施設の困りごとに寄り添い、新たな一手を提案する清掃のプロ
進木雅生
Mybestpro Interview
施設の困りごとに寄り添い、新たな一手を提案する清掃のプロ
進木雅生
#chapter1
鳥取県に拠点を置く「三朝ビルクリーニング」の代表・進木雅生さんは、1987年の創業以来、培ってきたノウハウをもとに清掃サービスを展開。取引先は役所、学校、公民館といった公共施設、オフィスビル・事務所、商業・宿泊施設、店舗、不動産会社、スポーツセンターなど多岐にわたります。
「トイレなどのサニタリースペースや窓ガラス、換気扇の掃除、タイル製のフロアやカーペット・じゅうたん、エアコンの洗浄、賃貸物件の入居前・退去後のルームクリーニングなど幅広く手掛けています。月に1回など、定期的にお手入れすることで美しく、清らかな空間を維持することができます。従業員の方や来客、入居者の皆さんが気持ちよく過ごせるようにお手伝いします」
衛生的な環境づくりをサポートするため、地域に根差して活動。タンクの裏など見えないところまで、丁寧に手を施しています。
「お客さまのもとへ伺うと、施設や設備に関するさまざまな悩みを耳にします。『古い空調機を交換したい』という場合は部屋の広さなどに応じた機種をご案内し、『水道の調子が悪い』とお困りの際はつながりのある業者を連れて行くこともあります。長きにわたり事業を営んでいるため、人脈は豊富です。業務外のことでも、お力になりたいと思っています」
太陽や照明の光で防汚性や消臭性などを発揮する光触媒で室内環境を整備したり、トイレや手洗い場には汚れが付きにくいコーティング加工をしたり、清潔感を保ち、日常的な作業の手間を軽減。近年は個人宅からの依頼も増え、水回りを中心にハウスクリーニングも請け負っています。
#chapter2
かつてショッピングセンターに勤務し、企画や管理業務に携わっていた進木さん。契約を結んだ清掃業者の手際に感銘を受けたことが、現職に進むきっかけとなりました。
「サービススタッフ時代から館内美化の意識は持っていましたが、いざ自分たちでやろうとしても、用具が増えるばかりできれいにはならず。専門性を備えた業者の仕上がりとの違いは歴然で、関心を持ちました」
世の中に必要とされる仕事であり、手に職をつけたいと考え清掃会社に転職。ノウハウを身に付け6年後に独立しました。
転機となったのは、体育館の床のメンテナンスです。以前はワックスをかけるのが一般的でしたが、含まれる水分により木が収縮・膨張し、ひび割れや剥離の一因となることが判明しました。
「床から飛び出したささくれが児童に刺さり、負傷する事故が起きたと知って危機感を抱き、調べたところ『ウレタンコーティング』という施工があると分かりました。衝撃や摩擦に強いウレタン樹脂で皮膜を作り、床を保護するもので、ワックスのような滑りやすさもありません。運動や練習場所に適していると思いました」
慎重な姿勢を示す自治体や学校に対し、進木さんは劣化した床でケガをするリスクを訴え、3年かけて説得。熱意が通じて1校、また1校と任され、今では5校を担当しています。
また空調設備の導入提案にも取り組み、空調が未整備の施設に向けて、災害時の活用も視野に入れた設備を案内しています。
「体育館で快適に過ごせる環境を整えるため、ガスを利用した空調設備も提案しています。運転条件によっては光熱費の削減が見込めるほか、停電時にも冷暖房を使えたり、照明などに電力を供給できたりする機種もあります。避難所としての役割も踏まえ、施設に合った設備を考えていきたいですね」
#chapter3
子どもたちが活動する場の安全性を守る重要性を再認識し、「慣習=安心」という固定観念を手放した進木さん。より有用な技術を取り入れるべく、足を使って情報を収集するように。現在、普及に力を入れているのが、温泉やプールなどの水処理装置「アクアクリーンシステム」です。
「電解水を生成・注入して、水の浄化・除菌を促すものです。電気分解する際に投入するのは塩のみ。扱いやすいことから、ゴーグル・マスク・手袋の着用など、使用上の注意点が多い塩素系薬剤の扱いや保管に悩む学校や福祉施設とも相性が良いと感じています。すでにスイミングスクールや温浴施設で活用されており、水の透明度の向上や、補給水の減少も期待されています」
従来の塩素系薬剤は、ツンとした刺激臭やスイムウェアの傷みといった課題がありましたが、水中で繁殖して体調に影響を及ぼす「レジオネラ菌」を抑制するために使っていた背景があります。導入先からは、「潜った状態で50メートルプールの端から端まで見える」「藻の発生が減少し、日々の掃除が楽になった」「浴槽のお湯を3日で入れ替えていたけれど、サイクルが1週間に伸びた」といった声が寄せられているそうです。
「何事も従来のやり方を否定するわけではありません。ただ、それしか方法がないのと、数ある中から選ぶのとでは、納得感が違います。お客さまのお役に立てる選択肢を提示できるよう常にアンテナを張って知見を深め、『新たな一手』を見いだしていきたいですね」
(取材年月:2026年8月)
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Profile
施設の困りごとに寄り添い、新たな一手を提案する清掃のプロ
進木雅生プロ
清掃業
有限会社三朝ビルクリーニング
ビルや住宅、エアコンなどの清掃から体育館の床メンテナンスまで幅広く対応。従来の方法にとらわれず新しい技術を取り入れ、近年は温泉やプールの水質管理にも注力。地域施設の環境整備を支えています。
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