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元メガバンク支店長が伝えたい、銀行融資・補助金獲得のコツとは

メガバンク支店長の経験を持つ資金調達に強いコンサルタント

川居宗則

川居宗則 かわいむねのり
川居宗則 かわいむねのり

#chapter1

融資・審査業務の現場経験から、金融機関との上手な付き合い方をレクチャー

 事業拡大や新規事業にあたり、融資を実現するために金融機関との上手な付き合い方を知りたいという経営者は多いでしょう。
 「経営デザインコンサルティングオフィス株式会社」代表の川居宗則さんは、メガバンクを経て、中小企業診断士として独立。「経営者の右腕になり、スムーズな資金調達をお手伝いする」との理念を掲げ、セミナーやコンサルティングを行っています。

 30年以上にわたり銀行に勤め、融資担当から審査部審査役、融資課長、2店舗の支店長まで、役職を歴任した川居さん。銀行員として1万社以上の融資を実行してきた経験知をもとに、資金調達をテーマにしたセミナーを専門とします。
 「日々忙しく過ごし、資料作成や申請に時間をかける余裕がない中小企業の経営者のために、銀行側の実情を熟知している当方が、『融資の引き出し方』や『金融機関との信頼関係の築き方』についてリアルな情報をお届けします」

 自社に有利な資金調達を進めるには、金融機関の担当者とどう関係を構築していくかが大切と言います。
 「窓口の担当とは気心が知れているが、支店長と面会するのはハードルが高いという声は多いです。ただ、担当者は3年ほどで転勤になることが多く、支店のトップとのパイプは欠かせません。アポイントの取り方からコツをお伝えし、双方向でコミュニケーションを重ねることをおすすめしています」

 これまで商工会議所などから依頼され、オンラインも含めて数多くのセミナーに登壇。「金融機関の視点を知れた」「具体的で分かりやすい」など、参加者から好評を得ているそうです。

#chapter2

「6W2H」を盛り込んだ事業計画書で、融資実行や補助金採択につなげる

 融資実行や補助金の採択で成否を左右するのが、事業計画書です。「どうやって作ればいいか分からない」との声に応え、説得力ある内容に仕上げる方法をレクチャーするセミナーも多数手掛けています。
 「最近はどの金融機関でも、現時点での決算書や担保、保証などにとらわれず、事業の内容や成長性を評価する方向にシフトしてきています。金融機関が重視するのは、確実に返済してもらえるかどうか。実現可能性が高い計画を、その根拠とともに伝えられるかがポイントとなります」

 川居さんが提案するのは、事業ビジョンを「6W2H」で考えること。
 「When(いつ)・Where(どこで)・Who(誰が)・Whom(誰に)・What(何を)・Why(なぜ)。さらに〝How to(どのように)・How much(いくらで)〟を盛り込めているでしょうか。市場ニーズをつかんだ上でターゲット像を絞り込み、他社との差別化となる強みをアピールできるよう、事業の道筋を描きましょう」

 豊富な知見で、コンサル業にも尽力する川居さん。創業期・事業拡大期・事業再構築期など、企業のライフサイクルに応じた事業計画書の作成サポートを得意とし、独立後は300社以上を支援してきました。事業再構築補助金やものづくり補助金などの申請サポートでは、8割以上の採択実績を誇ります。
 「融資も補助金も、事業計画書づくりの基本的な考え方は共通しますが、補助金では地域活性化につながるビジョンや、社会への貢献度なども判断基準となります」

川居宗則 かわいむねのり

#chapter3

震災復興支援の経験が、原点に。地域を元気にする中小企業を支えたい

 川居さんが、中小企業の支援にこだわる原点は、銀行員時代の経験にあります。阪神・淡路大震災の翌年・1996年から5年間、神戸の審査部で復興支援を担当。被災地である有馬温泉の旅館をはじめ、観光業の立て直しに奔走しました。その後、東京・大田区の支店に赴任した際は、町工場への融資業務に従事しました。
 「集客力や技術力があっても、資金繰りがうまくいかず傾いてしまう事業者や工場を数々見てきました。経営者のお役に立ちたいと、中小企業診断士を取得したのもその頃です」

 業務の傍ら、東日本大震災の際には、宮城県気仙沼市で仮設商店街の支援も。
 「2013年から、まちに人を呼び込むためのイベント『気仙沼バル』を毎年支援しています。地元の中小企業が元気になり、地域の活性化を実感できることは、大きなやりがいです。これからもライフワークとして続けていきたいですね」

 行員生活に終止符を打ち、2020年に開業した川居さん。ノウハウを広く伝えたいと、専門誌などの執筆活動にも積極的に取り組んでいます。2022年に自著「元メガバンク支店長だから知っている 銀行融資の引き出し方」(2022年、幻冬舎刊・写真)を上梓しました。

 「資金繰りは会社の生命線です。一方で、融資審査の実情は、知りたくても外からはなかなか得られないもの。コロナ明けのタイミングで、新たなビジョンを打ち出そうという経営者は多いでしょう。正しい知識を届け、経営の安定化をお手伝いします」と力を込めます。

(取材年月:2023年5月)

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川居宗則

メガバンク支店長の経験を持つ資金調達に強いコンサルタント

川居宗則プロ

資金調達コンサルタント

経営デザインコンサルティングオフィス株式会社

メガバンクで約30年、融資審査や支店長経験に基づく「資金調達セミナー」で豊富な実績を誇ります。金融機関との付き合い方や事業計画書の作り方など、具体的なノウハウを伝え、スムーズな資金調達を導きます。

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