個人から企業まで、お金との付き合い方を提案するプロ

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慶田城裕

#chapter1

「お金の話＝タブー」。先進国で唯一、お金の教育をしていない日本。

「先進国の中で“お金”に関する教育をきちんとしていないのは日本だけです。」と話すのは慶田城裕さんです。浦添市で有限会社ライブアップを営む慶田城さんは、FP（ファイナンシャルプランナー）、保険商品の提案、ライフプランニングのセミナー講師など、個人から企業までお金に関する相談を請け負っています。

　慶田城さん最大の強みは「子供のお小遣いから企業の資産運用」まで、幅広くアドバイスをしてくれるという点です。大学卒業後、リース会社や保険会社などを経て、2005年に独立しました。その後、お仕事を重ねていくにつれ、あることに慶田城さんは気付きました。それが「お金について教育の必要性」です。

　「日本ではお金というと、悪というイメージだったり、何かとタブー視される傾向があります。ですが、生きていくこと全てに関わるのがお金。“カネ儲け”ではなく、人生とお金の関係を学ぶことはとても大切なのに、学ぶ機会が少なすぎるんです」

　さらに「お金の勉強＝投資」と思ってしまうのも日本人の特徴なんだとか。とはいえ、お金の知識なんて、裕福な人達に必要なもので、一般人には関係ないのでは？という質問について、慶田城さんからこんな意外な返事が返って来ます。「いえいえ、お金が無い人こそ、お金について、さらには保険やファイナンシャルプランニングのことを真剣に考えるべきなんです」。それはなぜなのでしょうか？

#chapter2

保険は自宅購入の次に大きい出費。だからこそ真剣に考えよう。

　「それはご自身の人生と未来に直結するからです。家族構成、将来の人生設計、どこでどのように暮らすのかなど、裕福な方だったらどうにでもなります。ですが、お金が無い人にとっては、誰に何にいくら使うか、少額であっても家族全体の未来を左右するんです」

　特に慶田城さんの専門分野・保険に関しては、低収入の人ほど重要だと言います。「保険は文字通り、何かあったときのためのもの。病気など不測の事態の際に助かります。急な出費に耐えられないからこそ保険があるんですが・・・」

　「ですが・・・」と急に苦笑いする慶田城さん。さらに続けます。「皆さん、友達付き合いなどで安易に入り過ぎなのと、そもそも“保険”という言葉を聞くと、表情が曇る方が多くて・・・。大抵の方が何らかの保険に入っているはずなのに、嫌な思いをしているんでしょうね」

　苦労して払っているからこそ、保険を真剣に見直してほしいと慶田城さんは言います。「例えば月に5万円を30年間払い続けると1800万円です。実は保険は、家を買うという次に出費が大きいんです」。こんな思いをずっと抱いてきた慶田城さん。だからこそ、様々な方のライフプランに相応しい保険やFPを提案することが、身の丈に応じた豊かな人生につながると考えているそうです。しかも、お客様とのご相談の際には、必ず守っていただくことがあるそうです。

#chapter3

保険やお金の話は必ずご夫婦で。お互いの財産をきちんと把握しておこう。

　それは独身の方以外、必ずご夫婦でお越し頂くこと。「例えば、ご主人の保険を使うのは奥様、逆の場合はご主人です。いわばお金も保険もご家庭の共有財産なんです。ですから、それを把握して頂くためなんです」。特に沖縄県の場合、共働きが多いため、お互いのお金周りのことを知っておく必要があるそうです。

　「沖縄は高齢化社会ですから、親の介護、子供の教育資金、さらに親戚や地域のつながりも強く、冠婚葬祭も含めて、色んな物が一気にのしかかってくる可能性があります。この状況を事前に知っておけば、損失を減らすことに繋がるんです」

　これらの経験から慶田城さんは最近、お金に関するセミナーに力を入れています。「特に若い方にこそ学んで欲しいです。目先の判断で行動してしまうからです。これを続けると、一定の年齢になったとき、仕事のノウハウも金銭的にも、何も無い状態になってしまいます。これからの人たちに学ぶ機会を提供したいと思っています」。お金を知ることは、家族を知り、仕事を知り、社会を知ることなのでは、と強く考えさせられるお話でした。

（取材年月：2013年6月）

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