大人のオシャレを提案する専門家小川多栄子

大人のオシャレを提案する専門家

小川多栄子

作り手の視点から、コーディネートのお悩みを解決

　「オシャレは永遠！　大人だからこそできる魅力ある着こなしで、もっとオシャレを楽しみましょう」。そう話すのはGAR’S代表の小川多栄子さんです。フリーランスのファッションデザイナーとして多方面で活躍する傍ら、パーソナルスタイリストとして、会社社長、大学教授、ビジネスパーソン、主婦、就活生など、幅広い層にファッションアドバイスを行っています。
　デザイナーとして輝かしいキャリアを持ち、トレンドにも精通している小川さん。仕事柄、様々な職種の方と接していますが、服装について相談を受ける機会も多いと言います。
　「オシャレと思われがちな職種の方を含め、コーディネートに悩む方は結構多いんですよね。実は、スタイルが決まらないと悩む方の多くが、サイズの合っていない服を着てらっしゃるんです。私は作り手として、服の構造や着こなしのポイントを熟知していますので、その部分でアドバイスできるのではと思ったのが、パーソナルスタイリストを始めたきっかけです」
　平面の生地を立体に仕上げるのが服。つい、見た目の色や形という“平面”で選びがちですが、試着して、後ろ姿を含めた立体で捉えることが肝心だと小川さんは強調します。確かに、服は自分で見るより、いろんな角度で人から見られることが多いですものね。
　「衣食住という言葉があるぐらい、服は生きていく上で欠かせないもの。でも同じ着るなら、少しでもその人らしく、ステキに見える方がいいですよね。アンチエイジングがはやりですが、年齢なりの魅力を生かした、いつも現役でいられる“エイジレス”のオシャレを、一緒に楽しみましょう」と小川さんは呼び掛けます。

なりたい自分になるために。お客様自身が納得できるまで、時間をかけてアドバイスします

　小川さんの提供するサービスで、最も人気が高いのはショッピング同行。事前にある程度の悩みや希望は聞きますが、小川さんが最も大切にするのは当日の面談です。
　「似合うというだけでなく、その方の内面の魅力を引き出し、なりたいイメージを表現できるコーディネートを提案するのが私の仕事。ご希望をじっくりうかがいながら、その方のまとう空気感も見て、ふさわしいスタイルを考えます」。手持ちの服の写真を持参すれば、それとの組み合わせも考えた提案をしてくれます。
　似合うスタイルと言えば、最近はパーソナルカラー診断が人気。小川さんも診断はしますが、こだわりすぎる必要はないというスタンスです。「似合う色の服を着るより、似合う色をオシャレに反映させることが大事。パーソナルカラーは別にメインに持ってこなくても、例えばスカーフをその色にするだけで、表情がぐっと明るくなります」
　似合うと言われても、特に女性の場合、好みでなかったり、お仕着せに感じたりするファッションは長続きしないもの。だから小川さんは、なぜこの色や形が似合うのかを丁寧に説明し、依頼者の好みを反映させながら、納得できるスタイルを共に見つけていく姿勢に徹しています。
　店の選び方や1週間のコーディネート例、着こなしの注意点などをまとめた資料を一人ひとりに用意し、疑問点があれば半年間ほどは無料で相談に乗るなど、フォローの手厚さも好評。「初めてお会いした時は自信なげに見えたお客様が、『今では職場のファッションリーダーです』と報告してこられたりすると、本当にうれしくなりますね」と小川さんは笑顔で話します。

相手への礼儀も考えた、大人のオシャレを伝授します

　男性のお客様も多いのが小川さんの特徴です。「大事なプレゼンに臨む勝負服は」「海外の要人も出席する場にふさわしい服装は」といった相談に応えられるのは、衣装にまつわる歴史、シーンに合った着こなし方法などに幅広い知見を有する小川さんならでは。
　「服の素材や色、柄には由来があります。ネクタイを例に挙げると、レジメンタル（幅広ストライプ柄）は本来、フォーマルな場には向かない柄。日本ではまだ、公式の場ではネクタイをしていること自体が重視されますが、スーツ文化発祥の地である欧米では、『どんなネクタイをしているか』が見られます。カジュアルシーンでは問題なくても、特に公式な場においては、服装は相手に対する礼儀でもあることを知っておいていただきたいですね」と小川さん。　TPOに合った装いができるというのは、大人のオシャレの大きなポイントでもあります。
　最低限のみだしなみは押さえつつ、自由にファッションを楽しめる“大人の男女”が一人でも増えること。それが小川さんの願いです。
　「人の魅力は内面にこそあり、服は、あくまで脇役。でも、着る人の魅力を引き出す、名脇役でもあるんです。ファッションに自信がつけば、仕事もプライベートも、今よりもっと輝かせることができます。そのお手伝いを、私にさせてください」

（取材年月：2016年3月）

“エイジレス”のオシャレを楽しみましょう

作り手の視点から、コーディネートのお悩みを解決

なりたい自分になるために。お客様自身が納得できるまで、時間をかけてアドバイスします

相手への礼儀も考えた、大人のオシャレを伝授します

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