愛犬の感情豊かな表情を写真に収めるペット撮影のオーナー長濱えみな

愛犬の感情豊かな表情を写真に収めるペット撮影のオーナー

長濱えみな

愛犬の撮影と名刺作成を手掛け、クリスマスなど犬友が集う撮影会も企画

　「カメラ目線のおすまし顔やりりしいキメ顔、ママやパパに抱っこされたご機嫌の顔、お子さんとの笑顔のツーショットなど、ワンちゃんの愛らしい表情を形にしませんか？」

　そう呼び掛けるのは、東京都目黒区自由が丘でペット撮影スタジオ「イヌスタ」を運営する「LIFELOG」の代表・長濱えみなさん。

　犬が主役の「SOLO PLAN」や家族と一緒に撮影できる「WITH PLAN」のほか、100枚前後のデータがもらえる「DATA PLAN」、データとA4のフォトフレームが付いた「WOOD PLAN」と、四つのプランを用意しています。

　オプションメニューもあって、背景の色を追加できたり、誕生日のメッセージや年齢、名前などを加工したり、青とピングから選べるクレイケーキと一緒に写真に収めることもできます。

　「プランをご利用いただいたお客さまにはもれなく、無料でペット名刺をお渡ししています。愛犬家の集まりで『シンプルでかわいい！どこで作ったの？』と聞かれるほど評判になり、人気が高まったことを受け、ネットからもオーダーを承っています」

　WEB上でデザインを選び、スマホなどで撮った写真をアップロードし、名前や生年月日などを入力。完成予想図を確認後、約1週間で名刺が到着します。
　「20枚から注文でき、ワンちゃん用のSNSのQRコードもお入れしています。お友達の輪が広がったととても好評で、全国からご依頼をいただいています」

　また、ハロウィーンやクリスマスなど季節のイベントで犬友が集まる撮影会も企画し、愛犬家やワンちゃん同士のネットワークづくりをサポートしています。

「犬マスク」や「バックショット」など趣向を凝らしたスタイルが話題に

　以前はブライダルの映像制作に携わり、コンテンツの企画から現場の進行、撮影、編集指示まで担っていた長濱さん。転機となったのは、コロナ禍で結婚式が激減したことです。

　「何かできないかと考えたとき、ワンちゃん専用のスタジオが浮かびました。ペット専用の写真館は少なく、料金も高額だったので、低価格で分かりやすいプランを打ち出したところ、初年度で300頭ものワンちゃんが来てくれました」

　「ワンちゃんと会話ができる」と語り、訪れる犬たちと心を通わす従業員の皆さん。スタジオ開設にあたり迎え入れた看板犬の「ソフィア」が、ペットとの向き合い方を変えてくれたとか。

　「人間が上でペットを飼う関係だと考えていましたが、犬と過ごすうちに、まるで家族のように感情を共有できることに驚きました。愛犬家の方と話す機会も多くなり、今では家族と同じ存在だと思っています」

　ソフィアの顔の上半分を使った写真は、「イヌスタと言えばハーフフェイス」と称されるほどアイコンとして親しまれるように。飼い主の口元で犬の顔を写す「犬マスク」や、犬が正面で家族は後ろ向きに撮る「バックショット」など、趣向を凝らしたスタイルが愛犬家の間で話題となっています。

　「写真の仕上がりについては十分に考慮しています。例えば、3頭のワンちゃんを1枚に収める場合は、それぞれの視線をカメラに向けさせるのではなく、1頭ずつ撮影して合成することで短時間にベストショットを捉えるようにしています」

カートやケージに掛けられるアクリルプレートなど多彩なサービスを展開

　愛犬を中心に家族のかけがえのない瞬間を描き出す「LIFELOG」。撮影当日にフォトフレームが完成し、名刺を発注すると1〜2日でデザイン案を提供するなどスピーディーな仕事を心掛け、「お客さまに『感動』を届けること」を大事にしています。

　「学生時代のアルバイトで、迅速な対応がお客さまの満足につながることを学びました。国道沿いのラーメン店で、ご来店の車が駐車場に入ると同時に麺をゆで始め、席に着いたらすぐに食べたいというニーズに応える仕組みがありました」

　ブライダル業界では「普通の人生で物語になるでしょうか」と不安げな新郎新婦が、音楽付きで編集された映像を見て涙する光景を見てきました。
　「イヌスタでも『何回撮影しても新しい発見がある』と言っていただけるように、ご家族のストーリーを紡いでいきたいですね」

　印象的なエピソードが、文鳥を撮影した時のことです。
　「スタジオを締め切り、鳥かごからそっと出すと飼い主さんの肩や頭の上にちょんと乗りました。私たちにも少しずつなついてくれて、手の上に来てくれたりしました。最後に鳥かごに入る時はションボリした様子になり、どんなペットにも感情があると改めて感じました」

　猫の撮影を始めたり、カートやケージに掛けられるアクリルプレートを制作したり、新サービスも展開中。「ペットは大切な家族です。皆さまが豊かな時間を楽しめるようなアイデアをこれからも考えていきます」と熱意を見せます。

（取材年月：2024年10月）

ペット専用のフォトスタジオで、大切な家族が集う「感動」の1枚を撮影

愛犬の撮影と名刺作成を手掛け、クリスマスなど犬友が集う撮影会も企画

「犬マスク」や「バックショット」など趣向を凝らしたスタイルが話題に

カートやケージに掛けられるアクリルプレートなど多彩なサービスを展開

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