消防設備など幅広い分野に精通する不動産活用のプロ辻仁志

消防設備など幅広い分野に精通する不動産活用のプロ

辻仁志

消防設備に精通し、「安全・安心」のお手伝い

　アパートやマンションなどの賃貸物件を借りる際、「消防設備」について気にしたり、不動産業者の担当者から説明を受けたりしたことがあるでしょうか。

　万が一の火災に備え、建物には火災警報器や消火器、スプリンクラーといった消防設備があります。消防法では、防火対象物の関係者（所有者・管理者・占有者）は、設置された消防設備を定期的に点検し、消防署に報告することが義務付けられています。そして「共同住宅等」は防火対象物に該当します。つまり法律上は、共同住宅の家主や管理会社のみならず、そこに住んでいる人も、消防設備に関する責任を負っていることになるのです。

　「実際、この規定はあまり知られておらず、不動産業者が部屋を借りる人に消防設備のことを説明することもあまりありません。ただ、命に関わりかねないことだけに、それではいけないと思っています」と語るのは、山形市内で「創心不動産」を営む辻仁志さん。

　山形県内の全12消防本部は2021年、山形県宅地建物取引業協会、全日本不動産協会山形県本部とそれぞれ、「防火対象物の消防用設備等点検結果報告の情報提供にかかる協定」を締結しました。これにより消防本部は、消防設備の点検状況に関する情報を不動産業者の求めに応じて提供し、不動産業者は重要事項説明の際にその情報を任意で借り主に説明することができます。

　創心不動産はこの協定に基づき、借り主に対して建物毎、部屋毎の消防設備の点検状況を説明し、安全・安心な建物の提供に努めています。さらに辻さん自身が消防設備点検に必要な資格を取得し、消防設備点検を業務として行っています。

　「借り主に安全・安心に住んでもらうことを第一に、建物のオーナーには募集と消防設備の点検・報告まで一括で対応できるメリットがあります」。借り主、建物のオーナー双方に「安全・安心」を提供するため、日夜奮闘しています。

多くの〝引き出し〟で幅広い業務に対応

　不動産業の業務は賃貸物件の仲介だけではありません。土地や建物の売買を仲介したり、まちづくりに携わったり、資産運用のアドバイスを行ったりと、さまざまな仕事に携わっています。

　辻さんは土地や建物の売買、特に買い取った物件に新たな付加価値を加えて販売する分野で強みを発揮しています。

　例えば、裁判所が扱う競売物件。うまくいけば土地や家などを割安で手に入れることができる一方、関係法令や手続きなどに関する知識がなければうまく事を運ぶことはできません。そうした場合のアドバイスや手続きの代行なども行っており、相談だけなら無料で対応しています。

　「競売で落札しても、実際に住んだり販売したりできるようにするには手間がかかります。残されたごみなどを処分したり、リフォームが必要になったりする場合がほとんど。投資として購入するなら利益が見込めるかどうかの見極めが必要ですし、自分で住む場合もそれなりに手を加える必要があります」。それらについても、プロの視点で的確に見極め、うまくいくよう導いてくれます。

　競売物件を民泊として活用するために落札したケースがありました。そうした場合、消防設備を適切に設置する必要があります。そこで辻さんの出番。消防設備に関する相談にも対応可能です。また、官公庁の公売物件を活用して太陽光発電を行いたい、といった場合は電気の知識も必要。電気工事士の資格がここで生きてきます。

　「お客さまのニーズにお応えできるよう〝引き出し〟を増やしてきました」とのことです。

「オンリーワンの仕事」に毎回全力投球

　大手ハウジングメーカーに長く勤務してきた辻さん。山形県内をはじめ首都圏や関西圏にも勤務し、地域特性に合わせた宅地開発を多く手掛けました。

　県内の大規模宅地開発に携わった時は、住宅建築業者で工事協議会を組織。統一的な外観にすることを提唱しつつ原価の低減にも心を砕き、整然としたまちを造り上げることにつなげました。

　「当時、都市部では『まちなみ』で売っていく手法が盛んでしたが、それを山形でも導入したのです。完成して『まちびらき』を迎えたときは充実感を覚えました」

　不動産業は「毎回がオンリーワンの仕事」だと辻さんは言います。多くの引き出しと持ち前の機動力を生かし、一つ一つの仕事に向き合う姿勢を貫いています。

　土地や建物に関することなら、辻さんに相談してみてはいかがでしょうか。

（取材年月：2023年10月）

不動産のベストソリューション提供を目指して

消防設備に精通し、「安全・安心」のお手伝い

多くの〝引き出し〟で幅広い業務に対応

「オンリーワンの仕事」に毎回全力投球

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