豊富な品ぞろえと商品知識で飲食店を元気にするお酒の専門家
桶谷晃弘
Mybestpro Interview
豊富な品ぞろえと商品知識で飲食店を元気にするお酒の専門家
桶谷晃弘
#chapter1
「飲食店を元気にするのが私たちの使命です」と話すのは、業務用酒類の卸販売を手掛ける「桶谷」代表の桶谷晃弘さん。奈良市、大阪市、京都市に営業拠点を配し、全国1万軒の飲食店に各種和洋酒を提供しています。
会社のルーツは、1935年に大阪市生野区で桶谷さんの祖父が起こした酒店です。祖父は奉公ののち独立開業しましたが、太平洋戦争により閉店。戦後故郷の奈良県吉野町で再び商売を始め、今日まで歩みを進めてきました。
桶谷さんたちの強みは高い専門性。グループで35人のソムリエをはじめ、日本酒について学んだ酒ディプロマ4人、日本酒と焼酎の唎酒師が各180人、さらにスピリッツやビールのアドバイザーなど、多数の有資格者を擁しています。
「食のプロである飲食店主の方々に、飲み方や酒に合う料理など幅広いご提案ができるよう、日々研さんに励んでいます。目を引くチラシやメニューの制作もお手伝いさせていただきます」
顧客への配送は、グループ会社による自社便にこだわります。大阪市東淀川区と大正区、奈良市、橿原市の計4カ所に拠点を設け、大阪、京都、奈良、滋賀、兵庫、三重の6府県をカバー。「お客さまへのあいさつや応対といった接遇はもとより、商品の取り扱い方などの教育に力を入れています。配送員のレベルの高さには自信を持っています」と胸を張ります。
「また当社は、グループ企業が食品卸を行っていることから業務用食材もご案内できます。ご入り用のものがあればぜひ、ご相談ください」と桶谷さん。親切、丁寧、的確なサポートで、顧客満足につなげたいと語ります。
#chapter2
桶谷さんのもとで扱うのはメーカー品にとどまらず、輸入ワインや各地の地酒、クラフトビールなど多岐にわたります。
「ワインは、欧州産をはじめ、『新世界(ニューワールド)』と呼ばれる南米、オーストラリア産もご用意しています。世界的に名高い『マスターオブワイン』の称号を持つ大橋健一さんの監修のもと、お客さまに喜ばれる逸品をえりすぐっていますので、品ぞろえについてはお任せください」
日本酒は、酒類の展示会に足を運んだり、全国の蔵元を訪ねたりと、まさに「足で稼ぐ」ことで銘酒を発掘しています。それだけに、苦労も多いとか。
「規模が小さい蔵元の場合、製造能力の問題や地元の酒店との関係などから、取引をお願いしても断られる場合もあります。最近はさすがにないですが、かつては門前払いされることもありましたね。それでも、お客さまにおいしい酒をお届けしたいとの思いから、粘り強く交渉して理解を求めるようにしています」
仕入れ先の開拓だけでなく、自社による商品開発にも注力。ワイン、日本酒、リキュールなどのプライベートブランドをメーカーと協力してつくり、高品質のものを低価格で提供できるよう努めています。
#chapter3
酒店の3代目として、創業の地・吉野で育った桶谷さん。周囲の期待も大きく「自分が継ぐことは宿命だと思っていました。跡取りとして、洗脳されていたんでしょうね」と笑います。学生時代から、祖父や父の背中を見ながら仕事を手伝っていたそうです。
「吉野には当時『節季払い』という商習慣が残っていて、売掛金を盆と年末の年2回まとめて回収していました。夏休みと冬休みには、お客さまを訪ねて集金するのが私の役割でした。他にも『置き回り』というトラックでの戸別セールス、中元や歳暮の配達などもやりましたね」
大学卒業後、アサヒビールで3年半勤務。1998年に家業に入り、ビジネスマナーや商品知識の勉強会を立ち上げ、人材育成を進めました。
「アサヒビールは社員教育が徹底していて、実家に戻ったときは落差の激しさに正直ショックを受けました。商品知識についても、マスターオブワインの大橋さんからの指摘もあり、早急に身に付ける必要があると感じました」
社業では、2010年に大阪に事務所を設けたのを皮切りに、奈良県外に業務を拡大。スケールメリットにより、業界での生き残りを図ります。最近では酒の共配化に力を入れており、グループの物流会社では一般貨物運送事業の許可を受け、自社の強固な配達網を同業他社の事業にも生かしています。
今後も、酒や食品に関するさまざまなビジネスに携わりたいという桶谷さん。「『商売は信用第一、真面目にコツコツ努力すれば道は開ける』という祖父の教えを胸に、社会に貢献していきたい」と力を込めます。
(取材年月:2022年9月)
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Profile
豊富な品ぞろえと商品知識で飲食店を元気にするお酒の専門家
桶谷晃弘プロ
業務用酒類の卸販売
株式会社桶谷
ソムリエ、酒ディプロマらの有資格者が飲み方などをアドバイスし、教育を徹底したグループ会社の配送で飲食店をバックアップ。マスターオブワイン監修の輸入酒、足で稼いで発掘した地酒など、取扱い商品も多彩です。
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