司法書士・行政書士として遺産相続と事業承継を支援するプロ
雪野聖也
Mybestpro Interview
司法書士・行政書士として遺産相続と事業承継を支援するプロ
雪野聖也
#chapter1
2024年度から相続登記が義務化されます。今までは、相続により不動産を受け継いだ場合、相続登記をしなくても罰則はありませんでしたが、今後は申請が遅れると10万円以下の過料(罰金)が発生することがあります。
「不動産所有者にあまねく関連する変更ですが、まだ登記申請の義務化を知らない方が少なくありません。中には、過去の相続登記を放置されている方や、登記申請を忘れている方もおられるようです。過去の親族ご逝去による相続登記など、登記事項証明書を確認いただき、登記手続きを終えましょう」
そう話すのは、那覇市役所そばにある司法書士・行政書士事務所の「COOLオフィス」代表の雪野聖也さん。相続に関する各種申請業務をサポートし、自身がDJを務めるFM番組でも相続登記についてアナウンスしています。
「現在お住まいの土地建物が、先代の名義のままである可能性もあります。お子さんに譲りたいとお考えであっても、相続登記を行う必要があります。放置してあるような場合、過去の遺産分割協議については今後10年で時効となり、調整する相続権利者が広範になると困難を極めます」
特に沖縄県は、親族が多い状況にあるため、諸連絡や話し合いに要する負担も大きいと言います。
「疎遠の親戚が遠方にいる場合も、是非ご相談ください。当方では、本来の相続人が誰なのかを詳細に調べ、関係者の戸籍を収集、必要書類を準備し、登記手続きを速やかに行います」
#chapter2
雪野さんが、もう一つ力を入れているのが事業承継。沖縄では会社や店舗を立ち上げた人が高齢化を迎えていますが、世代交代が進まず事業を畳む人が増えています。また、沖縄は開業率が全国トップクラスですが、その反面で廃業率も高いとか。
「後継者不在率は、全国のワースト3を抜けたようですが、飲食店などは原材料費の高騰も影響し苦戦しています。また、移住者から承継希望があっても、簡単に会社や店を引き渡すことができません。多くの事業は、事前学習と経営能力の習得が重要だからです。事情が許す限り5年程度は時間をかけて、経営に関するさまざまなスキルを身に付ける必要があります」
後継者は、組織を率いるリーダーシップやマネジメント力を学びつつ、取引先との関係構築にも尽力する必要があり、根幹となる経理面にも精通しなければならないため、雪野さんは税理士などと連携し、後継者の育成にも着手しています。
「『自分で始めたが、残念ながら跡継ぎが居ないから自分の代で終わらせる』という経営者の気持ちや責任感も理解しますが、ぜひ社会性も認識してもらいたいのです。飲食店などが廃業すると、今まで利用してきたファンは愛する味やサービスを失ってしまいますよね。家族や友人との大切な思い出の場所、暮らしを楽しむ選択肢を提供してきたというところもお考えいただき、今まで地域全体に貢献されてきた、そのお店の歴史を振り返っていただきたいですね」
沖縄では、風呂・シャワーの普及により、かつて300軒以上あった銭湯が僅か1軒になりましたが、その銭湯も幸いなことに第三者の後継者候補が現れたようです。
「中小事業を支援する組織など活用し、上手くアピールすることが出来れば、適任者を発見し、その育成にも注力したいですね」
#chapter3
起業前は38年に渡り法務局に勤務した雪野さん。転勤を繰り返す中で沖縄に暮らし、気候と人の“あたたかさ”に魅了されて那覇市に拠点を構えました。近年は那覇市を中心として、離島も含めて不動産価格が高騰。住居やオフィスの賃料を上げる業者もいるようですが、疑問がある場合、増額に応じる必要は無いと呼び掛けます。
「建物や設備は、契約した時から老朽化していくため、賃料が下がる場合があります。貸す側と借りる側の両者が納得できない場合、家賃供託という制度があるので、『値上げを理由に大家が今までの金額の受取りを拒否する』といった場合はお声がけください」
「不動産財産を相続で承継したものの、売却しかないような状況になる方もおられます。COOLオフィスでは、建築会社など不動産のプロにも協力を得て、相続した土地や建物の扱いに困っている人を一人でも多く助けたい」と語ります。
「当COOLオフィスでは、イタリア製のエスプレッソマシンと、通の間で評判のコーヒーメーカーを揃えています。お越しになった際には自慢のコーヒーを淹れて、じっくりと話を伺います」
スピードと正確性の両立に加え、当事者中に情報弱者を生まないよう公平さを重視するのが雪野さんの流儀。
「案件の解決(登記完了)と共に依頼者との交流が終わるのが通常かと思いますが、私は、相続や事業承継の後にも経過などの確認のため連絡を取り、仕事に結びつかなくてもできる限り支援を続けるつもりです」
(取材年月:2023年11月)
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司法書士・行政書士として遺産相続と事業承継を支援するプロ
雪野聖也プロ
司法書士
COOLオフィス
司法書士・行政書士双方の資格で、相続や事業承継を中心に活動。親族が多いご家庭へ配慮し、円滑な遺産分割と相続を進めつつ、財産処分もアドバイス。事業承継は親族・社員への譲渡を検討し、世代交代をサポート。
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