特定技能を中心した外国人雇用の制度と実務を伝える執筆者
大泉稔
Mybestpro Interview
特定技能を中心した外国人雇用の制度と実務を伝える執筆者
大泉稔
#chapter1
「人手不足が続く中、外国人材の活用は企業にとって重要なテーマです。なかでも『特定技能』は即戦力人材を受け入れられる制度として注目されています。在留資格の管理や登録支援機関との関係、日本語教育、生活支援など、制度理解と現場対応が密接に結びついているのが特徴です」
そう語るのは、日本語教育と外国人雇用の両面から情報発信を行っている「fp ANSWER」代表の大泉稔さんです。
大泉稔さんは、制度やお金に関するテーマを「分かる言葉」に置き換える執筆を長年続けてきました。専門誌ではこれまでに計22本の記事を掲載。2019年から約6年間、WEB媒体での連載を継続し、生活と制度を結びつける解説を積み重ねてきました。ファイナンシャル分野では「ファイナンシャルフィールド」での執筆経験もあり、制度解説や社会保障制度など、実務に関わるテーマを中心に、専門用語を避けながら読者目線で丁寧に整理。人気記事ランキングで上位に入ることもありました。
単なる制度説明にとどまらず、実例や相談現場での疑問を起点に、背景やリスクまで含めて解説し、共同執筆による単行本として形に残る実績も持ちます。また、担当授業の一環で参加した、全国の学生を対象にした投資コンテストでは、指導した留学生が上位に入るなど、実践の場での成果も経験しました。理論と現場感覚の両面を踏まえ、難しい制度を誤解なく、親しみやすい言葉で伝える姿勢は、各方面から評価を受けています。
なお、執筆した記事や論考のタイトルは、国立情報学研究所(CiNii)の学術情報検索サービスで検索することができます。
#chapter2
「外国人と向き合ってきた日々の中で、今も強く記憶に残っている出来事があります。専門学校で教えていた頃、ひときわ努力家の留学生がいました。出席率はほぼ皆勤。難関とされる複数の資格試験にも一度で合格するほどの実力を備えた学生でした。けれども、レポートには「出産」を「生産」と記すなど、漢字は正確に書けていても、その言葉が持つ意味や文脈まで十分に理解できていない場面が見受けられました」
優秀であることと、「正しく伝わる」ことは、必ずしも同じではない——。その現実を目の前にして、言葉の持つ奥行きと難しさをあらためて考えさせられたといいます。
能力が高くても、言葉の解像度には個人差があります。表面的には通じているように見えても、実は理解が届いていないことがある。この体験は、「伝えたつもり」では不十分だという気づきへとつながりました。専門用語をそのまま並べるのではなく、短く、具体的に、曖昧さを残さず、やさしい日本語で伝える。その向き合い方こそが大切であるとの思いが、現在の情報発信の土台になっています。
#chapter3
大泉さんが特定技能制度に強い関心を抱いたきっかけは、日本語学校で出会った留学生の存在でした。新聞奨学生として働きながら、「将来は特定技能として日本料理店で働き、母国で経験を生かしたい」と語る姿に触れ、制度が一人一人の人生設計と直結していることを実感します。
その後、制度への理解を深めるとともに、外国人雇用管理士・外国人雇用主任者の資格も取得。制度面の整理と現場経験の両方を踏まえた発信を目指しています。
たとえば、住環境をめぐる行き違いについては、具体的な事例を挙げながら説明しています。友人を招いた集まりが騒音トラブルに発展したり、入居人数の認識違いから契約上の問題に発展したりするケースがあります。管理会社から「外国人入居は慎重に」と言われる背景には、こうした事例の積み重ねがあります。しかし多くの場合、問題は「文化の違い」そのものにあるのではなく、事前説明の不足や前提の共有が十分でないことに起因しています。
「禁止事項を並べるだけでなく、背景にある考え方や代替案を示すことが大切です。日本では住宅は静かに過ごす場所ですが、大きな声で楽しめる場として居酒屋やスポーツバーがある。そうした違いを示すことで、納得につながります」
今後は特定技能分野を軸に、これまでの執筆実績、取材経験、日本語教育の現場で得た知見を生かし、企業が実務で判断できる形の情報発信を強化していく考えです。制度と現場の間にある「分かりにくさ」を翻訳し、企業と外国人双方が安心して関わる環境づくりに貢献していきたいと大泉さんは語ります。
(取材年月:2026年1月)
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Profile
特定技能を中心した外国人雇用の制度と実務を伝える執筆者
大泉稔プロ
外国人雇用に関する執筆・情報発信
株式会社fp ANSWER
専門学校や日本語学校での、留学生に対する教育経験を通じて得た知見等を活かし、外国人雇用に活かせる知識を整理し執筆。企業側の視点で伝える。金融系専門誌やWEBでの実績を活かし外国人雇用分野へ展開。
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