心と身体のコンディションを整えハイパフォーマンスに導くプロ曳野美華

心と身体のコンディションを整えハイパフォーマンスに導くプロ

曳野美華

思い込みに気付いて自身を解放できるよう、心と身体のコンディションを調整

　「経営者の保健室の先生」として、心と身体のコンディションを担う「アンスリール」（岡山県倉敷市祐安）の代表・曳野美華さん。“素の自分”でいられる安心・安全な場を提供し、ハイパフォーマンスを発揮するための土台づくりをサポートしています。

　「業績の動向、従業員の管理など、経営者は常にストレスにさらされ、プレッシャーや孤独と戦っています。また、顧客や社会への貢献を優先するあまり、疲弊した方も数多く目にしてきました。当方は『自分も幸せ、相手も幸せ』を実現するためのワークやセッションを通じて、心が安心・安全な日々を送れるよう伴走します」

　自らインストラクターを務めるピラティス、メンタリストの視点、エビデンスに基づく脳科学を合わせた独自のメソッドが特長。自己を俯瞰（ふかん）できるよう“魂”にも意識を向け、思考の奥深くにアプローチします。

　「私たちは生きていく中で“思い込みという名のアプリ”をインストールしています。経営者であれば、『お客さまや従業員のために自分の事は後回し』『自己犠牲は美徳』としがち。それが実は『頑張っても報われない』という状態を引き起こします。なぜそのアプリを使ってしまうのか？一緒に探し、解放した上で、本当にかなえたい新しいアプリをインストールすることで、願望達成が早まります」

　まずは30分の無料相談で自分の思考を知ることからスタート。次に90分の体験セッションを受講、必要に応じて数カ月単位のプログラムに移ります。

　「体験だけでも変化する方が多いですね。セッション後、周囲とのコミュニケーションも世界の見え方も変化することに気付くでしょう」

父の膝の上で過ごした時間が原点。自分らしくいられる居場所が大切と実感

　曳野さんの活動の原点は幼少期にあります。父親に守られ、安心感を得られた時間が今につながっています。

　「いつも父の膝の上でテレビを見ていました。安心感を得ていたからこそ家の外でも私らしく過ごすことができ、市の卓球大会では優勝することができました。何事にも臆さず挑み、力を発揮するには、自分が自分でいられて、安心感をチャージできる居場所が大切だと気づきます」

　ところが結婚後「自分を抑えて尽くすのが妻」を求められ、自己犠牲をする事が増え、自分を追い込み、どんどん痩せていきました。「自分らしく生きるとは？」と考え始め、離婚を決意します。

　「心の回復のきっかけはピラティス。身体を整えると心も整うと実感しました。特に変わったのは、それまでは人の意見に合わせることが得意でしたが、相手がより良くなるよう自分の想いを伝えられるようになったことです。身体から心にアプローチできるんだ！という発見から、道を究めようとインストラクターの資格をとりました」

　医局秘書として20年働いた後、パーソナルトレーナーとして独立。利用者から「メンタル面のアドバイスも的確で参考になる」と喜ばれ、本格的に心理学や脳科学の要素も取り入れるように。2018年に心身のメンテナンスを専門とする「アンスリール」を立ち上げ、ビジネス誌の「風の時代を彩る女性起業家50人」にも選ばれます。

　「行政や企業に招かれ数百人を前にセミナーを開くこともあり、以前の私からは考えられません。『私を信じる』というアプリを入れたからで、皆さんの中に“父の膝の上”で得た「安心感」をもたらすことができるのが幸せです」

内なる自分を知り、家族との仲や業績も向上。スポーツメンタルの分野も強化

　曳野さんにとって仕事の醍醐味は、利用者が内なる自分を知る瞬間に立ち会えること。WEB制作会社の代表は「自分や家族はさておき、社長たるもの従業員を幸せにしてなんぼ」と長く信じてきましたが、セッションを受けて人生が変わりました。

　「顧客や従業員ではなく、まず自らの心に集中することで『自己犠牲は美徳』という思い込みを解放できました。すると家族との仲も深まり、感覚が研ぎ澄まされ会社の業績も伸びたとお伺いし、うれしかったですね」

　心と身体に向き合い、親との不仲を解消し、ノンストレスで開業した医師は「お金は悪だ」という思いこみから解放され、1/2の営業で2倍の売上になった人も。ピラティスで正しい姿勢を身に付け、スーツの着こなしが見違えるように洗練された人もいるそうです。

　「経営者やキーマンの意識が変われば組織風土も変わります。今後は直接的に効果を上げられるよう企業研修にも注力したいと考えています」

　また、世界的な大会で選手のメンタルトレーナーを担った経験を生かし、スポーツの分野にも進出したいと展望。競技人生だけでなく選手としての自分も含めた「人生」そのものをどう形成していくのか？という根本的な生き方にフォーカスしたサポートをしたいと言います。

　「関わる方々に光を照らし、その人達が更なる輝きを放てるよう、サポートいたします」

（取材年月：2025年4月）

ストレスや孤独を抱える「経営者の保健室の先生」として“素の自分”でいられる場所を提供

思い込みに気付いて自身を解放できるよう、心と身体のコンディションを調整

父の膝の上で過ごした時間が原点。自分らしくいられる居場所が大切と実感

内なる自分を知り、家族との仲や業績も向上。スポーツメンタルの分野も強化

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