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商品を生かすのは人。信頼の構築に重きを置いた店舗運営をコンサルティング

スタッフの成長を促し、繁盛店へと導くコンサルティングのプロ

柴田昌孝

売り上げを向上させるためには、スタッフ一人一人の成長が不可欠です
ネッツトヨタ、商業界、イオン等の企業から商店街まで、幅広く講演やセミナーを開催

#chapter1

トップセールスや多店舗展開の経験で、人で売る繁盛店づくりをサポート

 「売り上げを伸ばそうとすると、商品を売ることに目が向きがちですが、当方が実践するのは、人として成長し、店の良さを伝えるためのコンサルティング。なぜなら商品を生かすのは人であり、お客さまは自分の信頼する人が提案する物しか受け入れようとしないからです」
 
 こう話すのは、「店舗ビジネスラボ」の代表・柴田昌孝さん。呉服の全国チェーン店「やまと」で、トップセールスマンとして活躍した後、家業の婦人服店を中部地区全域で42店舗展開するまでに事業を拡大しました。
 培ったノウハウをもとに販売研修や講演会等で講師を務め、業界誌の記事も執筆。柴田さんのメソッドが詰まった著書は発行部数12万部を超え、全国の書店に置かれています。服飾専門学校等の非常勤講師も歴任。2018年に店舗経営コンサルタントに転身してからは、繁盛店のプロデュースに取り組んでいます。

 「実家は、両親が長年にわたり地域の皆さんに寄り添いながら営む店だったので、戻っても居場所がなく、仕事が嫌になった時期もありました」と柴田さん。一念発起してショッピングセンターに出店しました。

 「両親の姿を通して、お客さまと親交を深めた先に売買が成り立つことを感じていたので、お客さまの信頼を得ることに徹しました。売ることよりも『私たちはこういう者です』と知ってもらうことが先決だと考えたのです」

 努力が功を奏し、初年度は3000万円だった売り上げが3年後には1億円に。
 「店がスタッフ個々の集まりである以上、成果を上げるには、そこで働く人たちの成長が不可欠。『あなたから買いたい』と思ってもらうために、何をすればよいのかを現場で指南しています」

#chapter2

「似合うかしら」「必要かしら」など購入の不安を取り除いて商品の価値を伝える

 「お客さまに足を運んでもらうには、間口を広くし、入りやすい店構えにするほか、チラシやSNSの情報発信などを通してショップの雰囲気を知ってもらうことも重要です」と柴田さん。

 心理的なハードルを下げて来店を促し、店頭では「お客さまをよく見て、よく考えることが大切」と語ります。

 「店にいらっしゃる背景には、目的や動機があります。私自身、会話の中で意図を察し、答えを提示することを常に念頭に置いていました。お買い上げに至らないのは、お客さまに何か不安が残っているからで、きちんと取り除いてあげることが販売員の役割だと思います」

 柴田さんは、購入を迷う要素として、「似合うかしら」「必要かしら」「安心かしら」「買っていいのかしら」「他の人はどんな買い方をしているのかしら」の五つを挙げます。

 「お客さまは、最初から自分の気持ちを話してはくれませんので、販売員は安心感を与えて、胸の内を明かしてもらえる関係性を築いていく必要があります。心を開いてもらった上で、なぜこの商品を薦めるのかという理由を分かりやすく説明する力が求められます」

 伝え方のポイントは、他にはない、その商品だけのウリや、使うメリットをアピールすること。
 「お客さまが何を重視しているかも考慮しなければなりません。予算なら価格面を、見た目ならデザインを、品質なら素材など、お客さまにとって価値のあるトークを提供して、いわゆるお客さまの『ツボ』を押さない限り商品は売れないのです」

8冊の書籍を出版。いずれも増刷し、累計売上は12万部を超える

#chapter3

アプローチやクロージングの悩みに応え、スタッフとの個別面談も実施

 柴田さんは、販売員や店長の相談にも丁寧に応えています。特に多いのが「声を掛けると嫌がられるのではないか」「タイミングが分からない」「うまくお薦めできない」といったアプローチとクロージングに関する内容です。

 「お客さまには、入店後すぐに話し掛けられたくないという心理があるので、30秒はそっと見守りますが、放置される時間が長くなれば期待値は下がります。お客さまの存在を捉え、サポートの姿勢を示すことが大事です」

 店にいる時間を心地よいと感じるのか、居心地が悪く早々に立ち去るのか。「お客さまの『快』『不快』への感度を上げ、適切な距離間で接することが成功の極意」と言います。

  一人一人の力を伸ばし、全体の販売力を底上げするために個別面談も実施。「店をよくしたい」「お客さまを笑顔にしたい」「お金を稼ぎたい」など、それぞれのモチベーションを踏まえてスキルアップにつなげる柴田さん。
 インターネット通販やオンライン接客などが浸透する中で、店頭は実際に顔を合わせる貴重な機会であり、「お客さまに喜んでいただき、感謝される素晴らしい空間」と力を込めます。

 「実店舗の魅力を再認識してもらい、光を当てたいと思っています。私のつたない知識や経験が、店づくりに悩む皆さんのお役に立つのなら、こんなにうれしいことはありません。『店舗ビジネスラボ』という名称は、店舗運営に関する全ての課題から一歩も引かないという私自身の決意表明でもあるのです」

(取材年月:2023年10月)

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柴田昌孝

スタッフの成長を促し、繁盛店へと導くコンサルティングのプロ

柴田昌孝プロ

経営コンサルタント

店舗ビジネスラボ

店舗拡大や豊富なコンサルタント経験を基に机上の空論ではない、実践的コンサルティングを展開。スタッフ個々のモチベーションやスキルアップを図り、店舗の売上アップへ導きます。著書売上は累計12万部を超える。

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