24時間365日、「愛ある看護」を提供する訪問看護師中村真也

24時間365日、「愛ある看護」を提供する訪問看護師

中村真也

病院勤務から訪問看護の道へ。自宅で暮したいというお年寄りの願いを目の当たりにした経験から

　高齢化が深刻な今、年老いた親の看護や介護の問題に直面しています。できればずっと家で一緒に暮らし続けたいと思っても、親の老化が進めば不安も増していくでしょう。そこで頼りになるのが訪問看護です。看護師であり、訪問看護ステーションを運営するブライトライフ株式会社の代表である中村真也さんは、家で暮したいというお年寄りの願いを叶え、患者の療養生活を支えるため、毎日業務に邁進しています。

　中村さんが訪問看護について考えるきっかけになったのは、看護学生の頃のアルバイトでした。老人保健施設で働いていた中村さんは、たくさんのお年寄りがわずかな職員に見守られながら、転倒のリスクを避けるために立つことも許されない状況を目にします。家に帰りたいと口にするお年寄りの姿が強く印象に残ったのでした。

　看護師となり、中村さんは聖路加国際病院に勤務します。ここは全ての病室が個室の病院。そして、一対一の看護に力を入れています。中村さんは、看護はこうあるべきだと思いますが、一般的には、お年寄り一人ずつの要望を聞くことはとてもできない施設が多いのが現実なのだそうです。

　中村さんは、「お年寄りたちはなぜ家に戻れないのだろう。家に戻れる環境を作りたい」と思います。そこで、「愛ある看護」をモットーとするブライトライフ株式会社の設立に至ります。

患者の症状の改善が一番の歓び。24時間365日、「愛ある看護」で一人一人の患者に寄り添う。

　ブライトライフ株式会社の訪問看護の特徴は、24時間365日、年中無休で対応するという点。患者の家族にとって、万が一何かあったときに医療のプロが対応してくれるというのは大きな安心感をもたらすはずです。

　患者の多くは高齢者ですが、中には小児や難病患者などもいるそう。「全症例の患者さんを引き受けます。断りません」と言い切れるのは、能力の高い、経験豊富な看護師を集めているからです。そのため、人工呼吸器、尿道カテーテル、ストーマ（人工肛門）などを使用している患者でも断ることはありません。もちろん医師の診察が必要であると判断すれば、医師につなぐことも行います。

　いつでも、どんな患者でも対応するのは、利用者にとって有り難いことですが、働く人にとっては簡単なことではないでしょう。それでも中村さんが、24時間365日の対応にこだわるのは、患者のことを一番に考えるからです。

「輝かしい生涯を送ってほしい」という想いを込めて、ブライトライフという社名をつけた中村さん。「長い人生の最後のところを共有させていただくのは、とても光栄なこと。患者さんとの出会いはご縁だと思っています」と、利用者一人一人のことを考え、それぞれに適切な「愛ある看護」を提供しています。

　患者の症状が良くなることを一番の喜びと感じながら、中村さんは日々の業務に取り組んでいます。さらにその想いを、共に働くスタッフに共有することも忘れません。看護は決して楽な仕事ではありませんが、互いに支え合える高いチーム力と、責任感と使命感が、スタッフをひたむきに仕事に向かわせる原動力となっているそうです

　患者が満足できる看護を提供するためにも、中村さんは経営者として、スタッフや働く環境のことにも心を配っています。「スタッフが働きやすい職場を目指し、たくさんの患者さんに選ばれるステーションにしたいです」と、さらなる向上への努力を続けているのです。

一人でも多くの患者に、24時間365日の看護を提供し、安心して自宅で暮せる環境を届けたい

　患者の症状の改善を目指し、業務に励んでいる中村さんですが、会社の代表としては葛藤を抱えているのも事実。というのも、症状を改善させようと努めて成果を出せば、結果的に患者が訪問看護を依頼する日数は減ります。けれども会社を経営していく以上、利益を上げることは必要です。

　介護保険や医療保険など、現在の社会保障制度では、医療従事者がどれだけ努力して症状の改善という結果を出したとしても、それが報酬という形で報われるわけではないという難しさが現実問題として存在するのです。

　中村さんは、「今の業界全体として、経営のことだけを考えると、積極的に症状を良くしようという風にはなりにくい傾向があります。いつかは、この業界のそういった面を変えていけたらいいですね」と、より大きな夢も描いています。

　同時に目の前の目標として、まずは岩槻市に新しいステーションを設立し、一人でも多くの患者が訪問看護を利用でき、自宅での暮らしを送れるようになればと考えています。ブライトライフ株式会社を立ち上げて以来、中村さんは着実に訪問看護ステーションを増やし、現在3ヶ所で運営中です。24時間365日対応の訪問看護のニーズがたくさんあることを肌で感じているからこそ、もっとその声に応えていきたいと中村さんは考えています。

（取材年月：2019年12月）

24時間365日の対応と「愛ある看護」の提供で、自宅で暮したいという患者の願いを叶える

病院勤務から訪問看護の道へ。自宅で暮したいというお年寄りの願いを目の当たりにした経験から

患者の症状の改善が一番の歓び。24時間365日、「愛ある看護」で一人一人の患者に寄り添う。

一人でも多くの患者に、24時間365日の看護を提供し、安心して自宅で暮せる環境を届けたい

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