PROFESSIONAL
STORIES

Mybestpro Interview

病気の原因は、日々の生活の中に。自己治癒能力を活かした治療で救いたい。

親子を心身ともに健康へと導くプロ

矢田公裕

矢田公裕 やだきみひろ
矢田公裕 やだきみひろ

#chapter1

子どもだけでなく、親子で診るファミリークリニックのような小児科

 子どもたちの健やかな成長に繋がる診療を最優先に考える、別府市の『矢田こどもクリニック』は、とりわけ気管支喘息、アレルギー性鼻炎、食物アレルギーなどのアレルギー疾患や、夜尿症、心臓病、発達障害が専門。
 院長の矢田公裕さんは、子どもたちが本来持っている自己治癒能力を、最大限に高めて治す方法を用いて、薬や注射などの使用を、必要最小限にとどめた治療を心がけています。
 また、今、現れている症状そのものに留まらず、その病気を引き起こす原因となった心の問題がないか、心身両面からしっかりと診察していくのも、経験豊富な矢田さんならではのスタイル。必要に応じて、心理士と連携したメンタルケアもおこなってます。

 「時には、親御さんが心の問題を抱えていることで、お子さんの心身の状態に影響していることも。そういった場合、子どもだけでなく、親御さんも同時に、治療やケアを進める必要があり、実際、当院でそうしたケースは少なくありません。うちは小児科というより、ファミリークリニックのようなところかもしれませんね」と、親子の関係性に着目した診療をモットーとしています。

 子どもたちが病気にならないよう、そして、病気になってもすぐに治るようにという思いから、病児保育室 『クローバー』、地域子育て支援拠点『すくすくルームふたば』も運営。こちらは単なる小児科クリニックではなく、親子の関係や、地域の子育てをも支える存在なのです。

#chapter2

地域の医療を支えてきた医師の家系に生まれて

 矢田さんは、地元・別府市の医療を、代々支えてきた家系に生まれました。明治維新時代の先祖は、コロリ(コレラ)の治療に奔走し、父親は内科医として『矢田内科医院』を開業。そんな環境下に育ったことから、自然と医者の道に進んだといいます。高校卒業後に、福岡大学医学部へ進学。ただ父親と同じ内科ではなく、「やってみたい」思いから、小児科を選びました。

 大学時代は、闘病中の子どもたちと接するうちに、その気持ちや苦しみを痛感しました。筋ジストロフィーの子どもを担当していたころ、当時は効果的な治療法がなく、はがゆい思いでいっぱいだったそうです。今でも「今だったら治療の可能性があるのに・・・」と思い返すこともあるそうですが、そんな辛い経験があったからこそ、真摯に子どもたちと向き合う、現在の矢田さんがいるのでしょう。

 中津市で勤めていた時は、はしかや百日咳などの感染病を扱うなど、あらゆる病気にまんべんなく、そして深く関わりながら、 小児科医としての研鑽を積みました。のちに勤めた、院内標榜科に循環器小児科を掲げ、国内でも有数の歴史と症例数を誇る東京の榊原記念病院では、心エコーやカテーテルについて勉強。
 
 豊富な経験とともに平成5年、地元・別府市に帰郷し、矢田クリニック内科・小児科を開設、副院長に就任。平成7年には『矢田こどもクリニック』に名称変更し、院長となったあとも、現場以外にも、インターネットや書籍などからも情報を取り入れ、傷を早くきれいに治す方法や、極力痛くない予防接種方法の検討等、常に最新、そして効果的な最善の治療法を研究・取捨選択して、診療に活かし続けました。その結果、子ども自身が持つ回復力に着眼した、抗生物質や注射をできるだけ使わない、子どもの成長を一番に考えた診療スタイルを確立できたのです。

矢田公裕 やだきみひろ

#chapter3

子どもたちの健康と成長を、あらゆる形で見守っていきたい

 平成20年、行政の委託を受け、『矢田こどもクリニック』に併設された『病児保育室クローバー』と、『地域子育て支援センターすくすくルームふたば』を開設。この事業を手がけた意図は、子どもたちの健やかな成長には、常日頃からの親子の絆がとても重要で、それを育む環境づくりが必要だと考えたからです。

 実は矢田さんは、この行政委託を受けるはるか前、開院当時から、親子サークルの実施、栄養士や保育士と連携して、クリニックでイベントを催すなどしてきました。
 当時は、客寄せ目的ではとの心無い声も多かったものの、そんな逆境にも負けず「子どもたちや親子のために」という信念を、長年貫いてきた結果、行政にも認められ、地域の子育て中の親子に喜ばれ、頼られる存在となりました。
 
 平成14年からは、医師会の理事を勤め、また平成28年に、別府市医師会会長に就任してからは、ますます地域全体のための健康づくりについて考えるように。
 将来的には、親子両方のための療育センターや保育園など、さまざまな展開も視野に入れている矢田さん。「窓際のトットちゃんに出てくる学園のような園がつくれたらと思っています。いろいろな形で、子どもたちの育つ姿を見守っていけたら嬉しいです」。

 福岡大学時代に知り合い、今は看護師長であり副院長でもある妻の典子さんや、16名のスタッフに支えられ、まだまだ夢を追い続ける矢田さん。その瞳は、まるで少年のようにきらきらと輝いていました。
(取材:2017年9月)

リンクをコピーしました

Profile

専門家プロフィール

矢田公裕

親子を心身ともに健康へと導くプロ

矢田公裕プロ

小児科医

医療法人社団ふたば会 矢田こどもクリニック / こども子育て研究所

 

\ 詳しいプロフィールやコラムをチェック /

掲載専門家について

マイベストプロ大分に掲載されている専門家は、新聞社・放送局の広告審査基準に基づいた一定の基準を満たした方たちです。 審査基準は、業界における専門的な知識・技術を有していること、プロフェッショナルとして活動していること、適切な資格や許認可を取得していること、消費者に安心してご利用いただけるよう一定の信頼性・実績を有していること、 プロとしての倫理観・社会的責任を理解し、適切な行動ができることとし、人となり、仕事への考え方、取り組み方などをお聞きした上で、基準を満たした方のみを掲載しています。 インタビュー記事は、株式会社ファーストブランド・マイベストプロ事務局、または大分朝日放送が取材しています。[→審査基準

MYBESTPRO