暮らしの困り事を即解決する「便利」サービスのプロ井上きよみ

暮らしの困り事を即解決する「便利」サービスのプロ

井上きよみ

ワンストップで対応する地域の「便利屋さん」

　倉敷中央病院前に、赤い看板が目を引く「ベンリー倉敷中央病院前店」（岡山県倉敷市美和）の店舗があります。「お困りのことがあれば、まずは気軽にご相談を」と快活な笑顔で話すのは、店長の井上きよみさん。2017年1月に開業した当店には、シンボルカラーの真っ赤なユニホームを着たスタッフ5人がスタンバイし、顧客の要望に迅速に対応しています。

　これまで依頼を受けたのは、家具の移動や不用品の片付け、引っ越しの手伝い、庭木のせんてい・伐採や草取り、部屋や雨どいの掃除、エアコンクリーニング、トイレのつまり抜き、車庫の組み立て…と多岐にわたります。まず電話や店頭で相談を受け、スタッフが訪問し、最善の解決方法を提案して見積りをするそう。「『こんなことを頼んでもいいのかしら？』と悩んでいても解決しません。小さなことでも遠慮なくご相談ください」と井上さんは呼びかけます。

　「ベンリー倉敷中央病院前店」の強みは、依頼後早ければ即日、遅くとも3日以内で訪問する「迅速な対応」。ほとんどが自宅に訪問しての作業のため、きちんとした身だしなみや、道具や工具を床に置く時には布を敷くなど顧客に少しでも嫌な思いをさせない「細やかな対応」を徹底しているそうです。「お客さまが何を求められているのかをしっかり確認しています。たとえば不用品処分といっても、お客さまにとっては思い出のある物だったり、処分を迷われていたりすることも…。お気持ちをくみつつ作業するようにしています」。そんな女性店長らしい細やかな配慮も「ベンリー倉敷中央病院前店」の特長です。

「自分がしてもらいたい」細やかなサービスを提供

　経営コンサルティング会社、ソフト開発会社、大手電機メーカー、大手商社勤務を経験後27歳でIT関連の会社を東京で設立し、独立。専門知識や豊富な実務経験と、国家資格である中小企業診断士を武器に、ITの研修や記事執筆、コンサルティングの仕事をバリバリこなしていた2007年、父が他界。一人っ子の井上さんは、地元倉敷に戻り、認知症の母の介護を始めました。仕事はテレワークで乗り切ろうとしたものの、介護との両立は負担が重く、2010年には事業を休止。この経験から2011年に介護者支援のNPO法人を立ち上げ、悩み相談や情報提供を開始。さらに2016年には「ベンリー」を始めるために会社を設立しました。

　「介護と仕事をしながらでは、家の掃除や、庭木の手入れなどの日常の家事でさえ、なかなか手が回りません。家の中は汚れ、庭は草ぼうぼう。介護しやすいようにタンスを動かしたくても私一人ではできません。男手がないとどれだけ大変かも痛感しました」。そこで「自分や家族だけではできないこと、してもらってうれしいサービスを提供できれば、人の役に立てるかもしれない」と思い立ったといいます。

　個人の家に立ち入っての作業にはノウハウや信用力も必要。ためらっていた時にひらめいたのが「ベンリー」でした。そこでフランチャイズ契約を結び、2017年1月に開業しました。「もともと木登りとか好きだったんです」と笑う井上さんは、今では庭木のせんていや雨どい掃除といった高い場所での仕事から専門的なクリーニング、国家資格を取得して電気工事まで幅広くこなすようになりました。

困った人に寄り添い、安心できる生活支援サービスを

　女性店長らしい細やかな気配りとていねいな応対が好評な井上さんですが、作業には4人の男性スタッフとのチームワークも欠かせません。家具の移動、不用品の片付け、引っ越しの手伝い、水廻り、クリーニング、草木の伐採やせんてい、パソコンのトラブルなど、スタッフそれぞれの得意分野によって現場での作業リーダーを決め、抜群のチームワークで対処するといいます。専門性の高いスタッフがそろっているのも「ベンリー倉敷中央病院前店」の強みなのです。

　「最近では、『ずっと悩んでいたのにたった3時間で終わるなんて、もっと早く頼めばよかった』『片付いたら気分がすっきりして、生活がうまく回り出した』というお客さまからのうれしい感想もたくさん聞かれるようになりました」。水廻りのトラブルが解決したのちに、今度は家の掃除の依頼があるなど、次第にリピーターも増えつつあるそうですが、「もっと『ベンリー』の便利さを知ってもらい、ご活用いただければ」と赤いユニホームのスタッフがきちんとていねいな仕事で安心をお届けします。

　かつて介護のために自身の生活を180度変えざるを得なかった井上さんが、介護で困った体験からスタートした「生活支援サービス」事業。「あなたに頼んでよかった」「本当に助かったわ」という声を聞くと、やってよかったと実感するそうです。「人に頼むことをためらっている方、誰に頼めばよいかわからない方、悩まずにまずは気軽にお電話ください。きっと皆さまのお役に立てるはずです」と力強く話してくれました。
（2019年1月取材）

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