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業界の発展を支える「太陽光発電の専門家」として、事業者に向けコンサルティング

再生可能エネルギーの発展を支える太陽光発電導入コンサルタント

土肥宏吉

土肥宏吉 どひこうきち
土肥宏吉 どひこうきち

#chapter1

太陽光発電の“専門家”として、メーカーや設置業者らにアドバイス

 SDGs(持続可能な開発目標)に則した再生可能エネルギーで、コストパフォーマンスの高さから世界規模で普及が進む太陽光発電。土肥宏吉さんが代表を務める「ヨーロッパ・ソーラー・イノベーション」は、各種機器を扱う専門商社として豊富な納入実績を持ちます。

 「“太陽光発電の会社”と聞くと、パネルのメーカーや設置業者、土地開発の会社を思い浮かべるでしょう。私は『太陽光発電のプロフェッショナル』として、製造、施工、開発を手掛ける事業者・自治体関係者に向けて、コンサルティングしています」

 例えばメーカーには「市場や各種製品の動向や、新モデル開発のアイデア」、設置業者には「部材の調達や組み合わせ方、設計のガイドライン」、開発会社には「太陽光事業の運営方法」などをアドバイスしています。

 「最も相談を受けるのは設置業者である工務店や電気工事会社で、全国の約400社と取引があります。設備計画などの改善策を提示し、国内外にある関連製品の中から適切なものを見つけ、メリットのある価格で卸してもいます」

 知識の専門性から競合は皆無に等しいと話し、業界内で“ご意見番”の地位を確立。過大・過小評価を避けて事実を淡々と伝えることに徹し、時には太陽光発電以外の導入を勧めることもあります。

 「テレビやネットの情報のみだと、本当に価値のある知識を得るのは難しいですよね。例えば機器類のメーカーは外資系も多く、サポート体制が常に変化しています。何を選ぶのかはお客さまなので、ベストな結果が出るよう判断材料を提供しています」

#chapter2

ヨーロッパの企業とのつながりを社名に。業界は紆余曲折を経て健全に成長

 土肥さんは太陽光発電にも関連する企業に14年間勤めた後、2011年にドイツのミュンヘンで専門商社を設立。しかしパネルの原材料であるシリコンの価格が急落し、市場が崩壊して撤退を余儀なくされます。

 「一方、日本では東日本大震災の翌年から『太陽光で発電した全ての電力を売電できる』という制度(通称FIT)が始まります。そこで当時の先進地域であるヨーロッパ各企業は日本市場に興味を持ち、私に白羽の矢が立って起業に至りました。社名も欧州とのつながりが由来です」

 当初3年間は手厚い補助金制度もあり、売電による収益が確実視されて人気の投資対象に。市場規模も10倍以上に拡大するものの運営や施工の経験者が足りず、トラブル報道が続いて業界のイメージが低下しました。

 「技術革新とコストダウンで各種優遇制度も減り、投資家は業界を離れていきました。現在は『電気を自分で作って使えば電力会社から買うよりも安い。だから太陽光発電を導入しよう』という健全な理由で市場が成長しています」

 業界に残った各社もプロ意識が高く、土肥さんが登場する専門紙などを通じて相談を受けることも多数。中でも省エネ経営に着手する工場や倉庫が増え、関連業者からの連絡が絶えないと言います。

 「業者間のご紹介も多いですね。パネルは10年ほど前から価格が8分の1近くまで下がり、性能はおよそ1.5倍に向上。世界中で新設される発電所のうち約3分の2は太陽光になり、世界1位の発電源になりました。日本もこの波に乗れるよう活動しています」

土肥宏吉 どひこうきち

#chapter3

日本の導入量は世界7位。すそ野を広げるため利便性の高いシステムを開発

 現在、日本の太陽光発電は年間約7GW(ギガワット)の規模で増え、単純計算で原発7基分に相当。2025年には12 GW、2035年には24GWの新設が見込まれています。
 「天候に依存しますが、他国は他の発電源や蓄電池と組み合わせて安い電気の使い方が上手になりました。対して日本ではいまだに負のイメージが強く、残念な状況です」

 導入量で世界7位の日本がこれから世界との差を縮めるにあたり、再び人材不足で困らないよう環境を整えることが自身の使命とか。
 「私がいたドイツでもウクライナ問題によるエネルギー高騰を背景に、2023年には12GWが導入されましたが、経験者が少なく、新設は半年待ちです」

 業務効率化の一助として、また国内のすそ野を広げるためシミュレーションシステムを開発。Googleマップを利用し、候補地の四方を画面上で囲むだけで発電量や導入費用を数分で算出します。

 「関連製品もデータが常に更新され、太陽光パネルで約930点、電気を変換するパワーコンディショナで約270点から選べます。10大電力会社(北海道電力~沖縄電力)が扱う約430のプランとも料金を比較でき、クラウドなのでスマホやタブレットでも操作可能です」

 システムが浸透すれば、自身を頼らなくても関係者の自走が期待できると土肥さん。「生まれた余力で自治体や企業へのアプローチを増やし、太陽光発電の発展を後押ししたいですね。個人の方にも、私がコンサルティングした最寄りの工務店などを紹介できるので、ぜひお問い合わせください」と呼び掛けます。

(取材年月:2023年12月)

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専門家プロフィール

土肥宏吉

再生可能エネルギーの発展を支える太陽光発電導入コンサルタント

土肥宏吉プロ

太陽光発電導入コンサルタント

ヨーロッパ・ソーラー・イノベーション株式会社

2011年ドイツで太陽光発電企業の現地代表。帰国後に太陽光発電専業企業を創業し、国内外の太陽光パネル、機器メーカーや施工業者にアドバイスを求められるコンサルタントとして活動し、業界の発展を支える。

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