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Mybestpro Interview

人が幸せに生きるための「インフラ」を整備する

成熟社会へのビジネスシフトをサポートするコンサルタント

並木将央

成熟社会へのビジネスシフトをサポートするコンサルタント  並木将央さん
並木将央さんセミナー風景

#chapter1

ビジネスモデルの「着替え」が急務

 株式会社ロードフロンティアは、メーカーや小売、IT、サービスなど多様な企業に、商品・サービス開発支援やビジネスモデル構築、融資や補助金、クラウドファンディングなど資金調達のサポート、RPAやIoTシステムの導入支援、ホームページやフライヤー制作、業務プロセス外注化(BPO)、100を超えるテーマでの研修・セミナーなどを提供する新進のコンサルティング企業です。

 個人商店から誰もが知る大企業まで、幅広いクライアントから支持を受けているのは、サービスの豊富さだけが理由ではありません。同社のコンサルティングの大きな特徴は「人材」「マーケティング」「内部プロセス」「財務」などの各要素の課題解決が全て、代表の並木将央さんが提唱する「成熟社会への最適化」というコンセプトに基づき、一貫していることにあります。

 並木さんはこういいます。
「日本は、人口減少を主因として『成長社会』から『成熟社会』に完全に移行しました。成長社会は、需要が増え続け、多くの人に『欲しいもの』がある社会。必要なのは選択と集中、大量生産です。一方、成熟社会では物が安く行き届き、人々に欲しいものがなく、誰も困っていない社会です。成熟社会では何が売れるのかはわかりません。ニーズや利便性ではなく、事業者への『共感』によって物が売れるのであり、従来の開発やマーケティングは無力化します。そのような根本的な変化が、経営のあらゆる要素で起こっており、会社は季節によって服を着替えるように、ビジネスモデルを一新する必要性に迫られています」

#chapter2

複雑に絡みあう課題を根本から解きほぐす

 並木さんは、自社の数あるサービスの中から複数をパッケージして提供する場合でも、予算等にあわせ単独で提供する場合でも、クライアント事業の根本的な洞察を欠かしません。
「経営課題は、各要素が複雑に絡み合っています。これは何本かの毛糸が絡んでいる状態に似ていて、そのうち一本だけ引っ張ると余計に糸が絡まり、解くのが困難になってしまいます。成熟社会への最適化という根本的な問題を認識したうえで、各要素の解決策を同時に考える必要があります」

 現在、相談に訪れる経営者の関心が最も高いのがITシステム導入による業務効率化だといいます。並木さんはこの分野を例に、考え方の一端を示してくれました。
「まず業務効率化しようとしている事業は、本当に効果を挙げているのでしょうか。効果の低い事業を効率化しても、ただただ縮小していきます。業務効率化は単なるコストカットではありません。業務プロセスを進める『作業』と、価値を生み出す『仕事』を分けて、ITに『作業』を代替してもらい、人間にしかできない、価値創造的な『仕事』に集中的に時間を投入するためのものです」

 新型コロナウイルスの流行により、注目が高まるテレワークについても意見を聞きました。
「テレワークはITの問題ではなく人の問題です。テレワークが発展すれば、会社の近くに住んでいなくても、事業に共感する、能力ある人財と一緒に仕事ができる。さらに、国境を超えて地球の裏側の人と働くことで、24時間稼働する体制を作れるかもしれない。その際は、人事評価制度、就業規則などを根本的な変更が必須です。不便をソフト導入で埋め合わせるのではなく、本当の意味で社会変化に対応できた会社が、恩恵を受けることになるでしょう」

成熟社会へのビジネスシフトをサポートするコンサルタント  並木将央さん

#chapter3

多様な幸せの形を実現する企業でありたい

 東京理科大学、大学院で電気工学を学び、外資系半導体メーカーの研究員を務めた並木さんは、最先端の研究を行いながらも「技術は人を幸せにするのか」という問いを常に持っていました。
「デジタル技術は飛躍的に高まりました。しかし画質や音質が人間に知覚できないほど向上しても、もはやそれ自体は人の幸せに寄与しません。『自分の研究が人の役に立っているのだろうか』という疑問は次第に大きくなっていきました」
研究者でありながら企画やマーケティング、業務プロセスなど、メーカーの事業をより広い視野で分析することに関心が移っていったという並木さん。成熟社会の理論化を進め、コンサルタントに転身したのは必然だったのかもしれません。

 ロードフロンティアが目指すのは、クライアント企業の経営者や従業員、取引先、顧客など、関わる人すべてが幸せを感じられるようにすること。
「成熟社会では共通の『豊かさ=幸せ』のイメージがなく、幸せの形は人それぞれ。ですから、お客さまが幸せを感じる仕事だけに集中し、そのほかをすべて『丸投げ』してほしい。経理や入力作業はもちろん、業務プロセス、マーケティング戦略、経営ブレーン、あるいは経営部門を丸投げしてもらっても良い。全ての人が幸せを感じながら働くための『インフラ』企業が、当社の目指すところなのだと思っています」

 現代社会、そして将来の会社経営を鮮やかに描き出し、経営課題を大きな構図の中に位置付けていく並木さん。「入り口は何でも良いのです。今、気になっている課題について相談に来てください」と笑顔を見せます。並木さんとの知的刺激に満ちた対話は、具体的な課題解決策とともに、成熟社会における自社の現在地と進むべき道を見極める「視点」を提供してくれるはずです。

(取材年月:2020年5月)

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専門家プロフィール

並木将央

成熟社会へのビジネスシフトをサポートするコンサルタント

並木将央プロ

経営コンサルタント

株式会社ロードフロンティア

人口減少に伴う「成長社会」から「成熟社会」という社会の大きな変化に対応した経営変革を支援。人材獲得、人材育成、業務効率化、資金繰り、売上UPなどの課題を同時解決するコンサルティングサービスを提供。

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