顧客第一を掲げ細かな要望にも柔軟に対応する塗装工事の専門家永井宏和

顧客第一を掲げ細かな要望にも柔軟に対応する塗装工事の専門家

永井宏和

個人宅や集合住宅、店舗、オフィスなどを手掛けアフターフォローも充実

　東京都、千葉県、埼玉県で外壁・内装、屋根の塗装を手掛ける「Heartly paint」の代表・永井宏和さん。個人宅、アパート、マンションといった集合住宅、店舗、オフィスなど幅広い物件を請け負い、2000件を超える実績を持ちます。

　「当方は、ご提案からアフターフォローに至るまでお客さま第一をモットーに掲げています。カラーシミュレーションで外観のイメージを具体的にし、営業担当と熟練の職人がお客さまの要望や建物の状態に合わせて適切な塗料や工法をご案内します」

　現場では近隣へのあいさつや、塗装する箇所以外を保護する養生、終業する際の清掃を徹底。「どんな工事がされているか分からない」という不安を和らげるため、作業工程を撮影して写真と一緒に報告書にまとめて提出しています。丁寧かつ柔軟な仕事ぶりが評価され、他方面から声が掛かります。

　例えば、設計士からの依頼では細かな配色の指定にも対応し、期待を上回る完成度に。短納期を要請された際も、職人のスケジュールを調整して期間内に納めました。

　「塗装の役割のひとつに美観が挙げられます。持ちがよく美しく整えることが私たちの役割です。施工品質を担保するため、加盟組合や第三者機関による保証書も用意し、完工から10年以内に塗膜のはがれや浮きが発生した場合は無償で補修しています。施工に責任と自信を持っているから出来る保証期間です」

　またキッチン、浴室など水回りのリフォーム、壁紙や床材の張り替え、建具の設置といった内装工事、タイル張り、レンガ・ブロックを工作する外構工事と内外装ともにカバー。建築業者や不動産業者、物件オーナーからも引き合いがあります。

旅の資金をためるために始めた塗装の仕事にのめり込み、ノウハウを蓄え独立

　1982年に東京で生まれた永井さん。高校卒業後はアルバイトをして100万円をため、バイクで日本国内を巡ります。

　「言ってみれば放浪の旅ですね。テントを持って野宿をしながら全国各地へ足を運びました。各地域の気候風土に触れ実り多き時間でした」

　半年を過ぎると手持ちのお金が乏しくなり、収入源を探すことに。趣味で楽しんでいたダンスの仲間が塗装工事の会社を経営していたことから、雇い入れてもらいます。

　「最初の現場は大手物流会社の大型倉庫でしたが、本来ベテランが担当するような塗装に携わることになったんです。まさか自分にできるわけがないと思っていたのですが、もともと手先が器用だったせいかきれいに仕上げることができ、周囲にとても驚かれました。それで、いい気になってしまいましたね」

　旅の資金をためる目的で踏み入れた世界でしたが、塗装の仕事内容の幅広さや色を塗り重ねて美観を高める奥深さにのめり込んだ永井さん。約10年の修行でノウハウを蓄積し、個人事業主として2012年に「Heartly paint」を立ち上げます。独立当初は、元勤務先が案件を任せてくれたほか、永井さんの技量を知っていた元請けや現場監督がひいきにしてくれたそうです。

　「塗装の腕前は一流になると個人差はそれほどありません。当方も技術には自信を持っていますが、お客さまが何を求めているかを読み取る力に秀でていたと自負しています。ニーズをくみ取り、叶えることで、ここまでやってくることができました」

自らの視点も生かして、車いすユーザーに優しい宿泊施設づくりも展望

　「Heartly（心から）」という社名の通り、「誠心誠意心を込めて、建物と笑顔をマモル」との理念を掲げ、事業に取り組んできた永井さん。組織を率いる中で、2013年、不慮の事故で大けがを負い下半身がまひ。現在も車いすで生活しています。

　「今は現場管理や内装仕事にしか出られないものの、社長業を中心に打ち合わせから事務まで忙しい毎日を過ごしています。プライベートでは車いすテニスも始めました。なかなか時間を取れませんが、コートで汗を流すのはいい息抜きになっています」

　順調に業容を拡大し、2022年には法人改組。コロナ禍のタイミングで、業種・業態を問わず倒産や閉業に陥る事業者が多い状況でしたが、永井さんは厳しいときだからこそ会社の体制を強化し、「取引先や従業員に安心感を与えたかった」と話します。

　「みんなに長く活躍してもらえるように、個人事業主の頃から残業をなくすよう努め、福利厚生の整備には力を入れてきました。働きやすい環境づくりで従業員の満足度を高め、お客さまへのサービスに反映していきたいと思っています」

　さらなる成長を目指し、永井さんは新たな事業への挑戦も視野に入れています。一つが不動産業。例えばアパートを購入してリノベーションを施し、賃貸管理する構想を描いています。

　「加えて、旅館業への進出も検討しています。障害者になってから分かったのですが、車いすの人に配慮された場所が多いわけではありません。誰もが気軽に利用できる施設をつくる事を目標に本業に勤しんでいきます」

（取材年月：2024年11月）

「誠心誠意心を込めて、建物と笑顔をマモル」を理念に、塗装など内外装工事に従事

個人宅や集合住宅、店舗、オフィスなどを手掛けアフターフォローも充実

旅の資金をためるために始めた塗装の仕事にのめり込み、ノウハウを蓄え独立

自らの視点も生かして、車いすユーザーに優しい宿泊施設づくりも展望

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