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人生100年時代を楽しめるよう、シニア向けのパソコン・スマホ教室を開催

シニア向けのパソコン・スマホ教室で“楽しさ”を伝えるプロ

中村英明

中村英明 なかむらひであき
中村英明 なかむらひであき

#chapter1

パソコンとスマホの使いこなしを伝え、パソコンのトラブル・メンテナンスにも対応

 近年はホテルや新幹線のチケット、病院の受診や銀行窓口の予約、行政での手続きなどがオンライン化されています。自宅から申し込みができて利便性が増していますが、パソコンやスマートフォンが苦手だと不便を感じることが多い世の中になりました。

 「当方は、シニアの皆さんが便利な生活を送れるように、少人数制で丁寧に使い方を教えています」と語るのは、JR倉敷駅から徒歩約5分の鶴形商店街で「パソコンの木」(倉敷市鶴形)を主宰する中村英明さん。
 隔週金曜日に自分のペースでパソコンの操作方法を学ぶことができる「半年間コース」や、毎週金曜日にスマホの使いこなし術を習う「倉敷シニアスマホ倶楽部」などを開催しています。

 生徒は70〜80代のシニアが中心で最高齢は94歳。中には10年間以上通っている人もいるそうです。
 「みなさん私より年上です。ビジネスパーソンのようにスキルアップを目的に黙々と勉強するというより、生徒さん同士が交流を図り、和気あいあいとした雰囲気です。分からないことがあれば遠慮なくご質問ください」

 教室運営のほか、「パソコンのびょういん」として、「電源が入らない」「エクセルを使っていたら急に動かなくなった」「キーボードが使えなくなった」など、さまざまな困りごとにも応じています。

 「長年パソコンを扱っているので、トラブルの対処法やメンテナンス法を自然に覚えました。修理が難しいケースはお受けできないこともありますが、だいたいの不具合は直すことができます。かかりつけ医のようにいつでも相談していただけます」

#chapter2

中学生の頃からパソコンで遊んでいた経験を生かし、教える立場に

 中村さんがパソコンに興味を持ったのは40年以上前、中学2年生の頃です。

 「1980年代の初頭で、徐々にパーソナルコンピューターが出回っていたんです。友だちの家にマシンがあり、遊びに行った時に使わせてもらっていました。今では想像しにくいですが、データをカセットテープに保存していた時代です」

 大学卒業後は高校や塾で講師として勤める傍ら、好きが高じてパソコン教室を手伝い、生徒に講習するように。転機となったのは、米国のマイクロソフト社がWindows95を発売した1995年。インターネットが普及し、パソコンを習いたいという声が高まったことです。

 「かねてより起業したいと考えていたので、今後ますますニーズが伸びることも踏まえ、本業にしようと決意しました。マシンを配備している場所が少なかったので私費で10台購入し、各方面に持参して開講するようになりました」

 募集をかけると、すぐに満員になるほど受講の熱が高まっていた時期。最初は週1〜2回のペースで教えていましたが、どんどん依頼が増えていきました。

 「倉敷市や岡山市など各地に赴き、月曜日から金曜日まで1日4回の講座をこなす日々でした。次第にパソコンを備える施設が多くなり、人を雇って複数箇所で教室を開くなど手広くやっていました」

 最近は、文部科学省が打ち出した「GIGAスクール構想」にも着目。これまでの経験やスキルを生かして、小中学生がネットやデジタル機器を活用して学習するICT教育にも力を入れています。

中村英明 なかむらひであき

#chapter3

情報収集など、デジタルが持つ楽しさや可能性をシニアと分かち合いたい

 未来を担う子どもたちの一助になればと、小中学生にプログラミングなどを教える一方で、気になるのがデジタル機器に不慣れなシニア世代です。

 「食品や日用品の買い物をしたり、周囲とコミュニケーションを取ったり、情報収集をしたり、今やネットは暮らしの一部となっています。人生100年時代と言われますから、シニアも急速に進むIT化から取り残されないよう、日々進化するテクノロジーに触れてほしいと思っています」

 中村さんが学生時代から魅せられた「デジタルが持つ楽しさや可能性」を、シニア世代とも分かち合いたいと力を込めます。
 「家族に使い方を聞くと面倒くさがられ、『気が引ける』という方もいらっしゃるでしょう。当方では同じ事を繰り返し聞いても大丈夫。『面白いことを見に来ませんか』と気軽な感じで皆さんをお待ちしています」

 生活に関連する内容を取り上げるなど関心を持ってもらう工夫も。例えば、南海トラフ地震が話題になるとAI(人工知能)で地震予測をしたり、災害情報にアクセスしたりする方法を教えます。海外旅行に行く生徒は、ネットでビザを取得しました。
 「生徒さんが『こんなことができるんだ』と、目を輝かせながら取り組んでいる様子はほほ笑ましく、うれしい限りです」

 新製品や新しいサービスにも常にアンテナを張る中村さん。「防災やお天気など日常に役立つアプリもありますから皆さんと共有し、特にスマホの活用度を上げていきたいですね」と語ります。

(取材年月:2024年8月)

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専門家プロフィール

中村英明

シニア向けのパソコン・スマホ教室で“楽しさ”を伝えるプロ

中村英明プロ

パソコン教室講師

パソコンの木

中学生の頃からパソコンを扱い、パソコン教室を開催。修理や点検にも広く対応。デジタル機器を苦手な人が多いシニア世代でも、和気あいあいとした雰囲気のなかでパソコンやスマホを学ぶことができる。

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