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個性や価値を理解し、愛情をもって慈しみ、資産として受け継がれる腕時計を提案

内部構造と相場に精通し資産価値を最大化させる高級時計の専門家

竹村将志

竹村将志 たけむらまさし
竹村将志 たけむらまさし

#chapter1

真贋判定、相場アドバイザリー、ヴィンテージ・中古時計の選定相談に対応

 世界の名だたるブランドが展開する高級腕時計を販売・修理する「VIZIO(ヴィジオ)」の代表・竹村将志さん。東京・上野を拠点に、全国の愛好家や業者からの依頼に対応しています。

 現行品はもちろん、製作から15年以上が経過したセミヴィンテージや、50年以上を経たアンティークを対象に、部品の点検・洗浄・交換を行うオーバーホールをはじめ、ケースや文字盤の研磨、ブレスレットの修復にも対応。高度な修復を担う技術者集団を擁し、竹村さん自身が全工程の品質と資産価値としての妥当性を一貫して監修しています。

 竹村さんの強みは「目利きの深さ」にあります。外装の真贋判定にとどまらず、内部のキャリバー(機械)についても、パーツ一つ一つの整合性まで丁寧に精査。特定の年代に別ブランドのムーブメントが搭載されているといった歴史的背景まで把握し、数百万円単位で価値を左右するポイントを的確に見極めます。鑑定精度の高さから、同業者(プロ)が査定の相談に訪れることもあるのだとか。

 構造的エビデンスに基づき価値を裏付ける鑑識眼と、歯車などを緻密に調整する技師の知見を掛け合わせ、時計の構造やコンディションを踏まえた助言ができる点も特長。こうした自身の知見を組織内で共有し、会社全体で高い判断基準を維持できる体制を構築しています。

 「品質と性能を維持するため、適合性に優れた純正パーツにこだわり、入手が難しい場合は社内でパーツを製作できる体制を整えています。また、外装や内部機構の状態を写真付きのカルテとして記録し、個人の経験に依存せず、組織として一貫した品質を保証できる仕組みを構築しています」

#chapter2

時計修理技能士1級の保有者が常駐し、故障の傾向から適切な扱い方を共有

 竹村さんは19歳で時計の販売会社に入社。在籍期間は2年ほどでしたが、将来の独立を見据えて職務に励み、多くの学びを吸収します。

 「当時は1日に100本ペースで時計を扱うこともあり、市況に応じた売買価格や、本物と偽物を分別し、状態の良し悪しを見定める目利きを体感的に身につけました。社長に随行する機会も多く、一般の販売員ではなかなか目にすることのない貴重な時計に触れられたことも、大きな糧になりました」

 修理工房にも出入りし、技術者の仕事を間近で見て話を聞き、各部品の役割や構成、針が動く仕組みなどを会得。そこで培った「内部構造と流通相場の相関性を読み解く力」が、現在の鑑定の土台となっています。

 2011年、21歳で独立。その後は店舗を構えず、自ら現場へ赴くBtoB営業で実績を重ねる中、「売る・買うだけでは不十分だ」と実感するようになります。
 「いざ独立してみると時計はメーカーや年代、モデルごとに機構が異なり、故障の傾向もさまざまです。お客さまに個々が持つ特性を理解していただき、納得してもらうことで、唯一無二の『一点もの』として愛情をもって慈しんでもらえると思いました」

 修理体制も強化し、国家資格・時計修理技能士1級を取得した技術者が常駐。「個人の目利きを属人的なものにせず、会社としての品質にする」ため、技術者との情報共有を徹底しています。

 「湿気によるサビやオイルの固着など、経年による不具合は避けられません。原因を丁寧に調べ、理由を説明した上で、日常使いを楽しめるようサポートしています」

竹村将志 たけむらまさし

#chapter3

時計を扱う業者に向け、修理技術や査定に関するコンサルティングも実施

 時計を扱う事業者に向けて、修理や査定に関するコンサルティングも手掛ける竹村さん。「売り先に聞かずとも、その場で瞬時に正確な卸値を算出できる」という目利き力を頼り、多くのプロが相談に訪れます。

 業界が抱える課題には、ブラックボックスの解消に取り組んでいきたいと語ります。
 「時計は内部構造が複雑で外から見えないため、お直しやお手入れの内容や妥当性が伝わりにくいのが難点です。価格の根拠が不透明なまま取引が行われるなど、『分かりにくさ』が不安や不信感を招くケースもあると感じています」

 「中身の状況が把握できないまま、事後的に費用が追加された」といった声を耳にし、相談・見積もり・送料・キャンセル料を無料に設定。カルテを通じて修理履歴を共有するなど、透明性の確保を徹底しています。「自分に似合う商品を知りたい」という相談にも応じています。

 生産数が少なく希少性が高いモデル、パーツが細かく精巧な機械などに対応するため、技術の継承と情報発信に力を入れたいとも。SNSやワークショップを通じて、正しいメンテナンスの方法や、クオリティーの良否を判断する視点を伝えていきたいと熱意を見せます。

 「芸術性と機能美を備えた腕時計は、時代を超えて人を魅了します。私の目利きの基準を組織として共有し、適切に手を入れて次の世代へ価値をつないでいく。その役割を果たすことが、私たちの使命です。定期的なケアを通じて、名品を一緒に守っていきたいですね」

(取材年月:2025年12月)

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専門家プロフィール

竹村将志

内部構造と相場に精通し資産価値を最大化させる高級時計の専門家

竹村将志プロ

高級時計の鑑定査定・販売・修理専門店

株式会社VIZIO

外装だけでなく内部キャリバーの整合性まで見抜く知識が武器。数百万の差を生むレアポイントを正確に把握し、世界相場で鑑定。この私の知見を共有し、組織として丁寧で信頼性の高い判断を行える体制を整えています。

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