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ベンチャー企業がブランディングとしてやるべきことは「伝える仕組み」を持つこと!

ブランド力を鍛える広報・PRコンサルタント

荒木洋二

株式会社 AGENCY ONE(エージェンシーワン)の荒木洋二さん
企業ブランド構築に広報活動は不可欠!

#chapter1

優れた広報・PRはブランド力向上につながる。中小・ベンチャー企業こそ、ブランディングPRが必要

 「大企業や有名ブランドは、長い間、丁寧に自分たちのことを広く社会に伝え続け、信頼関係を築いています。この信頼関係を土台としたファンの抱く「共感の塊」の大きさこそがブランド力です。中小・ベンチャーが良い商品を作っても大手に負けてしまう……、それは、ブランド力が弱いことが大きな原因となっています」

 と、株式会社エージェンシー・ワン、代表取締役の荒木洋二さん。これまで500人を超える企業経営者と相対してきた、経験と実績が豊富な広報・PRのエキスパートです。その「実践と対話と学習」からたどり着いた理論を、2015年に日本広報学会で発表しました。

「優れた広報・PRはブランディングにつながります。広報・PRとブランディング、これらは目的を同じくする1つの活動として考え、『ブランディングPR』という形で指南と実務支援業務を行っています」

 一般的にPRとは、プレスリリースを発信しメディアに取り上げてもらうことが主な業務であると認識していますが、荒木さんの取り組みはその枠組みを大きく超えています。

「プレスリリース発信もブランディングPR業務の一環であり、テレビや雑誌で取り上げられると瞬間的に成果につながるかもしれません。しかし、それは刹那的なもの。すぐに忘れ去られ、商品や企業イメージとして記憶に残ることは少ないと考えていいでしょう」

 中小・ベンチャー企業は、何から行うべきでしょうか?

「伝える仕組みを持つことです。伝える対象は、メディアや顧客だけではありません。従業員、株主、投資家、取引先、金融機関……、その企業に関係するすべての人に向けて伝え続けることです」

 次に、何をどのように伝え続けたらいいのか、詳しく伺いました。

#chapter2

3つの基本の媒体を利用して、企業の人格を伝え続けることが第一歩

 「企業は何を伝えたらいいと思いますか? 商品の優れた性能でしょうか? コストパフォーマンスでしょうか? 商品情報も伝えることの1つですが、ブランディングPRの目的は、『企業の人格』を伝えます」

 人は大勢の他者と関わり合いながら、それぞれの人格が形成され成長していきます。企業も人間と同様に、人格を持つ存在であると荒木さんは考えています。

「企業の人格を伝えて共感を得ること、これがブランディングです。共感とは、従業員が抱く愛社心、株主や投資家が抱く期待、取引先が抱く信頼、金融機関が抱く期待、取引先が抱く信頼、金融機関が抱く信用、メディアが抱く誠実感、顧客が抱く忠誠心、広く社会が抱くあらゆる種類の『好意』です」

 そして、ブランディングは現在進行形、伝え続けることが重要だと荒木さんは話します。

「大企業はおしゃべりで、あらゆる手段を使って人格を発信し続けています。一方、中小・ベンチャーは静かにしています。黙っていては、ファンは作れません。私たちは、基本となる媒体を使い、企業の人格を伝え続けることを指南しています」

 荒木さんは、人格を伝える「三種の神器」として、ファクトブック、ニュースレター、アニュアルレポートを掲げています。この3つは、ブランディングPRに優れた媒体です。

広報を主軸に広告、営業、Webサイトなどを組み合わせて行うことが業績アップに

#chapter3

基本の媒体を高品質で制作する「伝えるプロ」がスタッフとして多数在籍

 「経済広報センターが発表した『生活者の“企業観”に関する調査』(第20回)の結果では、企業評価の際に利用する情報発信者の信用度について、「メディアからの発信(ニュースや記事など報道)」は80%が、「信用する(信用する/ある程度)」と回答。次いで、「企業からの発信(企業ホームページ、各種刊行物、ソーシャルメディアなど)」も75%が「信用する(信用する/ある程度)」と回答しています。各種刊行物がファクトブック、ニュースレター、アニュアルレポートにあたります」

 しかし、事実や結果を並べるだけではきちんと伝わらない、と荒木さんは話します。企業の日々の営み、息づかいなど事実や結果に至る「舞台裏」を興味深く読んでもらう媒体に作り上げることがファン獲得のポイントです。

 荒木さんのスタッフには、出版、印刷、WEBなどメディア関係のエキスパートが揃い、質の高い媒体を作り上げています。また、社内で制作する場合は、効果的な制作方法を丁寧にレクチャーします。

「現在は、ブランディングPRの指南と実務支援を主に行っていますが、eラーニング、人材育成もスタートしていく予定です」

 企業の人格を質の高い媒体で伝えてファンを増やす、そして伝え続ける覚悟を持つことがブランディングPRの基本。一見、遠回りだと思えても始めた方が近道です。荒木さんと一緒なら、大企業や有名ブランドに勝てるブランド力を育てることも夢ではありません。

(取材年月:2017年8月)

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専門家プロフィール

荒木洋二

ブランド力を鍛える広報・PRコンサルタント

荒木洋二プロ

マーケティングプランナー

株式会社AGENCY ONE(エージェンシー・ワン)

ブランディングにつながる優れた広報・PRのコンサルティングと実務のサポートをメインに行う。中小・ベンチャーが、大企業や有名ブランドに勝つためには「伝える仕組み」をつくり、ブランド力を強化すること。

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