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不動産、建築のプロとして、空き家の利活用に特化したサービスを展開

工務店のノウハウを生かし、空き家を利活用するプロ

池本敏朗

池本敏朗 いけもととしあき
池本敏朗 いけもととしあき

#chapter1

「どうする空き家」をキャッチフレーズにした事業で売買や賃貸をサポート

 「誰も住まなくなって劣化が進み実家の屋根が崩れてきた」「家族の思い出がつまったわが家をできるだけ残したい」など、空き家に関する悩みに応えているのは、備前市西片上の「池本工務店」会長の池本敏朗さん。

 長年、不動産業に携わってきたノウハウをもとに、社内に「どうする空き家」をキャッチフレーズに掲げた専門部署を創設。地元のネットワークも生かして、空き家の売買や賃貸仲介などのサービスを手掛けています。

 「依頼を受けると現地に赴き、構造や水回りなどを調査し、土地・建物の名義や実測図といった登記内容も不備がないか確認します。状況を把握した上で、手入れを施して貸し出すのか、手放すのか、お客さまの意向を踏まえながら今後についてご案内いたします」

 売却や賃貸にあたって査定は無料。物件は自社のホームページや不動産情報サイト「住まいる岡山」に掲載し、広く募集をかけます。

 「サイトに載せる写真にはちょっとしたコツがあり、お客さまには事前に室内をある程度片付けることをおすすめしています。家財道具がたくさん残っていると間取りが分かりにくいですし、煩雑な雰囲気は買い手の印象も良くありませんからね。自治体によっては、空き家の荷物を片付ける費用を助成しているところもあるので、ぜひお役立てください」

 買い手に向けては、物件の特徴を分かりやすく伝える工夫もしています。

 「納得してご購入いただけるよう、『日当たりが良い』『駅が近い』といった長所だけでなく、『駐車場がない』『リフォームが必要』などの短所も率直に紹介しています」

#chapter2

設計から施工まで空き家のリフォームもワンストップで対応

 「当方は建築士で、家の状態を正しく判断できることが強みです。住宅設備やレイアウトをリニューアルする際も、設計から施工までワンストップで担えます。不動産関連の手続きに詳しい地元の司法書士や行政書士とも連携しています」と池本さん。

 マイホームを検討する人にとって、中古住宅は費用を抑えられるのが魅力。リフォーム代を含めて新築の4分の1程度の価格で入手できる場合もあるそうです。
 「農業がしたくて県外から移住した人が田んぼ付きの物件を購入したり、企業が戸建てをシェアハウスに改装し、技能実習生の社宅として使ったりする例もあります」

 池本さんの元を訪れる人のほとんどは、空き家の所有者の子どもや孫世代。両親や祖父母が介護施設に入所したり、亡くなったりして無人になった家屋に不具合が生じ、近所からの連絡で気付くケースが多いそうです。

 「自分が住んでいた家に思い入れはあるものの、遠方に住んでいる、仕事が忙しいといった理由で管理が難しい。さら地にするにしても、数百万円の解体費用がかかる上、固定資産税が増えてしまうため手つかずになってしまうようです。立地や建物のコンディションにもよりますが、修繕して入居につなげることで、お客さまにもご近所の方にも安心してもらいたいですね」
 
 豊かな経験と情報網をもとに、需要と供給の橋渡しをする池本さん。全国古家再生推進協議会の古家再生投資プランナーの資格を持ち、収益目的の大家業に向けて運用のアドバイスもしています。

池本敏朗 いけもととしあき

#chapter3

生まれ育った地に貢献したい。人口減少に悩む地方の活性化も目指す

 郊外に大型ショッピングモールが進出し、消費者が流れている現状を鑑み、池本さんは空き店舗の所有者に対しても利活用を促しています。

 「生き残るためには新たな展開が必要です。例えば、飲食店を起業したい若者に安く貸し出すのも一つ。商店街全体をグルメタウンのような形で再構築すれば、若い人たちを呼び込めるのではないでしょうか」

 備前市出身。法政大学で建築を学び、岡山市内の設計事務所に就職。その後、父が営む池本工務店に入社し、建築士として経験を積みました。同社代表を務めていた50代のときに県議会議員に当選し、4期にわたって県政に尽力。県議の活動を通じて知ったのが、空き家問題でした。

 「特に地方は深刻です。岡山県の空き家率は16.4%(2023年時点)で、全国平均を上回っています。行政の支援策だけでは十分ではなく、民間が知恵を絞って取り組まなければ空き家は増える一方だと危機感を持ちました」

 2023年に家業に戻り、会長に就任。生まれ育った地に貢献したいとの思いも込めて、空き家に特化した事業に着手しました。

 対応エリアは備前市、和気町、赤磐市、瀬戸内市など。考え方に賛同する事業者を県内全域で募ってさらにエリアを広げ、課題解決の体制強化を目指しています。

 「若いファミリーに提供するなど空き家を活用することで、人口減少が進む地方を活性化したいですね。住んでいた人の思いを受け継ぎ、長く大切に使う方法をご提案しますので、お気軽にお問い合わせください」

(取材年月:2024年8月)

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池本敏朗

工務店のノウハウを生かし、空き家を利活用するプロ

池本敏朗プロ

建築士、不動産コンサルタント

株式会社池本工務店

不動産のプロとして空き家を利活用いたします。家の状態を正しく判断した上で、依頼主の思いに寄り添いながら売却、賃貸、リフォームなど適切な選択肢を提案。一つの窓口でワンストップで進められるのも強みです。

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