経営者の「右腕」として企業の活性化を支えるコンサルタント中坊崇嗣

経営者の「右腕」として企業の活性化を支えるコンサルタント

中坊崇嗣

「ならでは」の強みを引き出し、組織力を高める理念構築や人材育成に注力

　事業の停滞を感じているのに、次の一手が見えず迷っていませんか。そんなとき経営者の「右腕」として伴走するのが、「NMR流通総研」代表取締役社長の中坊崇嗣さんです。組織活性化・経営支援・マーケティングを3本柱にコンサルティングを手掛けています。

　特に力を注ぐのが、組織力の強化です。企業理念や人事評価制度の構築、社員教育など、課題に応じた取り組みを提案。ヒアリングや現場観察を通じて現状を把握し、社風や企業文化にあわせて課題整理から施策の実行までサポートします。
　「成果を出すには“強み”の再認識が欠かせません。右腕的な立場で、その気付きをもたらし、ならではの価値をベースに、企業と従業員が同じベクトルに向かって前進する自信につなげます」と中坊さん。

　鉄道系のハウスエージェンシーでは「新しい挑戦ができる社風に変えたい」という相談を受け、理念構築を支援。社員参加型のワークショップを重ねる中、当初は、「理念はトップが決めればよい」と考える社員が4割に上ったものの、最終的には完成した理念に全員が満足する結果に。そこから、評価制度の整備など新たな動きが生まれ、「組織を変革できた」と高く評価されました。

　また、ある運輸・物流会社からは、経営幹部候補生の育成を依頼され、研修を実施。新規事業を立ち上げるワークから、実際に事業化でき、3年後には参加メンバーの中から執行役員が選出されました。

　さらに、社内の情報共有や動画教育を行うアプリ「WicsS（ウィックス）」や、「ビジネスキャリア検定」のeラーニング講座（2026年から）など、社員教育ツールも提供しています。

業務効率化や事業承継、マーケティングなど、多角的な支援で企業成長をサポート

　経営支援の中で、近年ニーズが高まっているのが「業務効率化」や「DX化」への取り組みです。「人手不足が深刻化する中小企業にとって、業務自動化による生産性向上は急務です」と中坊さんは強調します。

　ある建築設備工事会社では、業務のムダやムラをなくし、残業の常態化を改善するため、誰もが再現できる効率化・標準化を実現。図面作成から予算管理、工事完了、請求・入金までを仕組み化した業務システムを開発しました。業界特有の業務フローに即したシステムとして評価を得て、現在は販売展開も視野に入れています。

　さらに中坊さんは、自身が二代目社長である経験を生かし、事業承継の支援も行っています。
　「先代社長の急病により、わずか2カ月で後を継ぐことになりました。当時の大変な経験を踏まえ、スムーズな承継をお手伝いします。特に親子間の場合は、競争意識や恥じらいが円滑なコミュニケーションを阻むことも少なくありません。第三者の立場から両者の思いをつなぎます」

　マーケティング支援では、ユーザーの生の声や現場体験を重視する「実践マーケティング」を得意とし、多岐にわたる業界で実績があります。大手旅行代理店では卒業旅行のコンテンツ開発のマーケティングを担当。高校生・大学生へのグループインタビューを通じて、世代ごとの嗜好を分析しました。予算に限りがある高校生はテーマパークのプランを、大学生には関係性に応じた旅行先や、思い出に残る特別感を演出するオプションを提案。顧客ニーズに沿った商品設計を提案し、売り上げ拡大につなげました。

20代で小売経営を経験。経営の現場を知る「右腕」だからこその提案力

　中坊さんは、大学卒業後、大手量販小売企業に就職。20代で畜産部門のチーフを任されました。「予算に基づいた仕入れ・販売計画や、売り場づくり、人のオペレーションなど、小売経営を一通り体験できたことは、今に生きています」と振り返ります。

　その後、「NMR流通総研」に転職。行政の再開発事業を担う第三セクター企業に出向し、商業施設の開発や運営の仕組みを構築。帰任後はコンサルティング業務に携わり、2017年に代表取締役に就任しました。
　「小売業での経験も含めて、事業を進める上で、困った、失敗した体験があるからこそ、経営の当事者として寄り添えるのが私の強みです。経営者は孤独になりがちなので、クライアントからは、身近な相談相手としてプライベートな悩みが寄せられることも多いですね」と笑顔で語ります。

　これまでの実績などをまとめた、著書「壁を越える経営　企業の成長を止めない『現場発』の突破戦略現場と組織を動かす『最強の右腕コンサル』が提供するリアルなノウハウ」（Quasar刊、2025年）も出版しました。

企業を取り巻く環境が厳しさを増す今こそ、経営者の新たな挑戦を後押ししたいと力を込めます。
　「BtoB向けの顧客満足度（CS）調査や、他社との差別化としての社内資格制度など、着手できることはたくさんあるはずです。新しい挑戦は企業の可能性を広げる第一歩。その一歩を、私と一緒に踏み出しましょう」

（取材年月：2025年9月）

組織力強化や業務効率化など、経営者の挑戦を「右腕」として後押し

「ならでは」の強みを引き出し、組織力を高める理念構築や人材育成に注力

業務効率化や事業承継、マーケティングなど、多角的な支援で企業成長をサポート

20代で小売経営を経験。経営の現場を知る「右腕」だからこその提案力

専門家プロフィール

Other Interview