商品企画から販売促進まで支援するデザインの専門家小泉達治

商品企画から販売促進まで支援するデザインの専門家

小泉達治

企業にとってのブランディングとは？

　「世の中では『ブランディング』という言葉が一般的になりましたが、中小企業ではまだまだブランディング意識が不十分で改善する必要があると思います」 

　そう話すのは、「コイズミデザインファクトリー」代表の小泉達治さん。グラフィックデザインやWebデザイン、プロダクトデザイン、テキスタイルデザインなど、対応するジャンルは多岐にわたり、企業やショップ、商品のブランディング、商品企画や制作なども手掛けています。  

　「ブランディングとは『自分たちの考えていることが、ユーザーにちゃんと伝わるようにすること』、そして『なぜそうなのかということを、背景や思いも含めて伝えること』です」と小泉さん。 
 　
　一般的に中小企業の場合「ブランディング」といっても、会社自体のブランディングと商品やサービスのブランディングの大きく二つの要素があります。 新商品を展開したり、新しいサービスを始めたりするときに「ブランディング」が必要だと言われることが多いのですが、本来はその商品やサービスをリリースする会社自身のブランディングが重要です。

　昨今はインターネットが普及し、消費者はさまざまな情報を得ることができる時代になっています。気に入った商品があっても「それはどこの会社やブランドの物か」「そのブランドや会社はどんなところか」という所まで知ろうとします。  

　「まずは会社のブランディングを固めてから商品のブランディングをすべるきだと考えています。会社自体のブランディングができていないのに、商品やサービスのブランディングができるはずがないですから」

具体的にどんな風にブランディングを進めていけばいいのか

　「『ブランディングをしろ』と言われても具体的にどうすればいいのか分からない、というのがよくある反応です。ブランディングがどんな要素で出来上がるものかを知れば、どう進めていけばいいのかが見えてきます」と小泉さん。 

　「ブランディングとは『QUALITY』と『DESIGN』と『PROMOTION』で成り立っています。この三つをきちんと整理し、さらに具体的な作業に落とし込んで考えてみると意外とシンプルであることが見えてきます」 

 　①「QUALITY」とは、その企業やショップが行う業務の品質の向上です。物販や飲食では商品の品質を上げる、サービス業では提供するサービスの利便性やパフォーマンスの質をあげるなど、「生業」の「QUALITY」を上げるということです。 　
　②「DESIGN」では、商品自体のデザインが最も重要ですが、付随するロゴデザインやパッケージデザイン、さらには販促に必要な印刷物、広告、そしてWEBサイトなど、数えだしたら切りが無いほど沢山のアイテムが必要です。 　
　そして③「PROMOTION」とは、でき上がったものをどんな方法で、どんな風にターゲットに伝えるかを考えることです。広告や販促物、オンラインショップ構築、SNS発信などが必要です。 

　「考え方はたった三つですが、それがなかなかできていないのは、それぞれに必要な要素がたくさんあるからでしょう。新商品や新しいサービスをリリースするときには割と重要視されますが、それを会社全体に当てはめて考えると意外にできていないことが多いように感じています」

ブランディングにはさまざまなスキルが必要

　実際の作業レベルではやるべきことが多いので、たいていの場合どこかに発注することになります。  

　「理念の部分はマーケティング会社や企画会社、コーディネーターと言われるような人が担当します。デザインはデザイン会社、告知は広告代理店やデザイナー、Web制作会社、コンテンツ制作会社、カメラマン、イラストレーター、コピーライター、インフルエンサーなどの合作となります。つまり、それだけたくさんのスキルが必要となるわけです。ただ、これだけの作業を一貫して社内でできる業者はほとんどないと思います」 

 　何社もの手を通って作業を進めることが、ブランディングをさらに難しくしていると考える小泉さんは、すべての業務をアウトソーシングすること無く自社内で完結させることを実現しました。 

　外注などに頼り複数の人材でこなそうとすると、必ずひずみが出ます。関わる人数や会社が増えれば増えるほど年齢や個性、スキルの違うデザイナーやクリエイターが何人も関わるため、統一されたイメージの構築が難しくなるからです。  　

　「理想は、全てを1人でクリエイトすること」と小泉さん。ただ、さすがに1人の人材でこなすのは無理がありますが、「一つのデザイン会社」でこなすことができれば、効率アップと費用圧縮、統一感のあるイメージが構築できると提言します。  

　「そのかわり社内にはさまざまなスキルが求められますが、当方は37年にわたる経験値と実績でカバーすることができます。あとはそれを世の中に発信して、私どものことを知っていただくことが大切。それ自体が、うちのブランディングでもありますから」

（取材年月：2023年1月）

ブランディングとデザインで企業を活性化

企業にとってのブランディングとは？

具体的にどんな風にブランディングを進めていけばいいのか

ブランディングにはさまざまなスキルが必要

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