お墓や石工事をトータルに請け負う石材のプロ
田中真二
Mybestpro Interview
お墓や石工事をトータルに請け負う石材のプロ
田中真二
#chapter1
愛伸総石は、墓石の設計・施工・販売をはじめ、公共施設や公園、モニュメントなどの建築石材や環境石材、さらにはメンテナンスやリフォーム、工具類の販売も手掛ける石材の総合商社です。代表取締役の田中真二さんは、お客様との交渉から設計デザイン、工事の受発注、現場管理まですべてをこなす石材工事のチーフディレクターとして、多忙な毎日を送っています。
田中さんがこの業界に入ったのは23歳の時。それまでは旅行会社の添乗員として働いていましたが、ある時、ツアーで知り合った建設会社の社長から「思い出を作る旅行の仕事もいいけど、地図に残るモノを作る仕事もいいものだよ」と言われたことを機にモノづくりの道へ…。当時、石材業に携わっていた父の影響もあり、大阪に本社のある石材総合商社に転職。約6年間、公共施設や公園の石材工事を担当しました。土木建築に必要な構造やCADはこの時、実践を通してマスターしたそうです。
「入社してすぐ新潟事務所開設のため単身で赴任し、設計から施工、現場管理まで任されました。素人からのスタートでしたが、熟練の職人さんに教わり、手を動かしながら仕事を覚えていきました。その後、富山に戻ることになり、石材工具の商社に転職して販売職に就いたのですが、やっぱり自分は作る側の人間だと思った。職人さんたちと一緒に現場で働きながら、石材工事のプロを目指したいと思ったんです」
こうして田中さんは平成16年に独立。有限会社愛伸総石を創設しました。富山県内では、ほとんどの石材会社が墓石工事専門であるのに対し、愛伸総石は墓石工事が全体の約4割で、残りは建築石材や環境石材などの工事。老人ホームの浴室やパチンコ店の内外装、公共ホールの壁面、公園の歩道、一般住宅の石工事など幅広いジャンルの石材工事を受注しています。こうした仕事が受注できるのは、田中さんがサラリーマン時代に経験した土木建築工事のおかげ。その当時から20年来の付き合いになる職人ネットワークも同社の強みとなっています。
#chapter2
建築石材工事は業者が相手ですが、墓石工事は個人のお客様が相手。初めてお墓を建てる、あるいはリフォームすることになり、何をどう選べばいいのか分からない人がほとんどです。こうしたお客様に対し、田中さんは一人ひとりの要望に寄り添った自由設計を基本にお墓づくりを進めていきます。
まずは家族構成や宗派、ライフプラン、予算などをヒアリング。石の大きさや色は見本だけではイメージが湧かないため、現物を見て判断してもらいます。その後、墓地のスペースや立地を確認し、計測。1~2週間をめどにCADの設計図で立体像を確認してもらい、詳細な見積もりを提出。お客様に納得してもらった上で正式契約とします。
「最近は個性的なデザイン墓石も見られますが、お墓は自分の代だけでなく、子どもや孫の代まで受け継がれていくもの。富山の伝統文化を尊重し、飽きのこない墓石を提案するよう心掛けています。仕事のスタンスとしては、打ち合わせから納品までお客様との連絡を密にし、リスク回避を徹底すること。それが顧客満足につながると信じています」
#chapter3
最近は3次元CADの普及で設計やプレゼンテーションが容易になったため、異業種の参入が増え、価格競争も激化しているこの業界。中には専門知識のない営業スタッフのみで運営し、実際の作業は外注業者に丸投げしている業者もあるそうです。
「CADがあれば、誰でもきれいな図面が書けます。しかし大事なのは実際に組み立てることです。“納骨堂が観音開き”という富山型墓石は富山の石屋さんが試行錯誤を繰り返しながら作り上げた形で、組み立ては難易度が高く、石の特性や構造を熟知したベテラン職人でないと美しい仕上がりは望めません。当社では施工、管理、アフターサービスまで、一流の職人とがっちりとタッグを組んでいますから、品質とメンテナンスには絶対的な自信があります。デザインや価格だけで選んで、後からイメージと違うものになってしまったり、水漏れや傾きなどのトラブルに悩まされたりすることがないよう、まずはプロのアドバイスを仰いでほしいと思います」
“ちゃんとしたことを、ちゃんとやって、地元の人々に必要とされる会社であり続けること”をモットーとして、常に真摯に石と向き合う田中さん。その仕事ぶりはお客様からの信頼に結びつき、口コミや紹介となって返ってきているようです。
(取材年月:2013年10月)
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Profile
お墓や石工事をトータルに請け負う石材のプロ
田中真二プロ
石職人
有限会社 愛伸総石
墓石から住宅、土木建築まで石工事をトータルに請け負う石材の総合商社です。設計、施工、メンテナンス、墓石リフォームや工具類の販売も手掛けます。
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