エアコン・ハウスクリーニング、草刈りなどを手掛ける掃除のプロ銘苅秀甫

エアコン・ハウスクリーニング、草刈りなどを手掛ける掃除のプロ

銘苅秀甫

住まいに関する多様なサービスを手掛け、成長が早くやっかいな雑草にも対処

　「ご用命には可能な限り対応させていただきます」と話すのは、沖縄県浦添市の「メカル商会」の代表・銘苅秀甫さん。住宅や店舗、エアコンのクリーニングを主軸に“町の便利屋”として活動。キッチン、バス、トイレの交換、介護向けの滑り止めや手すりの設置、外壁と屋根の塗装、門扉やブロック塀、フェンスの施工・改修など内外装のリフォームも手掛けています。

　「1年を通して多いのが草刈りです。雑草は成長が早く、すぐに大人の背丈以上に伸びてやっかいです。年に2回は処置するのがおすすめで、個人宅のお庭をはじめ、自衛隊や米軍基地などからも要請があります。広い土地は大変ですが、終わった後は爽快感があり、お客さまから『さすがプロですね！』とお褒めの言葉をいただくと、疲れが吹き飛びます」

　重機で刈る方法もありますが、銘苅さんは主に肩掛け式の刈払機を使用。雑草の種類や生息場所によって使う機械や刃も替えています。

　「ショベルカーなどで取り除く方が簡単で楽ですが、土がむき出しになってしまうと雑草が生えやすくなるんです。当方は手動で微調整し、表面にうっすらと刈った草を散らすことで直射日光を遮り、生育を抑える工夫をしています。長年の経験と知恵ですね」

　現場では“きれいに、素早く”をモットーにしている銘苅さん。手際よく進めようと目の前のことに集中するあまり、井戸に落ちてしまったこともあるとか。

　「沖縄はハブも生息していますし『作業中は足元に気を付けて』と、いつも従業員に注意している手前、さすがに恥ずかしかったですね」と、朗らかに笑います。

「誰かの手を借りたい」の声に応え、笑顔が広がることが仕事のやりがい

　実家が保育園を経営していたこともあり、建物や家具を修繕したり、ペンキを塗ったり、壊れたおもちゃを直したり、学生の頃からいろいろな用事をこなしてきた銘苅さん。「ありがとう」「助かったよ」と言われることに喜びを感じたのが、起業の原点です。

　「『忙しくて時間がない』『年齢を重ね自分では手に負えない』など、誰かの手を借りたいという時に駆け付けたいと考え、2022年29歳で『メカル商会』を立ち上げました。皆さんのお役に立つことが本望なので、ささいなことでも気軽にお問い合わせいただきたいですね」

　「引き戸が開かないから建て付けを見てほしい」「部屋の模様替えで重い家具を移動させたい」、中には「蛍光灯のヒモが取れて電気が付かないからどうにかしてほしい」という声も。見積もりは無料で、多種多様な要望に快く応じています。

　「従業員約10人の小さな会社だからこそ、フットワークが軽く臨機応変に動けます。地域の人とつながり、笑顔が広がり、こんなにやりがいがあって楽しい仕事はありません」

　コンセントの増設、照明器具の取り付け、アンテナ工事、水道や雨どいの修理も請け負う銘苅さん。顧客の期待に応えるため日々の努力も欠かしません。

　「沖縄では、4月頃から12月頃まで冷房を使うご家庭もあって、心地よい風で涼むにはエアコンのお手入れが欠かせません。メーカーや機種によって構造や機能などが違うので、常に知識や技術をアップデートするよう努めています」

お墓の掃除を行い、遺品整理や特殊清掃にも取り組んで心身の負担を軽減

　「お客さまが今、必要としているサービスを提供する」。これが、銘苅さんの仕事の流儀です。顧客と丁寧にコミュニケーションを重ねてニーズをくみ取り、客先では追加で頼みごとをされることもしばしば。柔軟に引き受ける姿勢で、大半の顧客がリピーターになってくれるそうです。

　「ペンション周辺の草刈りをしている最中に『ついでにお願いできる？』と、バナナの木の伐採を頼まれて、さらに『これもちゃんと水が出なくて……』と、噴水の修繕までしたこともあります。丸1日かかりましたが、オーナーさんと意気投合して、後日、ビールを飲む約束までしました」

　銘苅さんのもとでは、先祖を供養する清明祭（シーミー）に向けて、お墓まわりの掃除や洗浄も実施。気持ちよくお参りできるよう墓所を整えています。

　また、幼なじみの親族が亡くなった際に家財の片付けを手伝った経験から、遺品整理にも取り組みます。

　「大切な家族が旅立ち、心が追い付かない中で故人さまが使っていた思い出の品を仕分けるのはつらいものです。気力、体力を要しますので、私たちがサポートすることで心身のご負担を少しでも和らげたいと思っています」

　昨今は少子高齢化、核家族化を背景に一人住まいの人も増えています。社会問題にもなっている孤独死の現場になった部屋の特殊清掃も担っていきたいと言います。

　「困っている方のお力になるのが私たちの役目です。心情や事情に配慮し、親身に寄り添いますので、自分たちでは難しい事柄があればご相談ください」

（取材年月：2025年7月）

地域に寄り添う“町の便利屋”として困りごとを引き受け、期待に応える存在に

住まいに関する多様なサービスを手掛け、成長が早くやっかいな雑草にも対処

「誰かの手を借りたい」の声に応え、笑顔が広がることが仕事のやりがい

お墓の掃除を行い、遺品整理や特殊清掃にも取り組んで心身の負担を軽減

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