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家系図を通して過去と未来を繋いでいく

家族の絆を繋ぐ家系図作成のプロ

塩崎明子

塩崎明子 しおざきあきこ
塩崎明子 しおざきあきこ

#chapter1

家系図作成を始めたきっかけは父親のため

 家系図作成の専門企業、株式会社みそらの代表である塩崎明子さんは、まだ家系図の作成サービスが一般的ではなかった2013年に事業を開始しました。これまでに約500人以上の家系図を作成し、家系で考えるとその数は1000家系を超えています。

 お客様は経営者から一般の方々まで、家族の歴史を大切にしたいという意識が強く、人生の節目節目で家系図の依頼を受けてきました。北海道から鹿児島まで、全国各地から依頼が届きます。最近は台湾やアメリカといった海外からも依頼が届いているそうです。

 そんな塩崎さんが家系図の作成を始めたきっかけは、父親でした。

 「父は自営業を営んでおり、いつか成功したら本を書きたいと71歳の時に言いました。でもいつ成功するのかは誰にも分かりませんよね。すでに波瀾万丈な人生を歩んできた父のため、自分史を書こうと提案し、自分で書き方を勉強していく中で、家系図に興味を持ちました。家系図を作っていく中で、自分の知らない事実がたくさん出てきて、その事実に感動し、先祖を知ることの大切さがわかってきました」

 「家系図を作りたい」と塩崎さんのところに依頼が来るきっかけは多様です。なかには「自分や家族の余命が短い」と感じた時や、「親戚とのつながりを保ちたい」という気持ちから家系図作成を望む人もいます。自分のルーツを知ることは、先祖を尊重し、自分がどこからきたのか、自分は何者かを知ることに繋がり、自分の心理的安全性を高める上で大事だとも言います。

 家系図作成においては、驚くべき縁や運命的なつながりが明らかになることもしばしばあります。たとえば、家系図講座の参加者が塩崎さんと家系図上で繋がっていることが判明したことがあったそう。このような新しい出会いは、お客様にとっても塩崎さんにとっても、家系図作成が単なる「仕事」や「データ」ではなく、新しい人のつながり・ご縁を見出してくれるとも言えるでしょう。

#chapter2

市役所の戸籍が消えていく前に家系図を作った方がいい

 では、具体的にどのように調査をしていくのでしょうか?調査の過程では、戸籍謄本を辿れば200年前まで遡ることが可能です。しかし、戦争や火災等の理由で記録が失われている場合もあり、特に東京都内の一部、愛知、大阪、京都など一部地域では既に古い戸籍が廃棄されており、手に入りづらいことがあるそう。また保存期間がすぎた戸籍謄本は、申請しても取得できません。すでに廃棄されてしまっている戸籍も出てきているため、家系図の作成はなるべく早くするのがおすすめです。

 このように戸籍で辿るのに限界がある場合は、親戚から情報を集めたり、菩提寺やお墓・過去帳の調査、親族訪問調査をしたりします。家系図作成は、単に過去を辿るだけでなく、お客様が自己理解を深める手助けもします。親戚関係が希薄になりがちな現代において、家族の歴史が明らかになることで繋がりを強めることも期待できるでしょう。

 家系図は単なる書類ではなく、家族の歴史を伝える貴重な資料です。だからこそ、報告書のように扱われるのではなく、木箱に入れた家系図を贈り物として提供することをコンセプトにしています。

 「家系図を作るだけならご自分でもできます。11年前サービスとして始めた時、報告書ではなく贈り物というコンセプトにしました。大切に代々引き継いでいってもらえるものを残すことが大事だと考えています」

 これにより、家族の間で家系図は長く大切に保管される家族の宝・家宝になると言っても過言ではありません。また、家族史に深く潜り込み、戒名や戸籍以外の情報も織り交ぜながら、家族の物語を綴ります。先祖が乗り越えてきた苦難・想いを入れることで、家族の歴史はより一層深みが増します。顧客一人一人の要望に寄り添い、その家族固有の歴史を丁寧に紐解いていくことが、塩崎さんの強みです。

塩崎明子 しおざきあきこ

#chapter3

家系図の使い方。80冊印刷する家族も

 作成された家系図は、お客様の要望に応じてさまざまな形で提供されます。また、家系図を複数の家族に配布するために、何十冊と複製することもあり、これによって家族史が多くの親族のもとに届き、語り継がれることになります。家族が集まるお盆やお葬式といった機会に、ご先祖様や家族の昔話を共有し、理解を深めるためのツールとしても活用してみてはいかがでしょうか。

 家系図は、自分たちの過去を理解し、現在を生きる意味を見出し、未来へのつながりを築くきっかけを与えてくれます。また家族史・事業承継社史と呼ばれる、文章と写真形式で家族の歴史を形に残していくサービスもあり、家族のエピソード、家業、伝説、伝承を組み込みながら、単なる系譜ではなく、生きた家族の物語を作り上げてくれます。家族の自伝であり、子供や孫、その先の子孫にとって、過去の世代が直面した試練や成功、失敗の物語は、未来を生きる重要な教訓となり得ます。

(取材年月:2023年12月)

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塩崎明子

家族の絆を繋ぐ家系図作成のプロ

塩崎明子プロ

家系図・自分史・終活アドバイザー

株式会社みそら

独自の調査メソッドを元に、依頼主の要望に寄り添い、今までに全国500名以上の家系図を作成。相続、贈り物、墓じまい等、お客様のお悩みに合わせた家系図プランのご提案をさせて頂きます。

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