映像制作と音のプロ清水憲治｜マイベストプロ富山

映像制作と音のプロ

清水憲治

映像と音楽が出会うとき、1＋1＝無限大のメッセージが生まれる。

　「大切な一日の想いを、映像にして永遠に残す。それが私たちの仕事です」と話すのは、滑川市にある映像制作会社「サンビデオ」代表、清水憲治さんです。

　30代の頃、プロのミュージシャンを目指し、作曲に夢中になっていたという清水さん。ある時偶然に出会ったのが、映像という仕事。音楽とは違う強いメッセージ力を持つ世界に一度でとりつかれました。「心を揺さぶる映像と、美しい音楽。それが融合した時、1＋1＝無限大の感動を届けることができる。そんな感動を届けたくて、サンビデオを設立しました」と清水さん。

　サンビデオの事業内容は多岐にわたります。映像制作やCM制作、CMソングの作曲、各種イベントの企画、ホームページ制作まで、お客さんの「伝えたい」「残したい」というニーズを、音と映像を武器に多彩なカタチでかなえています。なかでも近年、力を入れているのが音楽制作。

　「最近の本格カラオケブームで自分の歌を自費でCD化したいという方が増えてきました。サンビデオでは『CD制作プラン』をご用意しています。これは、お客様の書いた詞を元にサンビデオが作曲し、ボイストレーニングからレコーディング、プロカメラマンによるジャケット撮影、ポスターデザインまで、一貫して作っていくというもの。プロの歌手になった気分を味わえたり、世界に一つの歌を作るという体験ができたりと、プロデビューを目指す方はもちろん、一生の思い出に作られる方も多いですね」

今日を残しておきたい。人の切なる願いは、時代が変わっても変わらない。

　音楽制作はもちろん、映像の分野でも活躍するサンビデオ。そのひとつが、小学校の成長の足跡を残す「ビデオアルバム」です。「6年生の1年間、イモ掘りや遠足などの学校行事を撮影し、編集します。『普段は知らない子どもの表情が見られる』と親御さんに喜ばれるんですよ」

　「企業のプロモーションビデオも手がけています。周年記念に会社の生い立ちから今までを物語にする。知られざるどん底の時期や、そこから這（は）い上がったこと。すべての人やモノにはドラマがある。それを切り取り尖（とが）らせ、伝えていく。大変だけどやりがいがあります」

　クロスメディアの時代、ホームページの動画制作にも力を入れる同社。「今までの放送・映像業界は、作り手が一方通行で発信してきました。今はインターネットでユーザーが観たいものを選択し、発信する時代。映像のアプローチも変わっていかなければならない。たとえば、焼肉店のホームページで肉がジュワッと焼かれる動画を掲載する。においまで伝わってきそうな音と映像は、想像力をストレートにかき立てます。そんなふうに映像にしかできない表現があると信じているんです」

　「カセットテープや8mmビデオの時代でも、サンビデオは『伝えること』をやってきました。強く思うのは、時代は変わっても『うれしかった今日を残したい』という人の願いは変わらないということ。アナログな部分と、最先端のデジタル技術。両方を大切にして、私たちだからできることをやっていきたい」と清水さん。

富山には、伝え継がれるべきものが、まだまだいっぱいある。

　「地域の役に立ってこそ、企業の存在価値があると思うんです」と清水さん。その言葉が表すように、近年、サンビデオが積極的に取り組んでいるのが地域貢献事業です。

　2007年に手がけた魚津市の全国へのPRソング「蜃気楼恋歌」の制作もそのひとつ。「現在、富山県には大ヒットしたご当地ソングというものがないんです。富山の人が、都会に行った時に故郷を思い出して口ずさめるような歌を作ろうと思いました」と清水さん。魚津の風物詩である蜃気楼をモチーフに、たてもんまつりやホタルイカ、蟹江浜など地元の風景を歌詞に盛り込んだ演歌を作曲。歌手を全国から募集するなど、まちおこしの一大ムーブメントとなりました。

　さらに2010年には、統合により閉校した小学校を含む滑川市13校の校歌を後世に歌い継ごうと、校歌集のCDを自費で制作。「各小学校に問い合わせても手書きの譜面しか残っていなくて、制作は難航。でも、母校の校歌が二度と聴けなくなるのは寂しい。自分が作らなかったら誰がするんだと。諸先輩方の中には『CDを聴いて当時を懐かしく思い出しました』と言ってくださる方もいて、作って良かったと心から思いましたね」

　「風景だったり、人だったり。富山には伝え継がれるべきものがまだまだいっぱいある。私にできるのは、後輩たちを育てながら、富山の素晴らしさを音楽や映像というメッセージにして残していくこと。好きなことばかりやって、それが誰かの役に立っている。毎日が本当に楽しいんですよ」

（取材年月:2010年10月）

心を動かす映像と音楽で、あなたの「伝えたい」をカタチに。

映像と音楽が出会うとき、1＋1＝無限大のメッセージが生まれる。

今日を残しておきたい。人の切なる願いは、時代が変わっても変わらない。

富山には、伝え継がれるべきものが、まだまだいっぱいある。

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