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「財産が消えた」「遺言書の内容に疑問」。そんな時は弁護士へ

「遺産の使い込み」「遺言無効」に特化した弁護士

田阪裕章

田阪裕章 たさかひろあき
田阪裕章 たさかひろあき

#chapter1

被相続人の判断能力や財産の流出、それらの調査に強い

 相続案件の中でも「遺産の使い込み」や「遺言無効・遺言トラブル」の解決を得意とする「田阪法律事務所」の代表、田阪裕章さん。弁護士歴は15年を超え、問題を提起する側・される側を数多く担当。困った時にはいつでも相談できるよう「初回30分無料」「土日祝、夜間も電話受付」「オンライン対応も可」としています。

 「高齢化が進む中、財産を残す被相続人の判断能力が問われることが多くなりました。一生をかけて築き上げた財産がきちんと管理されていたのかを確かめるのが私の役目です」と田阪さん。

 「遺産の使い込み」では、被相続人の口座において使途の不明な出金が見つかった際に「誰が何のために引き出したのか」「誰が口座を管理していたのか」などをチェック。本人の判断能力に疑問があった場合は、介護保険の主治医意見書や認定調査票、カルテや介護記録などを取り寄せて、専門の医師の意見も聞きながら、判断能力を検討します。

 「遺言無効」では、遺言書で財産の受取人が決まっていても、本人の判断能力に疑問があった場合は、判断能力を検討します。このほか、遺言書の筆跡や形式面での不備の有無などもチェックして、遺言書の有効性を検討していきます。

 「親と同居し、銀行口座を管理するAさんと、きょうだいで別の家に住むBさんがいるとします。口座から突然1000万円が減っていたらBさんは理由を知りたいですよね。これが『遺産の使い込み』でよくある依頼のケースです」

 一方、遺言書に「全財産はAに譲る」と書かれていても、Bさんは素直に受け入れられません。まさに「遺言無効」の代表例であり、田阪さんは「いずれも思い当たる場合は泣き寝入りせず連絡してほしい」と言います。

#chapter2

悲しみの中で手続きに困る人を助けようと相続に特化した法律事務所を設立

 田阪さんは「社会人として活躍するには世の中のシステムを知っておく必要がある。世の中のシステムは法律に基づいているはず」と考え、京都大学法学部に進学。卒業後は郵政省および総務省で通信事業の許認可に携わります。

 「当時は光ファイバーとADSLの黎明期で、NTTのネットワーク解放に取り組みました。NPO法人でも、Wi-Fi(無線LAN)の普及にも取り組みました。当時の司法制度改革により、国が『多様化、国際化する時代に合わせ、これからは事前に規制するのではなく、問題が起きたら裁判で救済していく』として、司法の充実強化という方針を打ち出したため、私も弁護士を目指すようになりました」

 2008年に資格を取得した後は「相続は突然起こる。しかし期限内に済ませるべき手続きも多くあるので、悲しみや動揺の中で困っている人たちを支えたい」と考えるように。遺産や遺言を巡る争いへの対応に特化し、2024年に大阪・堂島で田阪法律事務所を設立します。

 「相続では関係者が感情的になりやすく、円満解決が難しい場合も多くあります。専門家として冷静かつ客観的に向き合いつつも、人生の中で“絡まった糸”をほどくお手伝いができると自負しています。ぜひ頼ってください」

 遺言書があり、わずかな遺留分しか受け取れないような場合でも、依頼を受ければ粘り強く交渉。実際に金額を上乗せできた事例もあるので、あきらめないでほしいと呼び掛けます。

田阪裕章 たさかひろあき

#chapter3

調査も交渉も「とことんやる!」。相続問題を次世代に残さないためにも相談を

 収益の分配、所有権や経営権の取得などが火種となる、共有不動産や事業承継の相談にも応じている田阪さん。法律のスペシャリストだからこそ、利害が関わる場面で、それぞれの事情や意向を考慮しながら手だてを講じていけると話します。

 「相続人全員の合意を要する遺産分割も相当に手続きが複雑です。お金をかけたくないと自分たちで進めると、かえって混乱の一途をたどる可能性が高いものです。結局は意見が割れてもめることになり、時間も労力も、そして莫大な費用もかかってしまいます。実際に経験した人にしかこの痛みは分かりませんが、避けられる道があることを知っておいてほしいです」

 自分の代は何とか乗り越えられても、子や孫の代で問題が起こりやすいのが相続。次世代が安心して暮らしていくためにも、早い段階で専門家に相談することが肝要だろうと続けます。

 「今後は家族信託にも注力したいですね。遺言書はご本人が亡くなってから効果が発生しますが、信託は自分が元気なうちから資産の管理・運用や将来の処分などを身内などに任せることができます。遺言書よりも自由度が高いので、内容を工夫すれば、トラブルも発生しにくいでしょう。誰に、何を、どのように託すのか。弁護士として腕の見せ所ですね」

 大切にしているのは「とことんやる!」。調査も交渉も安易に妥協することなく徹底的に行う。どんなに不利な状況でもあきらめず、最善をつくすことで、どこかに解決の糸口を見つけるということを信条としています。

(取材年月:2024年4月)

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田阪裕章

「遺産の使い込み」「遺言無効」に特化した弁護士

田阪裕章プロ

弁護士

田阪法律事務所

相続分野、特に「遺産の使い込み(使途不明金)」や「遺言無効」の問題解決を得意とし、預金口座の入出金履歴、保険契約、証券取引、信用情報、カルテ、介護記録、介護保険の記録などを徹底調査して結果につなげる。

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