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「人生最期の身支度」を通じて故人と遺族の双方に寄り添い、心穏やかな旅立ちをお手伝い

故人と遺族に寄り添うラストメイクと湯灌(ゆかん)のプロ

椿菜々

椿菜々 つばきなな

#chapter1

送り化粧を施すラストメイクと、体を清める湯灌(ゆかん)で手厚くケア

 「近年は葬儀の在り方が多様化し、親しい人だけでお別れする家族葬や火葬だけで済ませる直葬が増えています。『自分らしくありたいという、本人の遺志を尊重したい』『温かい雰囲気の中で、エンディングのひとときを過ごしたい』といったお声を受け止め、当方では心を込めて、故人さまの『人生最期の身支度』をいたします」

 そう語るのは、甲府市の「ティアドロップ」のスタッフ椿奈々さん。故人に送り化粧を施すラストメイクに加え、2026年1月から湯灌(ゆかん)も行っています。

 「湯灌とは、故人がこの世で抱えた苦しみや疲れをお湯で洗い流し、清らかな体で旅立つための伝統的な儀式です。天命を全うされた労に敬意を払い、手厚く全身を洗い清めます」

 遺族と親身に心を通わせる椿さんは、16歳の時に母をみとった経験があります。「お風呂に入りたかった」と言い残し、逝ってしまったことが胸に残り、個々の悲哀をくみ取り、いたわる仕事を求め、異業種から転身しました。

 「乾燥したお肌を保湿して潤いをもたらし、髪をふんわりとセットすることで、お元気な頃のように生き生きとした表情を引き出します。ご家族にもお手伝いしていただき、感謝を伝える時間をお届けしています」

 かけがえのない人を亡くした心中を配意。肌に触れる中で「きれいになってよかったね」「今までありがとう」と、心の区切りがつきやすくなると言います。

 「少しでも前向きな気持ちになってもらうことが願いです。『もっとできることがあったのでは?』と後悔を抱くことがないよう、多くの方にラストメイクや湯灌について知ってもらいたいですね」

#chapter2

丁寧なヒアリングと専門技術によるメイクで、故人を在りし日の姿へ

 「ラストメイクは、看護師さんや介護士さんが故人の体をふいたり、ひげをそったりする『エンゼルケア』とは異なります。皆さまが心穏やかにお見送りできるよう専門技術を駆使し、故人さまを在りし日の姿に近づけます」

 体温がない肌に定着する特殊な化粧品を使用し、自然なツヤや血色を表現。療養生活で痩せてしまった際は、口の中に綿を入れたり、美容医療に用いるプロテーゼを注入したりすることで、ふっくらとした印象に整えます。

 事件や事故で顔に大きな傷を負い、皮膚が失われている場合は、映画業界でも使われる人工皮膚で補完。内臓損傷などで逝去後も鼻や口から出血が続く場合は、人工的なかさぶたで傷口をふさいだり、吸引器で血液を取り除いたりすることも。

 「ご家族から生前の様子を丁寧にヒアリングし、写真も拝見して、故人さまらしさを引き出すことを心掛けています。ある女性には、愛用されていた道具を借りてメイクを施しました。仕上がりを見た旦那さまは『懐かしい顔に戻った』と涙を流して喜ばれました」

 男性の場合も色を細やかに調整して、健康的な顔立ちに。「精悍になった」など、かつての面影をしのぶ言葉が寄せられるそうです。

 「ラストメイクも湯灌も、ご葬家さまの悲しみを和らげ、良き思い出として心の中に残る大切なセレモニーだと考えています。私どもと一緒に紅を差したり、髪をとかしたり、愛する家族からお手入れを受けた故人さまは安らかな寝顔で、ご遺族もほっと安堵した面持ちになられます」

#chapter3

シンプルな軽バン、厳粛な霊きゅう車から選択できる搬送サービスも用意

 「人手不足などを背景に自社搬送が難しくなっている葬儀社もあることから、故人を病院や施設から自宅やセレモニーホールへお送りするサービスも用意しています。シンプルなデザインの軽バンのほか、霊きゅう車を新たに導入。ご遺族のご要望に合わせて選択してもらえます」

 軽バンは細い道でも入ることができ、費用も抑えられるのが特徴。車体は目立ちにくく、ご近所に知られずに家族葬などを執り行いたい場合に適しています。霊きゅう車は、厳粛に旅路を演出したい場面で選ばれています。

 「『死』は『生体』の終わりですが、『ご遺体』としては始まりです。24時間体制で対応し、湯灌、体の手当てと保全、着替え、ラストメイクで整えて故人を希望の場所へ送り届け、火葬で荼毘(だび)に付すまで化粧直しもいたします」

 故人のコンディションを良好に保つため、搬送と処置を一貫。臨終後は入院・入居先で長くは安置できないので、とりあえず自宅などに故人を移し、落ち着いた状態で葬儀会社を探すこともできます。

 「当方は美容と葬儀業界を経験した代表者が『故人さまの身のまわりをお世話し、ご家族の心身の負担を軽くしたい』と考え、2021年に立ち上げました。創業以来、故人さまを敬い、心静かに眠りにつけるよう力を尽くし、ご遺族の心を癒やすグリーフケアも含め、私どもにできることを模索してまいりました。ティアドロップに頼んでよかったと思ってもらえるよう、故人さまとご遺族の双方にしっかり寄り添います」

(取材年月:2026年3月)

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専門家プロフィール

椿菜々

故人と遺族に寄り添うラストメイクと湯灌(ゆかん)のプロ

椿菜々プロ

ラストメイク

株式会社ティアドロップ

専門の化粧品や技術を用いたラストメイクと体を清める湯灌を組み合わせ、故人の穏やかな表情を整えます。丁寧なヒアリングでその方らしさを大切にし、遺族が心穏やかに見送れるよう支援します。

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