自分らしく心地よい暮らしを形にする整理収納アドバイザー山川純子

自分らしく心地よい暮らしを形にする整理収納アドバイザー

山川純子

片づけは、暮らしをデザインすることであり、生き方を表現すること

　山川純子さんは、整理収納アドバイザー。キャリアコンサルタントを兼業する変わり種です。片づけを単なる家事と捉えるのではなく、「物を選ぶことは、生き方を選ぶこと」を持論に、「お客さまが、暮らしを整え、自分らしく心地よく生きていくためのお手伝いをしています」と話します。キャリアコンサルタントとして、「持ち味を活かして自分らしく働くことを支援してきた」という経験が、山川さんの整理収納アドバイザーとしての特徴であり、強みにもなっています。

　「片づけは、暮らしをデザインすることであり、生き方の表現だと思っています。片づけが完成すると『よっしゃ、やったー』というお顔をされるお客さまも多いのですが、自信がよみがえるといった感じでしょうか。それは、見た目をきれいに整える整理整頓では得られない感覚だと思います」

　整理収納アドバイザーと共に作業するメリットの一つは、片づけのコツがわかりやすいことです。物が取り出しやすく機能的でありながら、見た目にも美しく整えていくと「お客さまから感動されることも多い」とか。
　「物を選ぶときに大事なのは、お客さま自身がどう暮らしたいか、ビジョンを持つことです。ビジョンを持てれば、苦痛だった片づけが、楽しいものに変わります。もともとは片づけが苦手だったお客さまが、忙しい時こそ、片づけてストレスを解消するといわれるまでになりました。片づけの基本を踏まえながらも、創造性を発揮して自由に取り組めるのが、面白いところですね」

人生最大の絶不調、更年期をお片づけで乗り切る

　顧客の気持ちに寄り添い、無理はさせないというのが山川さんのスタンス。物を取捨選択するステップでは、山川さんから見て捨てたほうがいいと思う物でも、顧客が迷っているなら、手放す方向での助言をしつつ、捨てずに置き場所を変えることも提案しています
　「その物への執着が薄れて、手放してもいいと思えるようになった時に処分すればいいのです。無理をして片づけを急ぐと、気持ちが追いつかず、リバウンドにもつながってしまいます。」
　捨て方がわからなくて物をため込みがちなお客さまには、手間が少なく処分のハードルが低い方法について情報を提供します。

　2021年4月からは、オンラインによる整理収納コンサルティングも始める予定です。
　「オンラインサービスで大事にしたいことは、自分らしさや『こうなりたい』というビジョンを明確にすること。その上で、今、困っていることをどう解決し、片づけていくかを一緒に考えます」
　具体的には、ワークシートを使って自分らしさを確かめ、その後、スマホなどで現状を撮影してもらい、片づけ方をレクチャーします。

　実は、山川さん自身も、かつては片づけが苦手だったといいます。キャリアアップを目指して仕事をがんばり続け、家の中を顧みる余裕もなかったのだとか。
　ところが、「更年期を迎え体が思うように動かなくなり、仕事を以前のように頑張れなくなったんです。ずっと走り続けていたのが、急ブレーキがかかったようでした。それまで、不要品を地下室に追いやって、一見片づいた空間を作っていたのですが、ため込んだ物が心に重くのしかかってきました。直感的に『片づけないと次に進めない』と思ったんです」

住まいを片づけ、暮らしを整えることは、自分を大切にすること

　さまざまな整理収納メソッドを勉強しながら、家を片づけていくうちに、あることに気づいたという山川さん。「仕事の書類を片づけていたとき、これを残すかどうかは、今後この分野の仕事をするかどうか――つまり、未来を選択することだと思ったんです」
　その気づきが、整理収納アドバイザーへの道に進むきっかけとなり、「物を選ぶことは、生き方を選ぶこと」という持論につながっていきました。
　
　世の中は、物欲を刺激されることであふれています。経済活動には大事なことですが、「片づけられない人にとっては、物との付き合い方を学ばないと、どんどん物が増えていってしまう」と山川さんは指摘します。

　「たとえ広い家に引っ越したとしても、物との付き合い方をマスターしていなければ、空間に余裕がある分だけ物は増えていきます。片づけが終わって『これで安心して眠れる』とおっしゃったお客さまのことが、とても印象に残っています。あふれた物からのプレッシャーを受けながら生活することは、エネルギーを浪費すること。きれいに片づいた家に住むことは、自分を大切にすることにもつながります。片づけを通して、自分の考え方のクセや家族関係、人間関係の課題に気づかれて、生きづらさから解放された方もいます」

　自分自身の体験からも、「少しでも早く片づけ方をマスターしておくと、生活が楽になり、人生をもっと自分らしく楽しめるようになりますよ」とメッセージを送ります。

（取材年月：2021年1月）

物を選ぶことは、生き方を選ぶこと。片づけで心地よく自分らしいといえる暮らしを整えよう

片づけは、暮らしをデザインすることであり、生き方を表現すること

人生最大の絶不調、更年期をお片づけで乗り切る

住まいを片づけ、暮らしを整えることは、自分を大切にすること

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