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よりよい未来の創造と実現を目指し、人と街の個性を生かしたまちづくりをサポート

本来の姿を生かした地方創生のための気づきと力を引き出すプロ

當山真由美

當山真由美 とうやままゆみ
當山真由美 とうやままゆみ

#chapter1

住民と行政の間に立ってまちづくりをサポート、企業や組織の人材育成やブランド力強化も

 変化に富んだ表情を見せる景観に恵まれ、沖縄を代表するリゾートエリアとして知られる恩納村。この場所を拠点に、「ユーエスディーラボ」は自然環境の保全と人々の暮らしを守るための地域づくりをサポート。
 社名に「Universal Sustainable Design(よりよい未来の創造と実現のための創意工夫)」の思いを込めて、人と街の未来へ向けた活動を展開しています。

 代表の當山真由美さんは、建設コンサルタントとして主に沖縄県内の都市計画事業関連の業務に就き、10年以上にわたって地域独自の課題の掘り起こしや、実状に即した課題解決への取り組みに携わってきました。

 独立後は、新しい制度の導入や土地利用のルール作りの際の調査・解析など、住民と行政の間に立って、都市計画や行政サービスが地域の特性や住民の暮らしに合うかをチェック。具体的な企画・立案も行います。

 「自然を残しつつ産業の振興や生活の利便性を高めるには、人々の意識変革が欠かせません。そのために力を入れているのが、地域創生の担い手づくりにつながる学習活動です」と當山さん。
 職場や地域活動のグループ、学校教育の場で誰もが身近な問題として知っておくべき社会全体のテーマを、ゲーム形式のワークショップや現地見学イベントなどと組み合わせて提供しています。
 
 また地域社会や企業へ向けたサービスも展開。 
 企業や組織内の人材育成、コミュニケーション促進のほか、企業の社会貢献やブランド力向上といった課題にも取り組みます。

#chapter2

人としての成長を助けてくれた恩納村から、地域の課題に取り組む活動をスタート

 當山さんは学生時代に学んだ建築や都市デザインの知識を生かし、建設コンサルタント会社に勤務。主に行政の担当部署と連携し、都市計画の調査や商店街の活性化といった地域ごとの課題をとりまとめる業務に携わってきました。

 入社直後から担当エリアとして赴いた恩納村では、当初、厳しい言葉を受けたこともあったと言います。
 「経験を積んだ後に再会して『成長したね』の言葉を投げ掛けられた時は、仕事ぶりだけでなく人としても育ててもらったなと身に染みましたね」

 2010年には恩納村が「サンゴ礁保全再生事業」のモデル地域の一つとなり、當山さんも取り組みに参加。この経験が将来の歩みに大きな影響を与えることになります。

 「実は5年計画の事業の半ばで当時の勤務先を退社することになったのですが、一緒に活動していた村内関係者から強く慰留の働きかけを受けたんです。企業人ではなく個人として何かできないかと考え、『暮らしの場に身を投じて、地域の未来の姿をともに創りあげていく』というビジョンを持つようになりました」

 當山さんが生まれ育ったのは沖縄県内の米軍基地の街。区画整理が進み、慣れ親しんだ風景は姿を変えつつあります。
 「確かに全国的に見れば、インフラ整備や経済活動では遅れを取っていたかもしれません。でも自然の恵みや穏やかな暮らしぶりなど、他に比べるもののないほど魅力がいっぱいあります。本来の価値を損なわないような開発を考えるべき時期に来ているのではないでしょうか」

#chapter3

社会全体が本来の価値を生かしながら未来へとつながるために、「今何ができるか」を考え続ける

 自然環境の保全や産業振興、公共サービスの見直しといった取り組みの中で、人々が自ら行動しようとする力を掘り起こす當山さん。その一つがカードゲームの要素を取り入れた研修プログラムです。

 行政や民間事業者、住民がそれぞれの立場で課題解決の意識を持てるようなテーマを設定し、ワークショップを数多く展開。「脱炭素社会」「SDGsな地方創生と教育」「環境保全」「防災」「高齢化社会」といった現代社会を語るうえで欠かすことのできない話題を中心に取り上げ、参加者からは「楽しみながら学べる」と好評だとか。

 「座学だけでなくアクティブな学びの機会をミックスして、さまざまな“気づき”をもたらすよう工夫を凝らしています」と當山さん。
年齢や属する組織に関わらないアプローチは、地域コミュニティの担い手、社員研修といった人材育成にも活用されています。

 ライフワークとして取り組んでいるサンゴ礁の保全活動では「サンゴのカルタづくり」を立案・企画。ワークショップの参加者たちによって仕上げられて2020年に商品化し、現在もお土産品としてホテルなどで販売されています。

 當山さんがフラットな自分に戻るのは、所属する市民吹奏楽団などでサックスを奏でるひととき。
 「それぞれの音色の個性が相まって美しいメロディが奏でられます。人や街も同じ。社会全体が本来の価値を生かしながら未来へとつながるために、今何ができるかを考え続けたいですね」

(取材年月:2023年12月)

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専門家プロフィール

當山真由美

本来の姿を生かした地方創生のための気づきと力を引き出すプロ

當山真由美プロ

まちづくりコンサルタント

合同会社ユーエスディーラボ

地域の個性や魅力を生かしたまちづくりを目指す。ゲームの要素を取り入れた体験型研修プログラムを通して現代社会の課題と向き合い、環境保全や豊かな暮らしづくりを学び行動する機会を提供。

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