窓に関する悩みを解消に導くガラス用フィルム施工の専門家大熊寛幸

窓に関する悩みを解消に導くガラス用フィルム施工の専門家

大熊寛幸

西日が暑い、視線が気になる、空き巣を防ぎたい。ニーズに合わせて提案

　「窓まわりで困りごとがあれば、当方にご相談ください」と話すのは、「KM ASPLUS（ケーエムアプラス）」代表取締役の大熊寛幸さん。東京・埼玉・栃木・群馬・千葉・茨城を中心に、飛散防止、紫外線カット、遮熱、防犯、目隠し、抗菌など各種フィルムを施工しています。

　「例えばマンションでは、西日が暑くて耐えられないという声をよく聞きます。フィルムの色が濃いほど遮熱効果は高くなりますが、貼ると薄暗くなります。暑さ対策重視か透明度重視か、お客さまの希望を伺った上で複数パターンをお伝えし、ご検討いただきます」

　一戸建てでは、外からの視線が気になるといった悩みが寄せられます。
　「バス停の近くにお住まいのお客さまは、『バスを降りた人からリビングが見えるのがストレスだけど、昼間は外の景色を眺めたい』とのことで、日中は室内が見えにくいミラータイプの商品をおすすめしました」

　フィルムは、メーカーごとに分厚いカタログがあるほど種類が豊富で、現地の状況や顧客のニーズに合わせて製品を選りすぐる大熊さん。「昨今は物騒なニュースも見聞きします。空き巣は侵入に5分かかると諦めると言われ、破りにくい防犯フィルムで時間稼ぎを」と呼び掛けます。

　「防犯性能試験に合格した製品を、防犯フィルム施工技能者が定められた条件で施すと、認証シールの『CPマーク』を貼付できます。泥棒の多くは下見するので、CPマークがあると抑止効果が期待できます。万全を期すために警備会社とも契約したり、カメラを設置したり、防犯は足し算で考えることが重要です」

専門の研修を受け、師匠の元で修行を重ねてフィルム施工で独立

　大熊さんは開業前、予備校、建材メーカー、IT企業などで主に営業職に従事。東日本大震災の影響で勤務先が事業を縮小し、家庭の事情も重なって、大手の住宅設備メーカーに転職。軽自動車で個人宅をまわり、キッチンの修理をするようになります。

　「あるとき訪問先で、リペア職人が床や柱の傷を修復しているのを見かけました。高度な技に感動し、自分も何か技術を身に付けたいと模索しているときに知ったのが、フィルム施工です」

　専門業者の研修を受講しましたが、すぐに案件を任せてもらえるわけではありません。何人かの師匠の元で準備や片づけなど雑用から始めました。
　「家で練習したり、貼ったフィルムの後処理をさせてもらったり、本業務に就くようになっても『30点だな』と言われて、車の中で泣きながら帰ったこともあります」

　大熊さんはエアコンクリーニングなどを請け負いながら修行を続け、2016年に独立を果たします。
　「お客さまが抱えている課題に対し、適切な提案をすることで快適な空間づくりをお手伝いすることがやりがい。営業時代に、客先で顧客の話に耳を傾け、商品をご案内していた経験が役立っています」

　数々の現場で腕を磨き、作業していると顧客が興味津々で見ていることもあるとか。
　「最初はやりにくかったのですが慣れました。フィルム施工を始めるきっかけになった会社からの要請で、かつて自分が受けていた研修の講師役として、受講生の前でデモンストレーションすることもあります」

「うそをつかず、隠したり、ごまかしたりしない」丁寧な仕事が信念

　大熊さんには、二つの信念があります。一つはうそをつかないこと。
　「ガラスフィルムの価格は材料費と施工費を含んでおり、メーカーがフィルム毎に設定しているいわば標準価格を設計施工価格と言います。弊社では、材料費、施工費、諸経費、既存フィルム剝離費、高所作業費など、内訳を細分化しています。計算方法や代表的なフィルムにかかる費用はホームページで開示しています」

　もう一つは隠したりごまかしたりしないことです。
　「細心の注意を払っても失敗がゼロではありません。ゴミが入った場合はすぐやり直します。傷がついた場合は、お客さまが気付いていなくてもすぐに申告して、保険を使うなど対応についてご説明します」

　常に丁寧な仕事を心掛け、顧客からは仕上がりの美しさが違うと喜ばれるそう。
　「自分で挑戦したけれど、カットした場所がギザギザになったり、きれいに伸ばせずしわができたり、うまくいかなかったという依頼も多いですね。『貼ってあることがわからない』というのが一番の褒め言葉です」

　大熊さんは、打ち合わせから受け渡しまで一貫して担い、ホームページも自分で作っていますが、ゆくゆくは従業員を雇い入れて、リフォームシートによる床材や壁紙、建具などの補修も手掛けていきたいと考えています。

　「窓がない建物はありませんし、美観を整えることが窃盗といった犯罪を遠ざけることにもつながります。防犯や災害への備えとしても、貢献していきたいですね」と意欲を見せます。

（取材年月：2023年10月）

防犯、防災、遮熱、断熱、目隠し対策など窓ガラスのフィルム施工に幅広く対応

西日が暑い、視線が気になる、空き巣を防ぎたい。ニーズに合わせて提案

専門の研修を受け、師匠の元で修行を重ねてフィルム施工で独立

「うそをつかず、隠したり、ごまかしたりしない」丁寧な仕事が信念

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