相続手続きのプロ
川本洋
Mybestpro Interview
相続手続きのプロ
川本洋
#chapter1
「大切な家族を亡くし悲しみにくれている時に持ち上がるのが相続。どのような問題点があるのかだけでも知っておいてほしい」
そう語るのは岡山市・下中野に事務所を構える、税理士法人パートナーズの代表社員、税理士でファイナンシャルプランナーの川本洋さんです。相続の大切さを啓発するために尽力を続けており、2004年から中四国エリアで個別相談やセミナー・講演会をそれぞれ年間30回程度開いています。「2012年5月に米子市に山陰支社を開きました。今後は鳥取市や米子市、出雲市、倉吉市などの地域で、よりきめ細かに、相続に取り組めます」と川本さんは微笑みます。
しばしば変わる税制に対応するため高度な専門的知識が必要なことや、依頼の総件数が少ないため、相続を専門とする税理士は全国でも少数だといいます。「相続に関係するお客さまを紹介してくれた方のところへ出向き、相続の専門家の必要性を説明しています。少しずつでも相続の意識を高めていきたいですね」
大学在学中から相続専門の税理士事務所に所属し、希望して相続の仕事にかかわりました。独立開業してからも相続の勉強を欠かしたことはありません。「誰にも遺産相続のことで争ってほしくない。財産だけでなく、『遺された家族に仲良くしてほしい』という亡くなった方の気持ちも引き継いでほしい」。“相続専門”の税理士という仕事に情熱を燃やす川本さんの根源にある思いです。
#chapter2
もちろん相続税対策も重要な仕事。土地評価一つとっても、固定資産評価額の数値で良いというわけにはいきません。一つひとつ裏付けを取りながら実際の価値を判断していかなければ、お客さまに大きな損をさせてしまいかねません。
「相続に関する知識や経験のある、なしで大きく節税の度合いも変わってきます。不動産の相続では数千万万円単位で違いがでることもあります」と川本さんは強調します。
さらに大事なのが、亡くなった方の遺志や相続人の思いです。川本さんが勧めるのは財産保有者と相続人が事前に財産を確認し、誰が何を引き継いでいくかを協議しておくこと。
相続の手続きでは10カ月で税の申告、納付までをしなければなりません。書画や骨董、貴金属も課税の対象になりますが、持ち家や貯金のほかに、どんな財産があるのか、遺族の方がまったく知らない場合、それを調べることから始めなければならず、日程的に非常にタイトになることもあります。節税面でも相続開始後に打てる手は少なく、不利になります。
事前に調査、協議をすませておけば、納税額の予想もでき、相続税申告で問題となる点にも手を打てます。例えばアパートの駐車場の一部を一般駐車場として開放している場合、駐車位置を整理し、アパート専用駐車場と一般駐車場にはっきり分けるだけでも相続税の評価額はずいぶん違うそうです。
「一般の方が想像する以上に相続の手続きは大変です。あわてて失敗することのないように、少しずつでかまいませんから情報を集め、いざという時に備えて知識を身に付けていただくのが一番です」と川本さんはアドバイスしてくれました。
#chapter3
生きているうちに相続の話を始めると怒る親もいるのではないかと疑問をぶつけると、「最近では意識が変わってきていて、相続の話に抵抗はなくなってきています。パートナーズでは手続きを通じて家族の絆(きずな)が深まるような支援を心がけています」と教えてくれました。
相続の話題は、成長した子どもたちが親の前で、本音を語り合う良い機会でもあります。こっそりではなく、関係者全員の前で堂々と語り合ってほしいと川本さんは願っています。
「親から子へ、子から孫へと伝えられるのは、物だけではありません。家族で助け合う心こそ本当に伝えたいと願っている人は多いはず。問題が起こってしまった後に、弁護士のような仕事はできませんが、できる範囲で節税のお手伝いと家族の心の継承のサポートをしていきたいと考えています」
パートナーズは年間1000件以上の相続や贈与関連の相談を受ける専門家集団。「よりお客さまの思いに応えられるよう、一歩踏み込んだ仕事をしていきたい。腕を磨いて、手続きの後で関係者みんなが爽快(そうかい)な気分になれるような税理士になりたいですね」。川本さんの口調は穏やかでしたが、揺るぎない決意が込められていました。
相続に関連する相談は増加傾向にあるといいます。今後は四国地域にも進出を考えているという川本さんが果たす社会的役割はさらに大きくなっていくことでしょう。
(2012年10月取材)
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川本洋プロ
税理士
税理士法人 パートナーズ(企業全体77名)
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