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運送業の労働時間と賃金の課題に向き合い、勤務実態に応じた労務管理を支援

運送業の労働時間と賃金の課題に向き合う社会保険労務士

吉元康裕

吉元康裕 よしもとやすひろ
吉元康裕 よしもとやすひろ

#chapter1

法改正への対応から制度の見直しまで、運送会社の労務管理をサポート

 残業や賃金水準など、労務管理に課題を抱える運送会社は少なくありません。「YUTOLI社会保険労務士・FP事務所」代表の吉元康裕さんは、運送業の労働時間や賃金に特化したコンサルティングに力を入れています。

 業界では、トラックドライバーの時間外労働の上限が年960時間に定められた「2024年問題」への対応に加え、関連する法令の改正(多重下請け構造是正・許可更新5年制・適正原価告示制度等)も相次いでいます。吉元さんは、社会保険労務士としてさまざまな業界の相談に応じる中で、大きな転換期にある運送業を支援したいという思いを強くしました。

 よくある問題の一つが、ドライバーの勤務実態と、36協定で定めた時間外労働の上限が一致していないことです。自動車運転業務では、特別条項付き36協定を締結することで、時間外労働を年960時間まで延長できますが、実際に適用される上限は36協定の内容に左右されるため、勤務実態と合わないケースが見受けられるそうです。

 また、1年単位の変形労働時間制を採用している会社では、対象期間の労働日や労働時間をあらかじめ特定する必要があります。配送や荷主の都合で勤務予定が変わりやすい運送業では、制度を適切に運用できているか確認する必要があります。

 「変化に対応しきれず誤った認識のままでは、労働基準法に違反するリスクが高まります。専門家とともに、一つ一つ確認してください」と呼びかけ、年間残業時間などを把握し、実態に応じた制度づくりを支援します。

 「物を届ける運送業は社会に欠かせない産業ですが、高齢化や残業規制により人材不足・人材流出が深刻化しています。ドライバーの待遇改善を通じて、運送業界を支えていきたいです」

#chapter2

企業型DCの導入から投資教育、定額制の就業規則作成・労務相談まで対応

 運送業へのコンサルティングに注力する以前から、年金分野を得意としていた吉元さん。企業型確定拠出年金(DC)の制度設計や導入サポートの実績が多くあり、支援先はITのスタートアップや飲食店、小売業、美容業など、幅広い業界にわたります。

 サポートにあたって心がけているのは、経営者が求めることを反映した制度設計です。従業員の老後の資産形成を支える福利厚生としての役割に加え、制度設計によっては社会保険料などの負担軽減につながる場合もあります。経営者の意向を聞き取りながら、将来の公的年金や各種給付への影響も踏まえて導入を進めます。

 「企業型DCは、従業員の安心感や満足感につながる制度です。経営者の方には、継続してこそ、その価値が大きくなると強調しています」

 導入後の従業員への投資教育も担当。国の年金制度や企業年金、投資と資産形成の関係など、基本的な知識から伝える社員研修や、メルマガによる毎月の情報発信も行っています。

 「今は高校の家庭科で金融知識を教えるようになっており、現役世代も基本的な金融知識を身につけておく必要があります。一度きりで終わらせず、繰り返し聞いてもらうことで、知識を定着させます」

 また、就業規則の作成・見直しや労働基準監督署の調査などへの対応、各種申請・届け出などの手続きを、毎月定額料金で依頼できるサブスク型のプランも用意しています(年間契約が必要)。

 「その都度依頼するよりも費用を抑えられる料金設定とし、中小企業の経営者がいつでも相談できるようにしています」

吉元康裕 よしもとやすひろ

#chapter3

医薬品・医療機器メーカーのMRを経て、企業の労務管理を支える社会保険労務士へ

 吉元さんは、医薬品・医療機器メーカーで病院担当の医薬情報担当者(MR)としてキャリアをスタート。腎臓病の分野で約15年の経験を積んだ後、本社で製品開発やマーケティングに従事しました。

 「常に人の生死に向き合う医師や看護師の方々に、『一緒に働く仲間』と認めてもらうことが重要でした。そのため、迅速な対応やこまめな連絡を心がけ、相手の貴重な時間を無駄にしないことを意識していました。この姿勢は、忙しい経営者の方々と接する今の業務にも生かされています」

 本社で人事総務や法務部門と関わり、法律への興味を深めたことが社会保険労務士を志す転機になりました。

 「それまで給与明細で社会保険料を目にしても、特に気に留めていませんでしたが、40歳を過ぎて、今まで知らなかった社会の仕組みを実感しました。社会保険や労働保険といった社会全体のインフラに幅広く関わることができる仕事として興味を持ち、在職中から勉強を始めました」

 2022年10月に事務所を開業し、2025年~2026年にかけては東京働き方改革推進支援センターの専門家としても活動。運送業の労働問題についてまとめたコラムもnoteで発信しています。

 就業規則などの見直しを通じて、経営者に喜んでもらえることがやりがいだという吉元さん。相談の入り口は、漠然とした悩みでも構わないと話します。

 「何から相談していいのかわからない場合も、『自社の制度を診断してほしい』『話を聞いてみたい』と、気軽にお声がけください」

(取材年月:2026年10月)

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吉元康裕

運送業の労働時間と賃金の課題に向き合う社会保険労務士

吉元康裕プロ

社会保険労務士

YUTOLI社会保険労務士・FP事務所

運送業の労働時間や賃金の課題に対応。2024年問題や36協定を踏まえ、ドライバーの勤務実態に応じた制度運用を支援します。幅広い業種で企業型DCの導入や就業規則の作成・見直しも手掛けています。

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