などで、元SEというバックグラウンドを武器に、新規開拓も視野に入れて、幅広い業種で経営者のお手伝いをしていきたい考え。SE時代は製造業・商社・卸売業などの企業の基幹システムの開発を20年手がけた経験があり、現場を知るからこそのアドバイスが吉田さんの特徴です。

　「システム開発をイチから始めようとすると、要望が膨らみすぎて途中で頓挫してしまうのはよくあること。また実際作った後から、足りないことが出てきたり、使い勝手が悪かったりもします。そこで大事なのは、予算内で無駄なく必要なものだけを取捨選択する視点。システム開発を現場レベルで知っていることは、私の強みです」と、吉田さんは話します。
　
　お金には税理士、労務管理には社会保険労務士、経営には経営コンサルタントの顧問が活躍していますが、いまや情報には「ITコーディネータ」が必要とされる時代。中小企業の経営者の右腕に、ITコーディネータのニーズは高まっています。

ITの悩みは、ITの専門家へ。既存ツールを使って、安く便利にシステムを活用

　「大企業なら企業内に情報システム課があって、IT担当者が専門で業務にあたっています。しかし中小企業はITに詳しい人材が1人もいないという状況も珍しくないですね。『ITをどのように使ったらいいのか？』と、頭を悩ませている経営者も多いです。規模が小さな企業ほど、その傾向は強いと感じています」と吉田さん。

　クライアントの中には販売管理などを、いまだにエクセルでアナログ作業をしているケースもあるそうです。吉田さんはITコーディネータの顧問として、中小企業のシステムサポート全般を担い、エクセル操作や宛名印刷、パソコンの設定作業など、小さな要望にも耳を傾け、IT担当者が不在のクライアントのお役に立ちたいと話します。

　オリジナルの業務システムの導入は、費用もかかりますが、業務をエクセル管理で済ますには難しい状況もあるでしょう。今は情報の共有化や効率化が必要とされる時代であり、他部署との連携や、次世代の人に業務を引き継ぐといった面でもアナログ作業は会社経営に支障が出るかもしれません。これからの人材不足の時代は、さらに問題点となってきそうです。

　「システム化を考える経営者の方に知って欲しいのは、世の中にある既存のツールを活用すること。大きな投資額をかけなくても、安くて便利なツールを使えば、予算を抑えた業務の効率化も図れます。私が行うのは、ムリのない範囲でのシステムの導入支援です」
　
　販売管理や在庫管理、業務フローシステム、業務管理システムなど、初期コストを抑えて導入できるツールは実際にあります。店舗オリジナルアプリの作成サービスも可能。吉田さんはそれらの活用方法を提案することで、中小企業のIT活用の裾野を広げていきたいそうです。

導入支援の先のフォローも！IT活用の企画提案まで幅広くカバー

　「単なるシステム導入だけではなく、実際に導入したものをどう企業で活用していくのか、現場定着までしっかりケアしていきたいですね。また、今後はクライアントからのご要望を解決するだけでなく、企画提案にも力を入れていきたいです。業務がもっとスムーズに進められる方法を、経営者と一緒に考えることが大切。私がアドバイスさせてもらうことで、何かしらの気付きになればうれしいです」

　IT活用といっても、どこから手を付けていいのか、どんな方法を取ればいいのか、クライアントにとってはアイデア出しが難しいもの。そんな時、柔軟な発想で企画提案を行ってくれる吉田さんは何とも頼もしい存在です。
　
　企業内に入り、現場レベルでのシステム活用や、新たな提案に向けての積極的な動きは顧問ITコーディネータだからこそ。“システムを売って終わり、導入して終わり”ではなく、システム導入を1つの通過点として捉え、長いスパンでクライアントに向き合っていくことの大切さを吉田さんは説きます。

　「会社経営を良くするためのお手伝いをするのが、私が目指すところです。ITサポートを通じて、売上アップやコスト削減に貢献したいですね」と話す吉田さんの目には、力がみなぎっています。

（取材年月：2018年1月）

SE出身の現場目線を生かし、企業に必要なIT経営サービスのサポート

中小企業のクライアントにとって、最適なシステムをSE目線を生かして考える

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