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思い出の詰まった家、住み慣れた江戸川区で、最期まで自分らしく過ごせるようサポート

「最期まで自分らしく」をかなえる訪問介護を目指す理学療法士

山田道朗

山田道朗 やまだみちろう

#chapter1

訪問介護に取り組み、ケアプラン作成からサービス提供まで一貫して対応

 2022年の厚生労働省の調査によれば、「人生の最期を迎えたい場所」として「自宅」と答えた人は医療・介護従事者で6割近く、それ以外でも4割以上に上りました。一方、自宅以外を選択した人に理由を尋ねた項目では、全体の7割以上が「家族などに負担がかかるから」と回答しています。

 「『子どもに迷惑をかけないよう施設に入る』と言っても、本心は思い出の詰まったお家、住み慣れた町で、自分らしく過ごしたいと願う方も多いのではないでしょうか。当方は訪問介護を通じて、ご本人もご家族も笑顔で暮らすお手伝いをいたします」

 そう話すのは、東京都江戸川区で高齢者・障害者の在宅支援に取り組む「しんみケアーセンター」代表取締役・山田道朗さん。
 食事・排せつなどの介助を行う身体介護や、調理・掃除などの生活援助を実施。福祉用具のレンタルや住環境の整備、行政の助成制度など、日常に役立つアドバイスもしています。

 「当方にはケアマネージャーも在籍しており、ご本人の状態や望んでおられること、ご家族の要望を踏まえてプランを作成いたします。定期的にご自宅に伺い、状況に応じて見直しもいたします」

 また、介護職員の上位資格である介護福祉士の保有者が多く、勤続20年以上のスタッフなど経験豊富な精鋭がそろいます。1人の利用者を複数人で担当し、会議で情報を共有するほか、チームごとの定例ミーティングも開催しています。
 「働きやすさが質の高いサービスにつながりますので、不安や疑問を一人で抱え込まないよう、スタッフ同士が相談し合える環境を整えています」

#chapter2

リハビリを行う理学療法士の知見を生かし、自立支援と重症化予防に尽力

 理学療法士の資格を持ち、2019年に父から事業を継承した山田さん。病院に勤務し、訪問によるリハビリテーションに従事したことがありますが、保険適用内では回数や時間に制限があり、できることが少ないと感じていました。

 「短時間で終わってしまう訓練よりもむしろ、洗濯をして畳んだり、掃除をしたり、買い物に出掛けるなど、できる範囲で継続的に家事をするほうがリハビリになるのではないか。高齢者の方にとっても、身の回りのことは自分でする方が、毎日が充実するのではないかと考え、会社を継ぐことを決めました」

 介護保険制度を理解する上で、大切な理念として挙げられるのが“自立支援”と“重症化防止”。介護を必要とする人が、自分が希望する生活を自らの力でかなえていけるよう、身体機能の維持に努めることが重要な要素となります。

 山田さんは、高い技術を持つ介護スタッフの中に、医療に携わった自分が加わることで“医療の視点を持った介護”を提供し、より一層手厚いケアを実現していきたいと力を込めます。

 「できる部分はご本人でしていただき、できない部分をフォローするにあたって、“できないこと”の背景にある疾患に注目しないと、ご本人に無理を強いる可能性もあります。コンディションを適切に把握し、ミスマッチを防ぐため、スタッフの報告や申し送り書などから情報を集め、動作の専門家である私が、『この方はなぜこの動きがやりにくいのか』などを検討し、対応方法などを伝えています」

#chapter3

「江戸川区を起点として、どこまでも」をコンセプトに介護タクシーもスタート

 「しんみ」という社名の通り、肉親のように親身に寄り添い、本人と家族を支えていきたいと語る山田さん。2021年には、介護タクシー事業「どすこい!八朗ケアータクシー」をスタートさせました。「江戸川区を起点として、どこまでも」をコンセプトに、通院や買い物、美容院、冠婚葬祭の送迎と幅広い用途に応え、車イスでの外出や、1日貸し切ることもできます。

 「トラック運転手をしていたドライバーの八谷嘉成さんは、船大工をしていた経験もあり、力仕事や大工仕事も得意。粗大ごみの処分や部屋の模様替えなど、生活の中のちょっとした困りごとにも気さくに応じて、利用者さまに大人気なんですよ」

 山田さんはタクシー事業を始めたことで、それぞれの個性を生かしたオリジナリティーあふれるサポートができると、介護の可能性を改めて実感。今後は、女性ドライバーなど多様な人材に活躍してもらいたいと、スタッフ増員も視野に入れています。

 また、“栄養の視点を持った介護”を目指し栄養についても勉強中だそう。
 「誤嚥性肺炎など、咀嚼・嚥下機能不全で亡くなる方を少しでも減らしたい。食は生きる源ですから、リハビリの観点も取り入れ、食べやすくておいしい食事を皆さんに提案していきたいですね」と意欲を燃やします。

 「死は万人に等しく訪れるもので、誰しも『いい人生だった』と思えるようにするには、最期の過ごし方は大切だと考えています。ご利用者さまの人生のより良いエンディングのために、かけがえのない日々を心穏やかに過ごせるよう、できる限りのことをしていきたいと思っています」

(取材年月:2023年12月)

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山田道朗

「最期まで自分らしく」をかなえる訪問介護を目指す理学療法士

山田道朗プロ

理学療法士

有限会社しんみケアーセンター

住み慣れた家、慣れ親しんだ町で最期まで自分らしく暮らしたい方や、見守るご家族へ。介護×医療の視点と経験豊富なスタッフを揃え、ケアプラン作成から訪問介護、介護タクシーまでワンストップで対応します。

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