真にお客さま側に立つファイナンシャルアドバイザー濵島成士郎

真にお客さま側に立つファイナンシャルアドバイザー

濵島成士郎

商品を売るのではなく人生に寄り添う。クライアントにとって有益なことのみをするためのビジネスモデル

　プライベートバンキング・コンサルティング会社「WealthLead（ウェルスリード）」代表、濵島成士郎さんが掲げるのは、顧客一人一人にオーダーメイドで資産運用の助言を行うRIA（公認投資助言者）という米国式のビジネスモデル。日本証券アナリスト協会が認定する最上位資格、シニア・プライベートバンカーとして、個人資産のみならず法人の財務や税務、経営面に至るまで網羅的かつ専門的な助言を行えることが特長です。

　大手証券会社で30年勤務し、53歳にして起業に踏み切った背景には「悩める証券マンを救いたい」という思いがあったといいます。

　「入社5年で約6割が退職してしまうのが証券会社。営業店の現場では、手数料欲しさの売買提案や会社都合の商品販売に疑問を感じて辞めていく証券マンが多いんですね」

　濵島さんの方針は「お客さまにとって有益なことのみをする」。金融商品を売るのではなく、アドバイザーとして資産のマネジメントを通じてクライアントの人生に寄り添う、社員にとっても誇りが持てる職場です。金融機関のように担当が会社の都合で変わることもありません。

　資産運用の土台となるのは、リスクを分散することで長期的に安定的な収益を目指す国際分散投資という理論。「よくお客さまに『濵島さんにお金を預ければいいの？』と聞かれますが、弊社はお金を預かりません。お客さまの証券口座で、お客さまのニーズに合わせてオーダーメイドのポートフォリオを構築して行きます。その上で、マーケットやライフステージの変化に応じて調整していくかたちです」

本来、株式投資とは世の中に価値を生み出している企業に資本を提供することで自らも豊かになること

　濵島さんの経営理念は「投資の文化で人と社会を豊かに」。日本では「投資は怖い」「株でもうけるのはずるい」という風潮が依然はびこっていることは否めません。しかし濵島さんは、「本来、株式投資は社会貢献でもある」と言います。

　「私たちの充実した生活を支えているサービスや商品のほとんどは、株式会社が生み出したものなんです。例えば、全国にいる弊社のお客さまとオンラインでお話ができるのは、Zoom社などが提供しているサービスのおかげですよね。株式投資という形で資本を提供し、その会社が世の中に必要とされる価値（商品やサービス）を生み出すことで社会が豊かになる。投資した人には株価の上昇や配当といった形でリターンがもたらされ、自分が望む人生を手に入れる。投資にはこうしたサイクルがあることを広く知ってもらいたいんです」

　例えばSDGs（持続可能な開発目標）の一つであるクリーンエネルギーに積極的な企業に投資することで、「投資の力で地球環境を守る」こともできるのです。

　濵島さんが重視するのは、目的を明確にして、目的を達成するために資産形成・資産運用をしていくゴールベースという考え方。リターンを獲得することで、個々人が抱く夢や理想の人生を実現することを運用の基盤としています。

　「2019年に話題になった老後2000万円問題を例に取ると、人生100年時代になる中で将来の公的年金が減ってしまう。ならば65歳時点で自分にとって納得のいく資産はいくらか、それを実現するためにはどうシナリオを描くか、クライアントさまと対話を重ねながら組み立てていきます」

投資の文化を根付かせることは今を生きる大人としての責任。未来の日本を豊かにするための一つの答え

　日本では2000兆円近い個人金融資産のうち半分以上が銀行預金、また国家予算と同規模の約100兆円がいわゆるたんす預金に眠っています。そんな中、濵島さんが「日本に投資の文化」を根付かせたいと訴えるのは、将来の日本を豊かにするための一つの答えだという信念があるからです。

　「私たちの子どもや孫たちの世代は、今から4割ほど人口が減った日本を生きることになります。もしその社会が寂しいものだったとしたら、それは今を生きる大人たちの責任です。でも、眠っている個人資産の一部が社会に必要とされる企業に渡れば、人口は減ってもきっと素敵な世の中になるでしょう」

　米国式のアドバイスを売るというビジネスは、日本人にはなじみが薄いことは確かです。また濵島さん自身「投資の基本的な話をYou Tubeに上げていますが、そういう話ってあまり再生されないんですよ」と苦笑します。一方で、法人・個人両面のコンサルティングを濵島さんに託す企業経営者層以外にも、「投資は社会貢献」に共感し、資産形成プランニングに特化したサービスを利用する会社員層の顧客が増えてきていることも事実です。

　「投資はリターンを得ないと意味がありません。一方、社会貢献でもあることを理解してほしいと思っています。また、資産形成において最も大切なのは時間です。長期になるほどリターンが安定していくことはさまざまなデータが証明しています。やろうと思ったらすぐに始めてほしいですね。失った時間は二度とは返ってきませんから」

（取材年月：2021年11月）

社会を豊かにすることで自らも豊かになるというサイクル。あるべき投資の文化を日本に根付かせたい

商品を売るのではなく人生に寄り添う。クライアントにとって有益なことのみをするためのビジネスモデル

本来、株式投資とは世の中に価値を生み出している企業に資本を提供することで自らも豊かになること

投資の文化を根付かせることは今を生きる大人としての責任。未来の日本を豊かにするための一つの答え

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